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雨の日や暑い日に悪化する?【耳管開放症と天候】の関連性を専門医が解説

解説 慶友銀座クリニック院長
大場俊彦

耳管開放症の人の中には、天候によって症状が重い日、軽い日があると感じている人がいるといいます。本当に耳管開放症と天候は関係しているのでしょうか。
もしそうなら、それはなぜでしょうか。慶友銀座クリニック院長の大場俊彦先生にお話を聞きました。

耳管開放症の症状の変化には、さまざまな原因が考えられます。決して自己判断をせずに、耳管開放症にくわしい耳鼻咽喉科の専門医に診てもらうことが大切です。

耳管開放症と天候の関連性

耳管開放症は気圧の変化に影響を受けにくい

耳は気圧の影響を受けやすい部位なので、耳の病気で悩んでいる人は天候や気候の変化によって、難聴・耳鳴り・耳閉感・めまいなどの症状が強くなることもあります。

例えば、飛行機や高速エレベーターに乗ったとき、耳がつまって聞こえにくくなります。これは高度が大きく上下することで気圧が変化し、鼓膜の内と外の圧力に変化が生じるためです。
本来は耳管が気圧の調節弁の役割を果たしていますが、その気圧差をうまく調整できないために起こる現象なのです。

雨が降りだしたときや台風の接近時なども気圧が変化するので症状の悪化を訴える人もいますが、耳管開放症の場合は、直接、天候の変化が影響しているとはいえないでしょう。

なぜなら、耳管開放症の患者さんは耳管が開きっぱなしなので、中耳(鼓膜の奥)の空気は常に鼻から抜けており、中耳の内圧と外部の気圧に大きな差が生じることはないからです。

もし天候によって症状が変動するような場合は、メニエール病や、寒暖差によって鼻炎を起こし中耳炎に悪化しているなど、ほかの病気も考えられます。念のために、症状を主治医にくわしく伝えて再検査を受けてください。

天候による精神状態の変化や、暑さによる脱水症状の影響を受ける可能性がある

耳管開放症は精神的なストレスと関係があるとも考えられています。天候は、精神状態に影響するほか、猛暑だと脱水状態に陥り、耳管開放症の原因になります。

このように、天候は間接的に耳管開放症には影響を及ぼすことがあると考えられます。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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