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【禁煙対策メソッド❼】どうしても吸いたいときの対処法|水飲み・深呼吸・歯磨きでしのぐ

解説 日本禁煙学会理事長・日本赤十字医療センター医師
作田学

禁煙において、さけて通れないのが離脱症状(禁断症状)との戦いです。

それを乗りきるための秘策について、日本禁煙学会理事長で医師の作田学先生に話をお聞きしました。

最初の3日間が離脱症状のピーク

タバコをやめると、わずか数時間でイライラしたり不安になったりして、無性にタバコが吸いたくなってきます。特に、禁煙から3日めがピークで、吸いたいという欲求に頻繁に襲われます。その欲求は3分ほどで治まりますが、またしばらくすると出現する、という感情の波を数十回もくり返すことになるのです。

s_禁断症状.jpg逆に考えれば、ここで吸うのを我慢すれば、そのあとは欲求を抑えるのがだんだんらくになっていくのです。

「吸いたい」という欲求を紛らわせるのには、いろいろな方法があります。例えば、タバコが急に吸いたくなったときに、その場でコップ1杯の水を飲めば、欲求がスッと抑えられます。タバコを吸いたくなるタイミングは人それぞれなので、いつでも水が飲めるように、水筒やペットボトルを持ち歩くといいでしょう。

ほかにも深呼吸をしたり、ラジオ体操やストレッチなどの軽い体操を行ったり、歯を磨いたり、糖質を抑えたガムや干しコンブなどをかんだり、お香を炊いたりするなど、欲求を抑えるのには、さまざまな方法があります。自分に合うものを見つけましょう。

ちなみに、私のおすすめは、「般若心経」を唱えることです。般若心経を唱えるには、3分くらいかかります。欲求の波をやり過ごすだけでなく、精神を落ち着けるのにも役立つので、試してみてはいかがでしょう。

離脱症状を前向きにとらえる姿勢が必要

3日間のピークが過ぎれば、吸いたいと思う気持ちは徐々に減少していきます。1週間たてば、欲求が続くのは2分くらいになり、起こる回数も1日数回に減ってきます。さらに3週間たてば、30秒くらいの欲求が1日数回しか起こらなくなり、離脱症状はぐんと軽くなります。

なお、禁煙による離脱症状は吸いたいという欲求だけではありません。中には、めまいや頭痛、眠け、便秘、疲労感など、人によってさまざまな症状が現れます。

このとき、「タバコをやめたせいでつらい思いばかり」とマイナスに考えてはいけません。これらの症状は、すべて毒であるニコチンが体から抜けている証なのです。「禁煙は順調に進んでいる」と前向きにとらえて、離脱症状に対抗していきましょう。

ニコチンは中毒性が高いので、誘惑に負けた瞬間、あっというまに振り出しに戻ってしまいます。

3カ月が過ぎれば、離脱症状はほぼ治まります。禁煙は、3日め、3週間め、3カ月めをいかに耐え抜けるかがポイントになります。そして乗り切れば、禁煙の大きな山場を越えたことになります。禁煙できたという自信がついて、確実に持続できるようになるでしょう。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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