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【耳管開放症】自分の声が響く、耳づまりなど(症状・原因・なりやすい人)まとめ。セルフチェックつき

解説仙塩利府病院耳科手術センター長(東北大学名誉教授)
小林俊光

「耳管開放症」をご存じでしょうか。自分の声や息をする音が響いて聞こえたり、耳がつまる感覚がするなどの不快な症状を引き起こす病気です。実は、耳管開放症は脱水症状でも起こりやすくなるため、夏に多い病気であるといわれています。

この記事では、まだまだ認知度が低い耳管開放症について、仙塩利府病院耳科手術センター長(東北大学名誉教授)の小林俊光先生にお話を聞きました。みなさんが知りたい原因や症状を網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事は、健康情報誌『わかさ』2014年3月号にてQ&A形式で解説いただいたものをウェブ用に再編集したものです。

耳管開放症の症状まとめ

最近、耳に違和感を感じる…。もしかして、耳管開放症かもしれません。耳管開放症の可能性がある人は、耳鼻咽喉(いんこう)科で治療を受けることをお忘れなく。

症状① 自声強聴

自声強聴は、自分の声がいつもより異常に大きく聞こえたり、響くように聞こえたり、二重に聞こえたりする症状をいいます。これは、自分の声が開いた耳管(耳と鼻をつなぐ管)を通って、直接、中耳に入ってしまうために起こります。

症状② 呼吸音聴取

呼吸音聴取は、呼吸に伴って空気が耳管から中耳腔に入り、「ゴーゴー」「ザーザー」という音が聞こえる症状です。特に鼻から息を吐くときに大きく聞こえます。これも、自分の呼吸音が開いた耳管から中耳の中へ入ってしまうことが原因です。

症状③ 鼓膜が呼吸に合わせてペコペコ動く

呼吸に合わせてペコペコと鼓膜が動く音が聞こえることもあります。これは、耳管が開きっぱなしになると、呼吸に伴う圧変化が耳にも及び、鼓膜が動いてしまうために起こります。

症状④ 耳閉感

耳閉感とは、膜が張ったり水が入ったりして、耳がつまったような感覚のことをいいます。

その他にも、フワフワしためまいや耳鳴りを併発することもあります。

耳管開放症ってどんな病気?

なかなか聞きなれない耳管開放症。そもそもどのような病気なのでしょうか。以下にまとめたので参考にしてください。

中耳と鼻の奥をつなぐ耳管という細い管が開きっぱなしになる

耳管開放症とは、中耳と鼻の奥をつなぐ耳管という細い管が開きっぱなしになる病気です。耳管とは、長さ3〜4センチ、直径1ミリほどの管で、鼓膜の外側と内側の気圧を調整する役割を担っています。

通常、耳管は閉じているのですが、唾液を飲み込んだり、あくびをしたりしたときに一時的に開くしくみになっています。

みなさんも、高い山に登った時や飛行機に乗ったときに、耳がつまって音が聞こえにくくなった経験があると思います。そうしたときに唾液を飲み込むと耳の異常が解消しますが、これは、耳管が開いて中耳の中と外の気圧が一定になるためです。

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症状は個人差がある

耳管開放症の患者さんの耳管は、数分で閉じる軽症から、数時間から一日中開きっぱなしになる重症まで、人によってさまざまです。

さまざまな原因が関係して発症する

耳管が開きっぱなしになる原因は一つではありません。体重の急激な減少やストレス、血流の低下、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)の乱れ、ホルモンバランスのくずれなど、いろいろな原因が関係しています。

頭痛やめまいを併発することも

耳管開放症になると、自声強聴、呼吸音聴取、耳閉感などの症状に加え、肩こり・頭痛・耳鳴り・めまいを併発することもあります。

治療法

耳管開放症の治療法は、一般には患者さんの症状に合わせて薬物治療などの対症療法を行います。そうした治療で効果がない重症の場合は、耳管を物理的に閉じる手術を行うこともあります。

さらなる認知の拡大が必要な病気

近年、耳管開放症は徐々に知られるようになってきたものの、まだ十分とは言い難いのが実情です。

そのため、聴力には異常が起こらないので検査を行っても「異常なし」と診断されるケースが少なくありません。また、低音障害型感音難聴や突発性難聴後遺症などほかの病気と診断される可能性もあります。

こうしたことから、適切な治療を受けていない患者さんが数多くいると思われます。

耳管開放症になりやすい人の特徴

耳管開放症はさまざまな原因が関係して発症しますが、耳管開放症になりやすい人にはいくつかの特徴があります。

30〜40代の女性に多い

耳管開放症は男女ともに起こりますが、発症数は女性のほうがやや多く、その割合は女性5に対し、男性3とする統計調査があります。年齢分布では、10~20代の若い世代から、70代の高齢者まで幅広く見られ、女性は30~40代に多いとされています。

無理なダイエットをしている

女性に多い原因の一つに、ダイエットがあるのではないかと推測されています。急なダイエットを行うと、耳管(耳と鼻をつなぐ管)を適度に閉めている耳管周囲の脂肪が減り、耳管が開きやすくなります。

BMI(体格指数。正常値は20~24)が20未満の人が、3~5キロ以上急にやせると、耳管開放症の危険が高まるとされています。もちろん、このことは男性にも該当するので、男性であっても急激なダイエットは控えてほしいと思います。

糖尿病、ガン、心臓病、リウマチなどで体重が減ったときも、耳管開放症を招くケースがあります。

妊娠や経口ピルによるホルモン分泌の変化

女性は妊娠や経口ピルの服用でホルモン分泌が変化したときに耳管開放症を招くことがあります。実際、妊娠した女性の五人に一人は耳管開放症にかかるといわれています。とはいえ、この場合はホルモン分泌の変化は一時的なものなので、耳管開放症もたいていは出産後に自然に治癒に向かいます。

耳管が開きやすい体質

このほか、体質的に耳管が開きやすく、耳管開放症を起こしやすい人もいます。

耳管開放症のセルフチェック方法

軽症の人は診察や検査で異常が認められないことがある

自声強聴(自分の声が大きく響くように聞こえる症状)や耳閉感(耳がつまった感覚)などがあり、耳管開放症が疑われる場合は、早期に耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

しかし、耳管開放症は、軽症のときは症状が治まったり耳管が閉じたりしているときも多いため、そのようなときは診察や検査を受けても異常が認められないことがあります。

症状が出ているタイミングで医師の診察を受けるのが難しい場合は、セルフチェックが役立ちます。

深いおじぎをしたり横になると症状が軽快するかどうかを視よう

耳管開放症のセルフチェック方法は、症状が出ているときに、「深くおじぎをする」「しばらく横になる」といった頭を下げた姿勢を取ることです。このような姿勢で症状が軽くなれば、耳管開放症の可能性が高いといえます。


他の記事では、耳管開放症で病院を受診する際の注意や、セルフケア方法も紹介しています。耳管開放症に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。


この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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