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【クモ膜下出血は遺伝する?】多少はある。さらに喫煙や高血圧もあれば要検査

解説山口クリニック院長 脳神経外科医
山口三千夫

家族にクモ膜下出血を起こした人がいる場合、遺伝しないか不安ですよね。クモ膜下出血の遺伝性について、山口クリニック院長 脳神経外科医の山口三千夫先生にお話を聞きました。

クモ膜下出血に限らず、脳卒中の心配がある人は、すぐに脳神経外科や神経内科で診てもらうことが大切です。

カラダネでは、脳卒中の発症と再発の防ぎ方、もしものときの対処法や治療法など、知りたいことがすぐに見つかる記事を多数用意しています。関連記事からご覧ください。

クモ膜下出血は多少の遺伝性があり、定期的に検査を受けることがおすすめ

クモ膜下出血は高血圧や動脈硬化が原因になることがある

クモ膜下出血は、ほとんどの場合、脳血管にできるコブ、つまり脳動脈瘤が大きくなって破裂することで起こる病気です。大量の出血が、脳を覆うクモ膜という膜と脳の間(クモ膜下腔)に広がり、圧迫されて脳細胞が傷害されます。

クモ膜下出血は発症すると3人に1人が1週間以内に死亡し、3人に1人に麻痺(マヒ)が残り、社会復帰できるのは3人に1人という怖い病気です。適切な素早い治療も大事ですが、明暗を分けるのは出血の場所によるところが大きく、場所によっては、うまく治療できることもあります。

クモ膜下出血を引き起こす脳動脈瘤がなぜできるのかというと、それはまだ明らかになっていません。脳動脈瘤ができる原因としては高血圧や動脈硬化(血管の老化)などが考えられていますが、原因不明のものがほとんどです。

クモ膜下出血は多少は遺伝性があると考えられる

家族にクモ膜下出血になった人がいると発症リスクが高まることはよく知られていて、多少は遺伝性があると考えられます。喫煙者にも多いといわれています。

しかしながら、家族に発症した人がいなくて、高血圧でもなく、タバコを吸わない人でも、クモ膜下出血が起こらないわけではありません。

家族にクモ膜下出血を起こした人がいて、自分も高血圧というような場合は検査を受けることがおすすめ

脳動脈瘤は1〜2ミリの小さいものから20〜30ミリを超える大きなものまであり、大きくなるほど破裂しやすくなります。ところが、脳動脈瘤があってもさほど大きくならず、破裂しないまま一生を無事に過ごす人もいます。

とはいえ、遺伝性はあると考えられるので、祖父母や両親、兄弟などの家族にクモ膜下出血を起こした人がいて、自分も高血圧というような場合には危険性が高いといえるでしょう。一度、脳ドックなどの検査で脳動脈瘤がないかどうかを確かめておくといいでしょう。5年に1回くらいは受けたいものです。

検査で「判断がつきかねるけれどあやしい」とされたときは、1〜2年以内に再検査を受けてください。

ちなみに脳ドックは、脳のさまざまな検査を受けられますが、健康保険が使えず費用は最低でも5万〜6万円はかかります。もし脳動脈瘤の検査だけをしたい場合には、頭痛や高血圧の治療のための検査の一つとして脳神経外科でMRA(磁気共鳴画像)検査を受けるといいでしょう。健康保険が使えるので、3割負担で検査を受けることができます。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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●山口クリニック院長
〒663-8204
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阪急神戸線西宮北口駅 南側改札口徒歩3分
0798-63-9550
 http://www.ycl-i.com


昭和37年 :岐阜県立医科大学卒業
     一年間のインターンのあと母校の第2外科入局、外科と脳外科の研修
昭和42年~44年:シカゴ大学脳外科に留学(脳浮腫の生化学的研究)
昭和45年 :岐阜大学医学部第二外科助手
昭和47年 :神戸大学脳神経外科助手
昭和49年~51年:米国国立衛生研究所留学
昭和51年 :シカゴ市のクック郡病院脳外科医師
昭和52年 :神戸大学へ帰り昭和54年講師に昇任
昭和59年 :神戸大学医療技術短期大学部教授に昇任
平成6年 :神戸大学医学部保健学科教授
平成13年3月 :同上停年退職し5月より山口クリニック開設