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【ほうれい線対策】顔の筋肉を「シワ作り筋」と「シワ消し筋」に大別。シワ消し筋を動かそう

解説 東京警察病院形成外科医師
澤田彰史

見た目年齢を大きく左右するほうれい線。最近では顔の筋肉を動かす体操がメディアでも多く取り上げられていますが、東京警察病院形成外科医師の澤田彰史先生によると、間違ったやり方をするとさらにシワを深める原因になる可能性があるとか。さらに、強いマッサージや普段の表情のクセにも注意が必要とのこと。くわしいお話を聞きました。

ほうれい線が1センチ伸びると6歳老けて見られるといわれる

年齢を重ねると誰でも顔にシワが増えていきますが、中でも鼻の両脇から唇の両端にかけてできる「ほうれい線」は、最も目立つシワの代表ともいえ、老け顔の象徴とされています。どうにかして、ほうれい線を消したいと考えている人は多いでしょう。

ある調査では、女性の見た目年齢を判断するときに「ほうれい線に注目する」と答えた人が76%、自分の年齢を「ほうれい線で判断する」と答えた人が70%もいたそうです。ほうれい線が1センチ伸びると6歳老けて見られるともいわれています。

ほうれい線は、ほおの皮膚と脂肪が、重力の作用で下がることによって現れるといわれます。ほおは顔の中でも脂肪が最も多く、脂肪の重みで皮膚が垂れ下がることで、ほうれい線がクッキリと現れると考えられるのです。
これを放置すると、ほうれい線はさらに深くなっていって、マリオネットライン(人形の口元のような深い縦ジワ)ができたり、二重あごになったりするといわれます。

ほおの皮膚や脂肪を支えているのはコラーゲンと、顔の筋肉、つまりは顔筋(正式には表情筋という)です。

コラーゲンは皮膚の中にあって、内側から支える柱のような役割を担っています。ところがコラーゲンは年齢を重ねるにつれて徐々に減り、紫外線や活性酸素(体をサビつかせて老化の原因になる酵素)によって破壊され、強度が落ちていくといいます。コラーゲンの強度が低下すると、皮膚は柱が折れた家のようにつぶれ、シワができてしまうといわれています。

顔筋は、皮膚と結合して皮膚や脂肪を支えています。しかし、顔筋は加齢などによって衰えていきます。すると、皮膚や脂肪が重力の作用で下垂し、ほうれい線ができると考えられます。

顔筋の衰えを招く直接的な原因は、加齢というよりも、口を大きく動かす機会が減ることにあると私は考えています。

中高年になると若い頃に比べて、口を大きく開けてしゃべったり、大笑いしたり、歌を歌ったりすることが減るため、ほおの筋肉(大頬骨筋・小頬骨筋)などが使われず、徐々に小さくなっていきます。使われない筋肉は小さくなり、ハリがなくなり、頬が下がると考えられます。

「シワ作り筋」を動かすとほうれい線が深くなってしまう

では、口を大きく動かしてどの顔筋でも使えばいいのかというと、そうではありません。間違った口の動かし方をすると、ほうれい線などのシワをかえって深くしてしまう可能性があるからです。

顔筋を「シワ作り筋」と「シワ消し筋」の2つに大別して考えてみましょう。日常生活で自分の感情を表すときに、このシワ作り筋を動かすクセがついてしまうことが、ほうれい線などのシワを増やす原因になると私は考えています。

私たちは感情を表すときに顔筋を動かして、さまざまな表情を作りますが、そのたびにコラーゲンという柔軟性のある柱は何回も折り曲げられるはずです。この柱の強度が低下している状態で、何回も折り曲げられると、ついには折れてシワができてしまうと考えられるのです。

例えば額にある前頭筋は、上の方を見上げるときに使う顔筋ですが、これを何回もくり返すうちにコラーゲンという柱が折れて、おでこに横ジワが刻まれてしまうといいます。ですから前頭筋はシワ作り筋の1つであり、使いすぎないほうがいい筋肉だと考えられるのです。

また、不機嫌になったときには、皺眉筋(しゅうびきん)と上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん)という顔筋を使って眉間に縦ジワを作り、しかめっ面をしたり、口角下制筋という顔筋を使って口角を下げ、への字口を作ったりします。要するに、怒るときや不機嫌な顔を作るときに働く顔筋は、使いすぎないほうがいい「シワ作り筋」だといえるのです。

反対に、笑顔を作るときには大頬骨筋・小頬骨筋・笑筋(しょうきん)が働き、大笑いするときには顎舌骨筋(がくぜっこつきん)や口輪筋(こうりんきん)が働きます。これらの顔筋は、ほおを引き上げて、ほうれい線を改善するのに役立つと考えられます。つまり、笑顔を作るときに働く顔筋は、大いに使うべき「シワ消し筋」といえるのではないでしょうか。

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最近は顔筋体操や顔マッサージの作用が広く知られるようになり、実際に行う人が増えているといいます。ところが、シワ作り筋を動かしたり強くマッサージしたりして、逆にシワを深くしてしまう人も多いようです。

こうした危険性を排除し、ほうれい線などのシワを効率よく消すことができると考えられる顔体操を私は考案しました。関連記事で紹介しています。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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