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【ピロリ菌の検査方法4つ】自治体でのピロリ検査は見落としの可能性も。検査は2種行おう

解説 江田クリニック院長
江田 証

ピロリ菌の感染の有無は、やはり病院で検査して調べるしかありません。
代表的なピロリ菌の検査方法について、江田クリニックの江田証先生に解説していただきました。

中高年の方は必ず検査をして、ピロリ菌の感染がわかったら速やかに除菌治療を受けるべきです。

内科や消化器内科はもちろん、自治体でも検査している

ピロリ菌による体への数々の害を防ぐには、まずはピロリ菌に感染しているかを調べるのが先決です。そして、感染がわかって除菌すれば、胃がんになる確率を3分の1まで減らすことができます。では、どのような検査方法があるのでしょうか。

ピロリ菌の検査を受けるには、自治体で行っている胃ガン検査を受けるか、内科や消化器内科などで申し込むという方法があります。ピロリ菌の検査には、以下の4つの方法があります。

ピロリ菌検査4つの特徴

①血液抗体検査
採血してピロリ菌の抗体の有無を調べる

②尿素呼気試験
検査用の薬を飲んで、一定時間が経過したあとに吐き出された息(呼気)からピロリ菌の感染を検査する

③内視鏡検査、迅速ウレアーゼ試験
胃カメラで胃の中を観察すると同時に、内視鏡で採取した胃の組織を調べる

④便中抗原、尿中抗体検査
便や尿を検査してピロリ菌の抗原や抗体があるかを調べる
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ピロリ菌検査は2種を組み合わせて行おう

上記4つの検査について簡単に解説します。

①の血液抗体検査は、自治体でよく行われている検査法です。しかし、残念ながら、血液抗体検査では、見落としが多いという欠点があります。

血液抗体検査で陰性となった人たちを、②の尿素呼気試験で再検査したところ、その半数の人が陽性で、実際には除菌が必要だったという報告があります。

また、慢性胃炎が進んで萎縮性胃炎になると、ピロリ菌が胃の粘膜に住みつづけられずに自然死滅してしまうことがあります。すると、血液抗体検査を行っても、「ピロリ菌なし、異常なし」という結果になるのです。
しかし、実際には、ピロリ菌が自然消滅するほど荒れてしまった胃は、胃ガンになる確率も高いのです。血液検査だけでなく内視鏡での定期的な検査も必要です。
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このことから、ピロリ菌の検査は2種類以上を組み合わせて行うことが大切です。このとき、③の胃カメラを使う内視鏡検査を受けるさいには、医師に「ミンクリアを使ってください」と伝えるといいでしょう。

胃の粘膜を観察しやすくするために、かつては胃の動きを抑える筋肉注射を肩に打つのが一般的でしたが、この注射がとても痛いのです。ミンクリアは、ミントから作られた薬液で、胃カメラの前に服用することで胃の動きを抑える作用があり、最近、広く普及しつつあります。つまり、ミンクリアなら、胃カメラ検査の苦痛を減らすことができるのです。

ピロリ菌の検査は、最新の機器を使っている医療機関で受けてください。鼻から胃カメラを入れる「経鼻内視鏡」なら、さらに少ない痛みで検査を受けることができます。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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