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家族が認知症になるのを予防したい。何かできることがあれば教えて【認知症Q&A⑧】

解説 慶應義塾大学病院講師・日本認知症学会専門医
伊東大介

高齢の家族がいる場合、その家族が認知症にならないために、私たちが何かできることはないのでしょうか。

認知症専門医の伊東大介先生に話を聞きました。

社会とのかかわりが多い人ほど、記憶力の低下が少ない

認知症予防には、人づきあいが大切です。ですから、高齢の家族がいる場合、その人にはどんどん人づきあいをさせましょう。
人と接することは、相手と会話をしたり、いっしょに出かけたり、周囲に気を配ったりと脳のさまざまな領域が刺激されます。
実際、ボランティアやイベントなどに参加し、社会とのかかわりが多い人ほど、記憶力の低下が小さいことがさまざまな研究で報告されています。

反対に人づきあいをせず、家に閉じこもりがちになってテレビばかり見ているような生活では、脳を使う機会が減り、認知症になりやすくなってしまいます。こうしたことから、認知症の予防のためにはできるだけ外に出て人づきあいをしてほしいと思います。

もし、家族が部屋に引きこもりがちな場合、デイサービスを利用してみてはいかがでしょうか。デイサービスは社会の場として最適ですし、最近では、絵画や社交ダンスなど趣味の活動を取り入れたさまざまなプランがあるので、ご本人の希望に合ったものを利用するといいでしょう。

そのほかにも、各自治体では高齢者を対象としたイベントや教室、講演会が実施されているので、そうしたものに参加することもおすすめです。誘う友人や知人が近くにいないときは、家族の人がついて行き、いっしょに参加してあげるようにしましょう。

散歩に出かけたり、買い物に連れていったりするのもおすすめ

もともと人づきあいが苦手で人に会うのがストレスになる人は、パソコンやスマートフォンでインターネットを利用して人と交流するのもいいと思います。
インターネットなら人と直接話したり、顔を合わせたりすることがないため、人づきあいが苦手な人でも気軽に他人とかかわることができます。

最近はインターネットのブログサービスで、日記を公開したり、人と交流したりする人が増えていますが、そうした場合にも脳のさまざまな部位に刺激が加わります。

また、どうしても人づきあいをしたくなければ、一人で読書を楽しんだり、インターネットを使って気になるニュースを調べたりするのもいいでしょう。漫然とテレビを見ていても頭はあまり働きませんが、あれこれと思考を巡らせながら読書やインターネットを楽しめば、脳を刺激することにつながります。

ただし、体を動かすことも大切なので、体が健康であれば、散歩に出かけたり、買い物に連れて行ったりするなどして、外出の機会を作るようにするといいでしょう

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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