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見た目年齢が2年間で32歳分も若返った女性。秘密は血管の若返りにある(大学教授が解説)

解説 愛媛大学附属病院抗加齢・予防医療センター長
伊賀瀬道也

見た目が老けたからといって、あきらめてはいけません。やり方しだいでは、30代40代はもちろん、50代以降でも十分に若返らせることができるからです。ぜひ、家族の方にもこの事実は伝えてあげてください。くわしくは、下記の記事をご覧ください。

この記事では、実際に見た目を若返らせた人の話を紹介します。その人は、驚くことになんと32歳分も見た目が若返ったといいます!
愛媛大学特任教授の伊賀瀬道也先生に話を聞きました。

実年齢45歳なのに、見た目は60歳に見られた

愛媛県に住む佐橋裕子さん(仮名・47歳)は、私が所属する愛媛大学医学部附属病院の抗加齢・予防医療センターを訪れました。

当時の佐橋さんは45歳でしたが、当院の20人の看護師が観察した見た目年齢は60歳と、実年齢よりも15歳も老けていました。実際、私が初めて佐橋さんに会ったときには、左のこめかみからほおにかけて大きなシミ(肝斑)がありました。見た目年齢がとても老けて見られた理由には、この大きなシミがあることも原因と考えられました。

さらに、血管年齢の測定機器で調べた佐橋さんの血管年齢も60歳と、実年齢を大幅に上回っていました。動脈硬化(血管の老化)が進み、血管の弾力性が失われ、硬くもろくなっていたのです。

魚油のEPAを積極的にとった

私たちのこれまでの研究で、シミの面積が広い人は動脈硬化が進んでいるとわかっています。佐橋さんの場合は、その典型的な数値が出た例といえるでしょう。

佐橋さんの血液を検査した結果、脂質異常症(血液中のコレステロールや中性脂肪が異常に多い状態)が認められました。特に悪玉コレステロールが多く、おなかの周りに内臓脂肪もたくさんたまっていました。
そこで、佐橋さんにはイワシやサバなど、青背の魚に多い魚油、EPA(エイコサペンタエン酸)の医薬品を処方し、毎日飲んでもらいました。EPAには、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やす、優れた働きがあります。血管年齢と見た目年齢を若返らせるのが狙いです。

佐橋さんには、生活習慣の改善も指導しました。佐橋さんは3人のお子さんの子育てが一段落したのちに喪失感に襲われ、ケーキやお菓子などを多食するようになっていました。運動も、ほとんどしていなかったようです。
そこで、暴飲暴食を控えるとともに、運動を積極的に行うように、佐橋さんに指導しました。佐橋さんが定期的に来院するようになって半年後には、佐橋さんは甘い物の多食を控え、週4回もテニスを楽しむようになっていました。

そして、1年後には、57キロあった体重が7キロも減り(身長は157センチ)、肌の調子も改善して化粧ののりがよくなってきたのです。
初診から2年たち、再び来院した佐橋さんは動脈硬化が改善し、血管年齢は40歳と以前より20歳も若返っていました。また、顔にあった大きなシミもほとんど目立たなくなり、見た目年齢も28歳と、32歳分も若返ったのです。

佐橋さんは親御さんの介護のために、愛媛から実家の鹿児島まで通っていますが、疲れがたまることなく、見た目ばかりか体も若返ったと喜んでいます。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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