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【耳管開放症】は副鼻腔炎と関係がある?鼻かみが原因になることも
耳管開放症は、副鼻腔炎(蓄膿症)の人に多いと聞いたことはありませんか。これは本当なのでしょうか。そして、副鼻腔炎と耳管開放症にはどのような関係があるのでしょうか。ゆうき耳鼻咽喉科院長の結城和央先生にくわしくお聞きしました。
耳管開放症は、人によって原因が異なる病気です。原因を自己判断せずに、この病気にくわしい耳鼻咽喉科の専門医に診てもらうようことを忘れないでください。
耳管開放症と副鼻腔炎の関係
鼻かみが耳管開放症の原因になることがある
私の経験上、耳管開放冒症の患者さんには、アレルギー性鼻炎や、副鼻腔炎のような慢性的な鼻症状を抱える人が多くいます。鼻がつまったり、鼻水が出たりすると、誰でも鼻をかむものです。実は、頻繁に鼻をかむという行為が、耳管開放症を発症させる一因になるのです。
鼻をかむと、耳管に一時的に圧力がかかり、耳管が開いて空気が耳から抜けます。このとき通常であれば、すぐに耳管が閉じますが、鼻をかむ行為を何度もくり返していると、耳管を閉じる力が弱い人ほど些細(ささい)なことでも耳管が開きやすくなり、耳管開放症に移行してしまうのです。
つまり、鼻をかむ回数を減らすことが、耳管開放症の予防、改善につながります。そこで、当院では、耳管開放症が疑われる患者さんに対して、まず、慢性的な鼻症状がないかを確認しています。そして、なんらかの鼻の病気を併発している場合は、耳管開放症よりも、そちらの病気の治療を優先して行うのです。すると、それだけで耳管開放症の症状が改善する例も少なくありません。
鼻症状を改善すると71%の人の耳管開放症の自覚症状がよくなる
かつて私が行った、耳管開放症と鼻症状の関係を調べる調査では、耳管開放症の患者さん75名のうち21名(28%)に鼻症状があり、その21名に鼻症状を改善させる治療を行ったところ、15名(71%)の耳管開放症の自覚症状が改善しました。
ちなみに、ここでいう改善の基準とは、自覚症状が1ヶ月以上気にならなくなった状態をいいます。具体的には、アレルギーによる鼻症状がある人に抗アレルギー薬を処方したところ、鼻づまりや鼻水が治まり、同時に耳管開放症の症状も改善しました。また、副鼻腔炎で鼻の中にポリープができていた人も、副鼻腔炎の治療を行っただけで耳管開放症の症状が治まりました。
このように、耳管開放症は鼻症状と関係性が強い病気です。耳管開放症の人で、鼻の不調を抱えている人は、一度耳鼻咽喉科などで専門医に診てもらうことがおすすめです。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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