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夜間頻尿を招く【過活動膀胱】の改善運動「骨盤底さすり」のやり方(公的機関の研究者が解説)

解説東京健康長寿医療センター研究所研究部長
堀田晴美

夜間頻尿の人は、実は過活動膀胱が原因になっている人が多いと思います。

そこで、ぜひ試していただきたいのが東京健康長寿医療センター研究所研究部長の堀田晴美先生たちの研究グループが考案したセルフケア「骨盤底さすり」。

この記事ではやり方を図でくわしく解説します。もちろん、夜間頻尿や過活動膀胱の誰もがこのやり方でよくなるわけではありません。とはいえ、試験でも改善が期待できると実証された簡単なセルフケアですから、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
骨盤底さすりの試験については、下の関連記事で解説されています。

骨盤底さすりは、弱い力で刺激するのがコツ

過活動膀胱による夜間頻尿に悩まされている人は、「骨盤底さすり」を行うことで膀胱の収縮を抑え、排尿回数を減らせる可能性があります。
骨盤底さすりのやり方は、とても簡単。片手の人さし指の腹で、股の部分にある会陰部(肛門と生殖器の間の部分)の皮膚をそっと左右に10往復さするだけです。

重要なポイントは、指先が皮膚にかすかに触れているのがわかるくらいの微弱な力でさすること。やっていて心地いいくらいの感触で行ってください。夜間頻尿に悩んでいる人ほど、強くやったほうが、作用があるような気がして、一生懸命になって力を入れがちです。

ところが、力を入れてさすると、膀胱の収縮にかかわる副交感神経の情報伝達を遮断できずに夜中の排尿回数を減らせないので逆効果です。

では、なぜ弱い力を加えたときのほうが膀胱の収縮をより抑えられるのでしょうか。実は、膀胱の収縮をコントロールする神経は、弱い刺激を受けると膀胱の収縮を抑えるような反射を起こします。しかし、刺激が強すぎると、逆に膀胱を収縮させるように作用してしまうのです。そのため、骨盤底さすりでは、会陰部の皮膚をやさしくさすることが何よりも重要といえるでしょう。

やり方は図で解説。たった1分でできる

早速、実践しましょう。やり方は図をご覧ください。
まずはさする場所です。
s_Overactive bladder and nocturia5.jpg
さする場所は、肛門と生殖器の間で、横に3センチの幅です。女性の場合はと肛門の間、男性の場合は(生殖器の根元にある膨らみ)と肛門の間です。ここを人さし指の腹で横方向にやさしくさすりましょう。

さすり方は以下の図のとおりです。
さするスピードの目安は、片道3秒(往復6秒)です。さする範囲は3センチなので、1秒で1センチ進む速さ。かなりゆっくりとさすります。ペースがつかめないうちは、「いーち、にー、さーん」と数をかぞえながら行えばいいでしょう。
あまり速いスピードで行うと、刺激が強すぎて十分な作用を得られません。
s_Overactive bladder and nocturia8.jpg
骨盤底さすりは、10往復さするので、たった1分でできます。

夜間頻尿の人は就寝前に骨盤底さすりをやろう

基本的に骨盤底さすりは、どこで行ってもいいのですが、お風呂の中は水圧や手や体がお湯で濡れていることによって、皮膚刺激の感触が変わる可能性があるので、避けたほうがいいでしょう。

また、いつ行ってもかまいませんが、夜間頻尿の改善を目的とするなら、就寝前に行うことをおすすめします。夜間頻尿のつらいところは、1~2時間おきに尿意で目が覚めてしまい、熟睡できないことです。骨盤底さすりで尿意をもよおす間隔が長くなればそれだけでぐっすり安眠できます。
日中も頻尿に悩まされている人は、就寝前に加えて朝と昼にも骨盤底さすりを行うといいでしょう。

過活動膀胱などを改善するには骨盤底筋を鍛えたり、尿意が起きても我慢する膀胱訓練をした入りする自力ケアがすすめられています。とてもおすすめの方法ですが、作用が現れるまでに時間がかかる場合もあります。

骨盤底さすりは、神経の反射を利用して自律神経を正しているので、早ければやったその日から排尿回数が減る作用を実感できます。
骨盤底さすりは、非常に簡単なのに作用が証明されている自力ケアです。もちろん、過活動膀胱の人は泌尿器科で診てもらうことが重要ですが、それに加えて骨盤底さすりを試してみてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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