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【歯周病を歯磨きで治したい④】歯科医師も治療に採用し、口臭が消失!抜歯も回避

解説 PMJ歯科診療所院長
黒瀬真由美

歯周病の対策、自分でできることはやはりなんといっても、ていねいな歯磨きです。
そこでぜひおすすめしたいのが、歯間マッサージ歯磨き。やり方や作用については一番下の関連記事をご覧ください。

ここでは、実際に治療をされている歯科医の黒瀬真由美先生に話を聞きました。

歯周病の人は、必ず歯科医の診断と治療を受けることが前提です。そのうえで、歯磨きを試してみてください。

歯磨きを歯周病治療の中心に位置づけている

歯周病の人に断然おすすめの歯磨き法「歯間マッサージ歯磨き(正式には、つまようじ法という)」の効果を私が実感したのは、岡山大学予防歯科に在籍していたときのことでした。

この歯磨き法の考案者である渡邊達夫先生は、当時、岡山大学教授で予防歯科診療室で実践し、治療実績を上げておられました。
先生の指導を受けた私は、歯科診療所を開業した当初から、歯間マッサージ歯磨きを歯周病治療の中心に位置づけてきたのです。

診療所でプロの歯磨きを体感して覚えてもらう

私の診療所では、「術者磨き」といって、歯科医師や歯科衛生士といったいわば歯磨きのプロが患者さんの歯をていねいに磨くスタイルをとっています。

私たちが行っている術者磨きでは、患者さんは横になって口を開けているだけです。でも、その間に、歯と歯の間に歯ブラシの毛先が入る感覚や力の加減、歯ぐきを毛先でマッサージできる気持ちよさといった生きた情報を、患者さんに体感してもらいます。
そして、その感覚を手がかりに、家庭でのブラッシング習慣につなげることを重視しているのです。

抜歯直前の重度の歯周病が改善した人も

実際に、歯間マッサージ歯磨きを行うと、歯周病の原因となる歯と歯の間の歯垢を取り除くことができるだけでなく、ブラッシングの刺激によって歯ぐきの炎症が治まり、歯ぐきが引き締まってくることがわかります。

抜歯直前だった重度の歯周病が改善したり、口臭が消えたりする人がおおぜいいます。また、土台となる歯ぐきが引き締まることで、合わなかった入れ歯が安定する人も少なくありません。

噛めなかった人が、歯間マッサージ歯磨きをしたら噛めるようになった

私には、1本の歯ブラシが、歯周病治療の最強の道具であることを再確認した忘れられない経験があります。それは、2011年の東日本大震災のときでした。仙台で開業している友人に誘われて宮城県の避難所に入った私は、1人の男性に出会いました。

みずからも被災しながらも当地で世話役として活動していた男性で、歯茎が腫れて歯が浮き上がっている状態だったのです。1週間ほど前から痛くて噛めないという訴えでした。でも、私の手元にあるのは歯ブラシだけでした。
そこで私は、歯間マッサージ歯磨きで、男性の歯間をていねいに徹底的に磨きました。うっ血した部分から大量に出血しましたが、ブラッシングが終了し、うがいをしてもらうと、「あ、噛めるようになりました!」といわれたのです。

口の中のQOL(クオリティオブライフ=生活の質)を上げることは、生活そのもののQOLを上げることです。その方法として、歯間マッサージ歯磨きの確かな実力を再認識した出来事でした。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© カラダネ © Fotolia

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