1. ニュース&コラム
  2. 医師解説【骨盤のゆがみ】セルフケア。「上体ひねり」「イスおじぎ」で左右の傾きを正そう

医師解説【骨盤のゆがみ】セルフケア。「上体ひねり」「イスおじぎ」で左右の傾きを正そう

解説今井病院
城戸淳美

骨盤のゆがみはさまざまな不調を招くといわれますが、具体的にどのようにして正せばいいのかわからない人が多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、今井病院の城戸淳美先生に、骨盤のゆがみの中でも左右の傾き(右か左どちらかが下がっている状態)を正す作用が期待できるセルフケア体操を2種類教えてもらいました。どちらも不調を感じたときに1〜2回行うだけの簡単な体操なので、ぜひ取り組んでみてください。

なお、骨盤が右に傾いた場合と左に傾いた場合では、現れる症状が違うと城戸先生は話します。どちらに傾くとどのような症状が現れるかについても解説していただきました。

骨盤のゆがみは、万病の元といわれています。日々の姿勢や動作に注意することに加え、骨盤を支える筋肉を強化する体操に取り組むことを意識してください。

日常の偏った姿勢や動作が骨盤の左右の傾きを招く可能性がある

骨盤が左右に傾くということ、それは簡単にいうと左右の足の長さが変わるということです。重大原因は、骨盤とつながっている股関節のズレ(専門的には転位という)にあると私は考えています。股関節は両足のつけ根にあって、よく動かすため、ズレが生じやすいのです。

例えば、股関節のズレは過激な運動や転倒で起こります。そればかりか、イスに足を組んで座る、両足を交差させて片足だけに重心をかけるといった日常の偏った姿勢や動作でも、股関節がずれてしまうことがあります。そして股関節がずれると、左右の足の長さが違ってくるのです。その結果、ひざを傷めたり、腰椎(背骨の腰の部分)が圧迫されて腰痛などが起こったりすることがあります。

自分に骨盤のゆがみがあるかないかは、鏡に全身を移すことによってチェックできます。全身が映る鏡の前で正面を向き、まっすぐに立ったとき、骨盤の上端(腰骨の出っ張った部分)の高さが左右で違う場合は、骨盤にゆがみが生じていると考えられます。右側が高ければ骨盤が左に傾き、左側が高ければ右に傾いていることになります。私は、前者を「右バランス」、後者を「左バランス」と呼んでいます(下の図参照)

他にも、頭や肩、上半身が左右のどちらかに傾いていたり、下腹がポッコリ出ていたり、両ひざの高さが違ったり、太もも・ひざ・ふくらはぎ・内くるぶしのうち、くっつかない場所が2カ所以上ある場合には、骨盤になんらかのゆがみがある可能性が高いと考えられます。

スクリーンショット 2018-10-01 15.43.12.png

骨盤の右側が高い人は免疫力が低下し、骨盤の左側が高い人はストレスに弱いことが多い

私が診るかぎり、ほとんどの人が、右バランスか左バランスになっています。そして、そのことは、日常のなにげない動作とも深くかかわっています。例えば、右バランスの人は、食べ物を右側でかむ、足を組んで座るときに右足を上にする、右足から歩きはじめる、頭の左側を下にして寝る、といったクセがついています。左バランスの人は、これらと反対のクセがあります。

実は、右バランスか左バランスかによって、現れやすい症状や病気にも違いがあるのです。具体的な例をあげましょう。

右バランスの人は、原則として痛みやしびれなどの症状が体の左側に現れやすくなります。特に、呼吸器系(カゼや気管支炎など)と循環器系(貧血や動悸など)の病気、アトピー性皮膚炎やシミなどの症状が出やすいようです。

左バランスの人は、原則として症状が体の右側に現れやすくなります。消化器系の病気(胃痛・胃炎・下痢・便秘など)をはじめ不眠、ウツ、高血圧、女性なら生理痛なども出やすいようです。なぜこのような違いが出るのかは、まだはっきりしたことはわかっていません。あえていうなら、自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配する神経)との関係が指摘できます。

つまり、股関節がズレて片側の骨盤が上がっていると背骨が圧迫され、それによって自律神経が影響を受けるのです。自律神経には、体を緊張させて活動的にする交感神経と、ゆるやかにして休息させる副交感神経があり、互いがバランスよく働くことで全身の機能を維持しています。

そして、右バランスの人は副交感神経が優位になりやすく、心臓の拍動がゆるやかになるため動悸を感じやすく、同時に免疫力(病気から体を守る力)も低下してカゼやアトピーなどを招きやすいのです。一方、左バランスの人は、交感神経が優位になりやすく、心臓の拍動や血流も高まって体は活動的です。ところが、ストレスに弱い面があるため、イライラしたり、胃腸の病気を招いたりしやすいと私は考えています。

骨盤の左右の傾きを正す「上体ひねり」「イスおじぎ」のやり方

右バランスの人も左バランスの人も、体を動かすときに重心が一方だけに偏らないようにすることが大切です。偏りがちになるのは、自分にとってらくな姿勢であるからです。しかし、らくな姿勢や動作を続けていたのでは、骨盤のゆがみや体の不調は改善されていきません。

例えば右バランスの人は、なるべく左足から出て、左手で荷物を持つようにしたりしましょう。

さらに、骨盤の左右の傾きを正すために「上体ひねり」「イスおじぎ」という2種の体操を試してみてください(下の図参照)。

s_スクリーンショット 2018-10-01 15.15.48.png

この2つはどちらも、下半身をそろえて、上体を左右どちらかにひねる体操です。右バランスの人は右側へ、左バランスの人は左側へひねります。そうすることで、さまざまな体の不調がその場で軽減され、骨盤の左右の傾きもしだいに改善していくことが期待できます。

どちらの体操も、不調を感じたときに1~2回ほど行えば十分です。私の今までの治療の経験では、毎日行えば、若い人なら1週間程度で、高齢者でも数カ月で改善する患者さんが多くいました。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

関連記事

この記事が気に入ったらいいね!しよう