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【歯周病を歯磨きで治したい⑤】歯間マッサージ歯磨きは、入れ歯の痛みや圧迫感の対策にもおすすめ

解説 PMJ歯科診療所院長
黒瀬真由美

歯周病対策におすすめの歯磨き法が「歯間マッサージ歯磨き」。
歯垢を取るのに適しているばかりか、歯茎のマッサージ効果もあります。

歯科医で歯間マッサージ歯磨きを患者さんに指導している黒瀬真由美先生に、実際の患者さんの例を紹介していただきました。
この記事では、実際に歯間マッサージ歯磨きを試した人の話を紹介します。記事は、健康情報誌『わかさ』2017年9月号の掲載記事をもとにウェブ用に再編集しています。

歯周病は、なんといっても歯科医の診断と治療を受けることが先決です。そのうえで、自分でできる歯磨き法を実践してみてください。

歯茎が引き締まって、歯のグラつきが安定した

私が院長をしているPMJ歯科診療所に入れ歯の相談にくる患者さんの中には、「噛むことはできるのですが、入れ歯をつけると痛みや圧迫感があります」と訴える人がいます
入れ歯をしている人は、歯周病を発症していることが多く、歯茎の腫れによって入れ歯をつけると痛みや圧迫感が生じるのです。

田口信一さん(65歳・仮名)は、そうした典型的な患者さんでした。右上の奥歯に4本分の部分入れ歯があり、入れ歯を引っ掛けている左右の歯がグラついた悩みで相談にきました。こうした場合は、まず土台となる歯ぐきの治療を優先し、歯茎が安定したところで、それに合わせて入れ歯を設計します。

田口さんには、歯科衛生士による「歯間マッサージ歯磨き(正式には、つまようじ法という)」を体験してもらい、自宅でもできるように指導しました。最初は、歯茎からの出血もありましたが、口がさっぱりすると納得され、自宅でも朝晩の1日2回の歯間マッサージ歯磨きを熱心に続けてくれたようです。

すると、1ヵ月ほどで歯ぐきが引き締まり、入れ歯を引っ掛けている歯のグラつきもなくなり安定してきました。当院で設計した入れ歯には以前のような違和感がない、と満足してくれています。

1カ月で歯茎の腫れが治まり、出血も止まった

歯茎の出血や歯のグラつき、歯の痛み、歯茎の腫れなど歯周病のすべての症状を訴えて来院したのは、加藤浩子さん(71歳)です。
中でも、歯茎からの出血に悩んでいて、朝起きるとシーツや枕カバーが血で汚れていたといいます。診察したところ、歯周ポケットの深さは7〜8ミリもありました。加藤さんの場合は、歯周病の進行度は中程度ですが、歯ぐきの炎症が強かったのです。

そこで治療は、歯間マッサージ歯磨きから始めました。最初、歯科衛生士にブラッシングしてもらい、歯茎からの大量の出血に驚いた加藤さんですが、治したいという意志が強く、自分でも熱心に歯間マッサージ歯磨きを行ってくれました。朝と昼は軽めに行い、夜はたっぷり時間をかけたそうです。

すると、1ヵ月もしないうちに歯茎の腫れが治まり、出血もしなくなりました。さらに、歯茎が引き締まってピンク色になってきたのです。
加藤さんが通院するようになって1年になります。歯周病の治療はまだしばらく続きますが、周囲の人からも、歯ぐきがきれいになったとほめられる機会が増えた、と加藤さんはいいます。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© カラダネ © Fotolia

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