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【脳出血の治療法】手術では内視鏡で出血箇所を確認しながら除去する「内視鏡下血腫除去術」がおすすめ

解説山口クリニック院長 脳神経外科医
山口三千夫

脳出血には、薬物治療や手術など様々な治療法があります。最近では、内視鏡で出血箇所を確認しながら除去する方法もあるといいます。脳出血の治療法について、山口クリニック院長で脳神経外科医の山口三千夫先生にくわしくお聞きしました。

脳梗塞や脳出血の心配がある人は、すぐに脳神経外科や神経内科で診てもらうことが大切です。

カラダネでは、脳梗塞や脳出血の発症と再発の防ぎ方、もしものときの対処法や治療法など、知りたいことがすぐに見つかる記事を多数用意しています。関連記事からご覧ください。

脳出血の薬物治療

脳出血が軽い場合は薬物療法だけの治療になることがある

脳出血は脳血管が破れて出血する病気。脳血管からあふれ出た血液が脳細胞を損傷させてしまうと思われがちですが、必ずしもそうではありません。

脳出血が軽い場合には血腫(出血による血液の塊)が小さく、その血腫は自然に消えてしまいます。したがって、出血量が少ないときは手術を行わず、薬物療法だけの治療となることが多くあります。

薬物治療では適切な血圧のコントロールが必要になる

薬物療法だけの治療となる場合、出血の範囲が広がらないように血圧をコントロールすることが最も重要になります。発作後2週間程度は、点滴による降圧剤で血圧を低めに保ちます。

ただし、血圧が下がりすぎると脳の血流が滞り、血栓(血液の塊)ができて脳梗塞を起こす危険性があります。当然、適切な血圧のコントロールが必要になります。

けいれんには抗てんかん薬、むくみには脳圧降下薬を使用する

脳出血ではけいれんが起こることもあり、その場合には、けいれんを抑えるために抗てんかん薬を使います。

また、血腫によって脳がむくむ脳浮腫が起こった場合、これを抑えるために脳圧降下薬を使います。


ちなみに、脳出血を発症した人が鎮痛消炎剤のアスピリンなど、血液をさらさらにする作用がある薬を服用した場合、脳血管の傷が修復されず出血を起こしやすくなる可能性があるので注意してください。

脳出血の手術

脳出血が重い場合は手術が必要になる

脳出血が重い場合は、薬だけでは治療できません。頭蓋骨を開けて血腫を除去する開頭手術のほか、定位的血腫吸引術という手術が行われています。定位的血腫吸引術は、頭を手術用のフレームで固定して頭蓋骨に小さい穴を開け、注射器で血腫を吸引する方法です。

「内視鏡下血腫除去術」は内視鏡で出血箇所を確認しながら除去できる

新しい治療法として、定位的血腫吸引術のように頭蓋骨に小さい穴を開け、そこから内視鏡を挿入して血腫を確認しながら除去する「内視鏡下血腫除去術」があり、一部の医療機関で行われています。

内視鏡下血腫除去術のメリットは、通常の開頭はせず局所麻酔(部分麻酔)で行うので体への負担が少なく、しかも内視鏡で確認しながら行うので血腫をくまなく除去できるということ。

開頭手術よりも傷の回復も早いため(定位的血腫吸引術も同じ)、リハビリ(機能回復訓練)に早く取り組めるので、麻痺(マヒ)などの後遺症をより軽くすることが可能になります。
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なお、血液が、脳脊髄液で満たされている脳室(脳と脊髄の中に開いている穴)に流れ込んで脳細胞の圧迫が強まっている場合には、脳室ドレナージという方法で血腫などを排出します。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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●山口クリニック院長
〒663-8204
西宮市高松町4-8 プレラにしのみや 3F
阪急神戸線西宮北口駅 南側改札口徒歩3分
0798-63-9550
 http://www.ycl-i.com


昭和37年 :岐阜県立医科大学卒業
     一年間のインターンのあと母校の第2外科入局、外科と脳外科の研修
昭和42年~44年:シカゴ大学脳外科に留学(脳浮腫の生化学的研究)
昭和45年 :岐阜大学医学部第二外科助手
昭和47年 :神戸大学脳神経外科助手
昭和49年~51年:米国国立衛生研究所留学
昭和51年 :シカゴ市のクック郡病院脳外科医師
昭和52年 :神戸大学へ帰り昭和54年講師に昇任
昭和59年 :神戸大学医療技術短期大学部教授に昇任
平成6年 :神戸大学医学部保健学科教授
平成13年3月 :同上停年退職し5月より山口クリニック開設