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【禁煙対策メソッド❺】禁煙成功者の「変化」を知る|呼吸がラク、味覚・嗅覚が変わるなど喜びの声多数

解説 日本禁煙学会理事長・日本赤十字医療センター医師
作田学

禁煙に成功するためには、あなたの先輩である禁煙成功者たちの「喫煙時」と「禁煙後」での変化について知ることも大切です。

禁煙をすると、体調が変わるのはわかっているが、具体的にどのような変化があるのか…日本禁煙学会理事長で医師の作田学先生に話をお聞きしました。

「食べ物がおいしい」「朝の目覚めがいい」

タバコをやめたらどんなメリットがあるのでしょうか。まず、禁煙して数日のうちに衰えていた味覚や嗅覚が改善し、食べ物をおいしいと感じられるようになったり、自然の緑や花の香りがよくわかるようになったりします。

喫煙者は、常に茶色いベールを身にまとっているようなものです。タバコをやめると、そのモヤが晴れるように気分がスッキリして、味覚や嗅覚などの感覚がもとに戻るのです。そのほかにも、禁煙して1〜2週間で、睡眠の質が向上して朝の目覚めがよくなった、疲れにくくなった、肌トラブルが減ったという体調の変化を感じる人も多いものです。加えて、口臭や体臭が薄れてくるので、周囲の不評を買うこともなくなります。

さらに、禁煙を1カ月続けると、セキやタン、喘鳴(ゼイゼイした呼吸)などの呼吸器の症状が改善し呼吸がらくになってきます。そして1年後には、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんの肺の機能にも改善が見られるようになるのです。

禁煙を2〜4年続けると、狭心症や心筋などの心臓の病気のリスクが大幅に減り、10年が経過すると、ガンのリスクも低下させることができます。具体的には、10〜15年で咽頭ガンのリスクが60%、10〜19年で肺ガンのリスクが70%低下することがわかっています。20年禁煙すると、ガンのリスクが、タバコを吸わない人と同レベルになるともいわれています。

禁煙で1日1時間の余裕が生まれる

タバコをやめると、時間の節約にもなります。例えば、タバコを1本吸うのに3分かかるとすれば、1日1箱吸う人は、毎日、タバコのために1時間を浪費していることになります。

タバコを買いに行ったり、喫煙場所を探したりする時間も含めれば、その時間はもっと長いでしょう。ほかの用事や仕事に当てることができれば、あなたの1日はもっと有意義なものになります。もちろん、あなたの寿命も延びるのですから、人生の可能性も広がることになります。

そして何よりも、受動喫煙や三次喫煙の加害者という立場から決別できます。大切な家族や友人の健康を、あなたのタバコの害から守ることになるのです。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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