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卵には黄身と白身があります。栄養の違いはありますか?【卵のギモンQ&A①】

解説 京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授
八田一

物忘れやメタボ、高血糖などの体の不調の予防や、肌や血管の衰え防止に役立つと、卵が注目を集めています。私たちにとって身近な存在の卵ですが、知らないことも意外と多いのではないでしょうか。
この特集では、身近な卵の疑問について、京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授、通称「卵博士」の八田一先生に回答していただきます。

1つ目の疑問は、黄身と白身の栄養の違い。卵の黄身と白身は栄養価に差があるという話を聞いたことがある人は多いと思います。はたしてそれは本当なのでしょうか。



卵の黄身と白身。いったいどんな栄養が多い?

かつて私が卵1個当たりに含まれる栄養を調べたところ、黄身は白身に比べ、脂質やカルシウム、リン、鉄、ビタミンAを多く含んでいることがわかりました。一方、白身は、たんぱく質のほか、ナトリウムやカリウムなどのミネラル(無機栄養素)が豊富でした。

黄身に脂質やたんぱく質、カルシウムなどが多いのは、ヒナの脳や神経、細胞、骨といった臓器や器官の材料になるからと考えられます。

それに対して白身は、黄身を雑菌などから守る役目を担い、リゾチームという酵素(たんぱく質)も含まれています。リゾチームには優れた抗菌作用があり、食品を日持ちさせる食品添加物としても利用されています。

ちなみに、全卵のたんぱく質は体内で作ることのできないアミノ酸が全種類含まれ、含有量も極めて多いため、アミノ酸スコア(食品中の必須アミノ酸の含有比率を評価する数値)は最高点の100とされ、たんぱく質の栄養価は母乳に匹敵します。最近は、たんぱく質不足に陥る中高年が多いと指摘されているので、卵は優れた補給源といえるでしょう。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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