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歩行中の【COPDによる息切れ】を防ぎたい。医師が「4ー2歩き」を推奨

解説 南越谷健身会クリニック院長
周東 寛

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状の一つである「息切れパニック」が起こりやすいのは、歩いているときや階段を上るときです。健康な人でも、歩いたり、階段を上ったりして息が切れることは珍しくありません。ましてや、肺の病気を抱えている人なら、なおさらでしょう。

そうした動作で起こる息切れパニックを防ぐ切り札となるのが「4-2歩き」です。この記事では「4-2歩き」の方法について、南越谷健身会クリニック院長の周東 寛先生にお話を聞きました。

COPDの症状がある方は、呼吸器科、呼吸器内科などの専門医に診てもらうことが重要です。そのうえで、記事で紹介する「4-2歩き」も試してみてください。



「4-2歩き」のやり方

4歩進む間に息を吐き、2歩進む間に息を吸う

4-2歩きでは、歩きだす前に息を吸って「1、2、3、4」と4歩進む間に息を吐き、「1、2」と2歩進む間に息を吸います。また、階段を上るときは、上りはじめる前に息を吸って「1、2、3、4」と4段上がる間に息を吐き、立ち止まって「1、2」と数えて息を吸います(階段を下りるときは途中で立ち止まらず、「1、2」と2段下りる間に息を吸う)。

こうした呼吸法をくり返すことで酸素を肺に多く取り込め、息切れパニックが起こりにくくなるのです。

呼吸するときは口をすぼめない

息を吸うときの2倍の時間をかけて息を吐くことは、口すぼめ呼吸法(ページ下部の関連記事参照)と同じ要領です。ただし、4-2歩きでは、4歩進む間に息を吐ききる必要があるので、口をすぼめないで呼吸します。鼻から息を吸い、ふつうに口を開いて「フー」とじっくり息を吐きましょう。

最初は長く息を吐けなくてもOK

4歩進む前に息を吐ききってしまう場合は、慣れるまで「1、2、3」で息を吐き、「1、2」で息を吸ってもかまいません。慣れてきたら、通常どおりに行いましょう。長く息を吐ける人は、「1、2、3、4、5」と5歩進む間に息を吐く、5-2歩きでもかまいません。

動作は呼吸に合わせてゆっくり行う

4-2歩きの目的は、息切れパニックを起こさずにできるだけ長く歩いたり、階段を上ったりすることです。急いで歩いたり、階段を上ったりすると息が切れてしまうので注意してください。動作は呼吸のペースに合わせ、ゆっくりと行うことが肝心です。

もし、4-2歩きをやっていて息苦しくなったら、すぐに休んで口すぼめ呼吸法を行い、呼吸を整えるようにしてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© カラダネ ©Fotolia

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