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【クモ膜下出血の前兆】軽い頭痛が何日か続く場合は要注意。医師への伝え方が重要

解説山口クリニック院長 脳神経外科医
山口三千夫

発症すると3人に1人が1週間以内に亡くなる可能性があり、3人に1人は麻痺が残るといわれるクモ膜下出血。前兆や対処法を知って、早めの対処を心掛けたいですよね。クモ膜下出血の前兆や対処法について、山口クリニック院長で脳神経外科医の山口三千夫先生にくわしいお話を聞きました。

クモ膜下出血に限らず、脳卒中の心配がある人は、すぐに脳神経外科や神経内科で診てもらうことが大切です。

カラダネでは、脳卒中の発症と再発の防ぎ方、もしものときの対処法や治療法など、知りたいことがすぐに見つかる記事を多数用意しています。関連記事からご覧ください。

クモ膜下出血の前兆は頭痛、吐き気、手足の麻痺、片目の異常など

クモ膜下出血の前兆は激しい頭痛

クモ膜下出血では、さまざまな前兆が現れます。その中でも特徴的な前兆は激しい頭痛で、「突然、ハンマーで頭をなぐられたような痛み」「天地がひっくり返るような痛み」と表現する人もいるほどの激痛が、ほとんどの場合に起こります。当然、意識がもうろうとするほどの激しい頭痛が起こったときは、すぐに救急車で病院へ運んでもらいましょう。

脳卒中の中で、これほど激しい頭痛が前兆として起こるのはクモ膜下出血だけです。脳梗塞の前兆は主に麻痺(マヒ)や失語症で、頭痛が起こることはほとんどありません。脳出血の場合は、半数近くに頭痛があったという研究報告もありますが、激しい頭痛を訴えるということはあまり多くないようです。

頭痛が軽い人や起こらない人もいるので要注意

激しい頭痛といっても、痛みの感じ方は千差万別です。「激しい頭痛でなければクモ膜下出血の心配はない」ということではありません。実際に、軽い頭痛の人もいますし、頭痛が全く起こらない人もいるので要注意です。

ふつうの人は頭痛が起こればすぐに危険を感じると思いますが、日ごろから頭痛持ちの人はクモ膜下出血の前兆の頭痛となかなか区別できません。そこで「いつもと違う頭痛」だと感じたら、クモ膜下出血の前兆を疑ってください。とにかく「何か変だ」「いつもと違う」という第六感が、とても重要になるのです。

吐き気や嘔吐、意識消失、手足の麻痺、失語症もみられる

クモ膜下出血の前兆としては、吐き気や嘔吐(おうと)も6割近くの人に起こります。

一過性(一時的に起こり消えること)の意識消失があった人も数多くいます。私が調べた91人の患者さんのうち、35.2%は意識を一瞬失っています。当然、一瞬でも意識がなくなるというのは、ただ事ではありません。

出血量が多い場合、手足の麻痺、失語症といった神経症状が現れることもあります。

軽い頭痛が何日か続いたら脳動脈瘤から軽い出血をしている可能性がある

クモ膜下出血の発作が起こる前に、警告症状としての前兆が現れることがあります。脳動脈瘤からわずかに出血しているような場合、大出血による発作が起こる前に、軽い頭痛が何日か続くことがあるのです。

しかし、軽い頭痛が続いているだけなので、それが警告症状なのかどうかは自分ではわかりません。たとえ病院を受診しても、それが内科などであれば「疲れがたまっていますね」といわれ、鎮痛剤や筋肉弛緩剤などが処方されるだけかもしれません。実際、ほとんどの頭痛は鎮痛剤だけで治ってしまうのです。そこで、医師には「いつもと違う頭痛」であることを強く訴えてみてください。

脳動脈瘤が神経を圧迫して片方の目に異常が起こることも

また、脳動脈瘤から出血していなくても、脳動脈瘤が大きくなって周囲の神経を圧迫すると、片方だけのまぶたが下がって片眼がふさがってしまうことがあります。瞳孔が大きくなったり、片方の目が外を向いたままになったりすることもあります。これを動眼神経麻痺といいます。

この場合、眼科で検査をすると、すぐに脳神経外科の病気だとわかるので、専門の医療機関を紹介してもらえるはずです。


軽い頭痛で病院へ行く人は少ないでしょうが、それを警告症状ととらえて受診すれば、クモ膜下出血の発作を防ぐことができる場合もあります。「いつもと違う頭痛」などを感じたら、すぐに脳神経外科を受診しましょう。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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●山口クリニック院長
〒663-8204
西宮市高松町4-8 プレラにしのみや 3F
阪急神戸線西宮北口駅 南側改札口徒歩3分
0798-63-9550
 http://www.ycl-i.com


昭和37年 :岐阜県立医科大学卒業
     一年間のインターンのあと母校の第2外科入局、外科と脳外科の研修
昭和42年~44年:シカゴ大学脳外科に留学(脳浮腫の生化学的研究)
昭和45年 :岐阜大学医学部第二外科助手
昭和47年 :神戸大学脳神経外科助手
昭和49年~51年:米国国立衛生研究所留学
昭和51年 :シカゴ市のクック郡病院脳外科医師
昭和52年 :神戸大学へ帰り昭和54年講師に昇任
昭和59年 :神戸大学医療技術短期大学部教授に昇任
平成6年 :神戸大学医学部保健学科教授
平成13年3月 :同上停年退職し5月より山口クリニック開設