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【禁煙対策メソッド❹】あなたの大切な人の「命」を奪う|室内で吸えば家族の発がんリスクが2倍

解説日本禁煙学会理事長・日本赤十字医療センター医師
作田学

タバコの害は喫煙者のみにとどまりません。「受動喫煙」は喫煙者の家族や周囲の人に、深刻な健康被害を及ぼします。あなたの身勝手な「喫煙」が、あなたの大切な人の命を奪う要因になっているかもしれません。

日本禁煙学会理事長で医師の作田学先生に、受動喫煙による健康被害の大きさについて、話をお聞きしました。

副流煙の方が有害成分の濃度が高い

タバコの煙には喫煙者本人が直接吸い込む「主流煙」と、タバコの先端から立ち上る「副流煙」とがあり、そこには有害物質が大量に含まれています。タバコを吸わない人でも、喫煙者が近くにいると副流煙の危険にさらされるのです。

特に、副流煙は低温で不完全燃焼(約400度C。主流煙は800度C)の煙であるため、主流煙と比べ有害成分の濃度が高く、ニコチンは2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素は4.7倍も含まれています。

受動喫煙による健康被害はさまざまで、セキやタン、気管支炎、頭痛、めまい、吐きけ、ウツ、心拍数の上昇、酸素不足による運動能力の低下などの症状が現れるだけでなく、肺が壊れるCOPDや高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームのような慢性を引き起こし悪化させる要因にもなります。

受動喫煙は1日5〜10本の能動喫煙の健康被害に匹敵するともいわれており、肺ガンや虚血性心疾患のリスクを確実に高めます。国立がんセンターの調査によると、受動喫煙に起因する肺ガン・虚血性心疾患による年間死亡者数は、6800人にも及ぶと推定されています。

また、日本の有名な疫学調査では、タバコを吸う夫を持つ妻は、吸わない夫を持つ妻に比べて、肺ガンになるリスクが約2倍高まることが報告されています。そのほか、海外のデータで、受動喫煙の程度(唾液中のニコチン)の濃度が高い(0.8〜13.5ナノグラム)人は、認知機能障害のリスクが1.44倍高くなること、受動喫煙の環境にあるだけで難聴のリスクが1.44倍高くなることなども示されています。

タバコを消しても健康被害に遭う

s_Fotolia_132003783_Subscription_Monthly_M.jpg最近は、受動喫煙だけでなく、「三次喫煙(サードハンドスモーク)」の危険性についても注目されています。これは、2009年に米国の研究によって報告されたもので、タバコを消したあとでも残留物があり、そこから有害物質を吸入して健康を損なう可能性があると指摘しているのです。

つまり、喫煙者のいた場所にいるだけで、タバコの健康被害に遭ってしまうかもしれません。

喫煙は、家族や周囲の人の健康に対する責任を放棄しているといえるかもしれません。また、喫煙者も非喫煙者も、タバコの健康被害の認識をしっかり持って、周囲の人に禁煙をすすめましょう。「タバコを憎んで人を憎まず」です。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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