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バセドウ病の改善に「半日断食」を医師が推奨。免疫の乱れが正される!?

解説ふきのクリニック院長
吹野治

バセドウ病などの甲状腺の病気は、免疫(病気から体を守るしくみ)の乱れが原因であると考えられています。本来なら病原菌やガン細胞を退治する免疫細胞が自分の体を攻撃し、甲状腺を傷つけてホルモン分泌に異常が起こるのです。

これまで、免疫を担う器官は、主に胸腺(胸にあるリンパ組織)や脾臓であると考えられていました。それが近年、人間の体で最大の免疫器官は「腸」であると判明し、注目されています。

今回の記事は、腸の働きを整えて、免疫の乱れを正常化する自力ケアとしてすすめられている「半日断食」について、ふきのクリニック院長の吹野治先生に話をお聞きしました。

もちろん、バセドウ病の人は専門病院で治療を受けることを忘れないでください。

現代人の多くは腸内環境が悪くなって免疫が乱れやすい

現代人の多くは食べすぎがクセになっていて、腸が衰えて免疫も乱れやすくなっています。

私たちの胃腸の処理能力を超えて食べすぎると、腸管が長く垂れ下がって腸が変形してしまいます。その結果、内容物を先へと送りにくくなり、さらに過食することで、腸内に物がたまってしまいます。その排泄物が腸内の細菌によって腐敗・発酵し、有害な毒素が生じます。すると、腸内環境が悪くなって免疫が乱れやすくなるのです。

そこで、食べすぎが当たり前になっている食生活を少食へ切り替えるのに、半日断食が役に立ちます。半日断食には、昼食を抜くやり方、夕食を抜くやり方もありますが、私がすすめるのは朝食を抜く午前中の断食です。

朝食を抜いて空腹時間を長くする

みなさんの中には「朝食をとらないと便が出ないのではないか」と考える人がいるかもしれません。しかし、便が出にくくなったとしても一時的です。むしろ、朝食をとらずに少し空腹を感じたほうが便は出やすくなります。

食事をしてから8時間程度たつと、腸の運動(消化物を送り出す働き)を促す「モチリン」という消化管ホルモンの分泌が活発になります。モチリンには胃や腸の内容物を先に送る働きがあり、それによって排便がスムーズになるのです。つまり、モチリンは胃腸の清掃係ともいえるホルモンなのです。モチリン-1.jpgそのため、半日断食で空腹時間をとってモチリンを分泌させることで腸内環境がよくなり、免疫の働きは改善します。

少食が免疫の働きを改善することは、マウス(試験用のネズミ)を使った研究でも明らかになっています。

九州大学の研究者は、自己免疫疾患のマウスを栄養不良でない程度にカロリー制限する試験を行いました。すると、自分を攻撃する抗体(病原体と戦う物質)のもとである自己抗原の産生が抑えられ、寿命が2倍に延びたのです。

こうした作用は、自由にエサを食べたときの60%前後にカロリー制限すると、最大限に発揮されるとのこと。このマウスの研究は、半日断食と同じように摂取カロリーを1食程度減らすことで、免疫の働きが改善することを示唆しているでしょう。

半日断食のやり方

では、半日断食のやり方について見ていきます。まず、半日断食は、バセドウ病の症状が薬物療法などで落ち着いたときに開始します。まだ甲状腺機能が高いときは、消費するエネルギー量が多いので3食とるほうがいいでしょう。

そして、症状が落ち着いてきたら朝食を抜き、半日断食を実践します。原則として、口にしていいのは昼食、夕食と水分だけです。間食もできるだけとりません。午前中は、朝食を抜いた分、水分をしっかりと補います。水やお茶を500ミリリットル以上飲んでください。1日に食事以外から1~2リットルの水分をとることが目安になります。

午前中に何も食べないと落ちつかない人は、ジューサーで青汁やニンジンジュースを作って飲むといいでしょう。

昼食や夕食は、従来と同じ食事をとります。この2食を無理に制限すると、半日断食は長続きしません。できれば、主食では雑穀米や未精製米を食べてください。そして、夕食は夜の20時までにすませます。そうすることで、空腹時間が長くなって腸の清掃がしっかり行われ、バセドウ病の人の乱れた免疫機能も徐々に整ってくるでしょう。半日断食-1.jpg

もちろん、実施した全員に必ず変化が現れるわけではありません。とはいえ、簡単にできることですので、主治医の治療方針を守ったうえで、実践してみてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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