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せきやたんが長く続くなら【COPD】かも。検査の流れと治療法を専門医が解説

解説南越谷健身会クリニック院長
周東 寛

慢性的なセキやタン、動作時の息切れといった症状に心当たりがあるなら、 COPD(慢性閉塞性肺疾患)の疑いが濃厚です。そのような人はすぐに呼吸器科を受診して、検査を受けてください。呼吸器検査で早期発見をすることができれば、薬物治療や酸素吸入で症状を和らげることができます。

この記事では、COPDの検査の流れや治療方法について、南越谷健身会クリニック院長の周東先生にお話をうかがいました。

COPDの検査の流れ

一般に、COPDの検査は、問診→呼吸機能検査→画像検査の流れで行います。

レントゲンやCT
(コンピューター断層撮影)などの画像検査は、COPDを発見する最良の手段です。しかし、COPDは早期の段階では自覚症状がほとんどなく、問診だけでは病気を確定できません。そこで、呼吸機能検査の結果が重要になります。

呼吸機能検査は、「スパイロメータ」という機器を使って行います。スパイロメータには、思い切り吐いた息を中に吹き込む筒があり、そこに患者さんが吹き込んだ息をもとに肺活量のほか、1秒量(1秒間に吐き出せる量)、1秒率(肺活量に対する1秒量の割合)などを計測するのです。呼吸機能検査の結果、1秒率が70%未満で、ほかに肺の病気が認められない場合、COPDと診断されます。できれば、合併症の早期発見に肺CTスキャンの検査もあわせておすすめします。

ただし、COPDと診断されても、軽症の場合は禁煙などの生活改善がすすめられ、しばらく経過観察となります。COPDで治療が必要になるのは、すでに呼吸困難などの重い症状が現れている中等症以上の患者さんです。COPDは進行性ですので、治療はCOPDの程度に合わせた早期薬物介入が一番いいといわれています。

COPDの治療方法

薬物治療

COPDの治療では、症状を和らげたり、病気の進行を抑制したりすることを目的に、第一に薬物療法が行われます。
そして、薬物療法で中心となるのは「吸入用気管支治療薬」です。これは、吸入器から肺に直接吸い込む薬剤で、狭くなった気管支を広げて空気の通りをよくし、呼吸をらくにする作用があります。吸入用気管支治療薬として主に用いられるのは、「β2刺激薬」「抗コリン薬」の2種類があり、内服薬は「テオフィリン」などがあります。これらを症状に合わせて併用するのです。さらに、症状が重い場合は「吸入ステロイド薬」を用いることもあります。さらに肺の繊維化の予防・改善にリザモンド薬を内服することもあります。

運動療法、栄養療法、在宅酸素療法

ほかにも、COPDの治療として、息苦しさを改善するために運動療法や栄養療法、在宅酸素療法が行われます。
このうち、在宅酸素療法は自宅に酸素供給装置を置いたり、携帯用酸素ボンベを持ち歩いたりし、必要に応じて酸素吸入を行う対症療法です。かつて、酸素吸入は入院して受けるものでしたが、今は自宅で行えるため、患者さんの負担はずいぶん減りました。

合併症予防のワクチンも重要

COPDは、肺がん、肺線維症、肺感染症などの肺疾患を合併すると重症化しやすくなります。そうならないためにも、日々生活習慣改善、呼吸管理を行い、肺内免疫力を高めるように努力し、さらに肺呼吸器官薬を受けないように、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種を受けることも大切です。

さらに、COPDの症状で最もつらいのは、呼吸困難に陥る「息切れパニック」です。この息切れパニックを防ぐためには、日ごろから自力ケアを行う必要があります。その方法は別の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© カラダネ © Fotolia

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