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慢性腎臓病とお酒の意外な関係|適量ならOK!タンパク質が多いアルコール類はNG

解説横浜創英短期大学名誉教授
則岡孝子

塩分・カリウム・たんぱく質の摂取制限をはじめ、きつい食事制限の印象が強い慢性腎臓病(CKD)の治療ですが、アルコールの摂取についてはどうなのでしょうか。

一般的に考えると、アルコールを飲むのは良くないのではないかと考える人も多いはずです。横浜創英短期大学名誉教授の則岡孝子先生にくわしくご解説いただきます。

適量のアルコールは飲んでもOK

実は、肝臓やすい臓の病気を合併している場合を除くと、適量ならお酒を飲んでもかまいません。ただし、体調がすぐれていること、決められた量を遵守することが大前提です。

1日のお酒の適量は、アルコール量にすると、男性の場合は20グラム前後、女性の場合は10〜20グラムになります。基本的には、20グラム以内にするのが理想的です。日本腎臓学会の「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」にも、少量から中等量のアルコール摂取(エタノール10〜20グラム/日程度)は腎臓病に有益な働きをする可能性があると明記されています。

おおよそですが、ビール(アルコール5度)なら中瓶1本(約500ミリリットル)、日本酒(アルコール15度)なら約1合(約180ミリリットル)、ワインならグラス2杯(約200ミリリットル)程度になります。

あなたの好きなお酒の適量を計算
下記の計算式を使うと、アルコール度数の違うお酒ごとの適量が導きだせます。とはいえ、あくまで目安量なので、これ以上は決して飲まないようにしてください。

s_アルコール量 計算式.jpg※「0.8」はアルコールの比重を示しています。

適量のお酒は、腎臓にいい働きをする⁈

適量のお酒なら、血流がよくなり慢性腎臓病の進行を抑えて、心血管疾患の予防にもなります。特に、お酒の中でも赤ワインは、ポリフェノールを多く含み心疾患などの予防効果が大いに期待できます。また、お酒にはリラックス効果や食欲増進効果も期待できるでしょう。

赤ワイン.jpgただし、いい働きがあるからといって、ワインを適量以上に飲むのは禁物です。ビールや日本酒もそうですが、ワインにはカリウムやリン、たんぱく質などが含まれています。カリウムやたんぱく質などの摂取制限がある人は注意が必要になります。

摂取制限のある人におすすめしたいのが、蒸留酒。焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒はビールなどと比べると腎臓病の人がとりたいエネルギー量が多く、カリウムやリン、たんぱく質が少ないのでおすすめです。
ちなみに、焼酎やウイスキーを割るものにも注意してください。野菜のジュースや緑茶にはカリウムが含まれています。

また、お酒を飲むなら、料理と一緒に飲むのがおすすめです。食事とは別にお酒を飲むと、食欲増進効果もあって、ついつまみを食べたくなります。つまみは塩分やたんぱく質の量が多いものが大半なので、注意してください。

たんぱく質の摂取制限のある人は注意

慢性腎臓病では、たんぱく質の摂取量を制限しなければならない場合があります。たんぱく質の場合、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」では、画一的な指導は不適切であり、個々の患者の病態やリスク、アドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)などを総合的に判断して、たんぱく質制限を指導するように推奨しています。担当医の先生にしっかりと確認しましょう。

その上で、お酒の中にもたんぱく質が含まれているものがあるので、しっかりと確認するようにしましょう。代表的なお酒のアルコール量20グラム当たりのたんぱく質の量を下に示します。蒸留酒と醸造酒で区別しています。

【蒸留酒】
・焼酎…0グラム
・ウイスキー…0グラム
・ウォッカ…0グラム
・ブランデー…0グラム

【醸造酒】
・ビール…1.5グラム
・日本酒…0.7グラム
・赤ワイン…0.4グラム
・白ワイン…0.2グラム

飲みすぎている人は、生活を一から見直して、節度を持ってお酒を楽しむようにしましょう。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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