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リセット美容【基礎化粧品編】同じシリーズで揃える「ライン使い」は危険。1種類のみを使おう

解説 白金ビューティフルエイジングクリニック院長
山口麻子

お肌には、健康や美しさをみずから保つ力があります。それを引き出すためには、リセット美容を行うこと。文字どおり、肌をリセットする簡単な美容法です。
この記事は、リセット美容特集の第4回。

化粧水や乳液、美容液などの基礎化粧品。同じブランドの同じシリーズでアイテムを統一する「ライン使い」は実は危険なのだとか。
本当に素肌を美しく保つための基礎化粧品の選び方・使い方について、美容医療の専門医、山口麻子先生にお話を聞きました。

化粧水も美容液も主成分はほとんど同じ

洗顔後、みなさんは以下のようにお肌のお手入れをしているのではないでしょうか。

化粧水で肌に水分を補給する

乳液を用いて油分を補給する

美容液で美容成分を肌に浸透させる

クリームで肌の水分蒸発を防いで皮脂膜の代わりをする

さて、この4種類の基礎化粧品の働きを比較すると、すべて違う成分で作られているように思えますが、実際は基本成分にそれほどの大きな違いはありません。

いずれも、水分と油分、それをまぜあわせるための界面活性剤、各種美容成分や防腐剤、香料などで構成されています。
つまり、これらの配合濃度の違いが商品の違いになっていることがほとんどです。

使用する基礎化粧品の種類が増えるほど肌トラブルのリスクも高まる

問題は、同じブランドの同じシリーズで基礎化粧品を統一して使う「ライン使い」が、まるで肌にいいかのように売られていること。
皮膚科医の立場から申し上げると、その必要はありません。

なぜなら、似たような成分であるにもかかわらず刺激が強い基礎化粧品を3つも4つも塗って、肌のダメージを増やす必要はないからです。
水分を含む化粧品は、雑菌の繁殖を防ぐために防腐剤や酸化防止剤が必ず含まれています。また、水分と油分をまぜあわせる界面活性剤は皮膚細胞にダメージを与えます。
基礎化粧品を重ね付けすればするほど、必要な皮膚常在菌を殺菌してしまい、バリア機能を壊します。かえって肌トラブルの可能性が大きくなると考えて間違いないでしょう。

私たちの肌には、みずから潤って肌を健康に保つ、高級な化粧水や美容液も太刀打ちできないほど優れた働きが備わっています。肌に与える刺激をリセットして、そうした働きを引き出してください。
基礎化粧品で肌が美しくなることはありません。皮脂分泌が足りない乾燥肌に対して、油分を補うものと御考えください。

基礎化粧品は1種類だけにしよう

このような理由から、私自身は基礎化粧品を使っていません。私の経験からいえば、肌トラブルに悩むみなさんも基礎化粧品を控えてみることをおすすめします。

もし、いきなり基礎化粧品の使用をやめるのが不安なら、まずは1種類に絞ってみてはいかがでしょうか。
使用するアイテムは、脂性肌の人は化粧水や美容液などのベタつかずに油分の少ないもの、普通肌の人は延びがよくて使う量が少量のクリームがおすすめです。

おそらく1週間もすれば、基礎化粧品の数を減らしてもなんの問題も出ないことがわかり、「今まであれほど塗っていたものはなんだったんだろう」と思うのではないでしょうか。また、お金もかなり節約できるはずです。


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写真/© カラダネ © Fotolia

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