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国立大の泌尿器科医が確認【頻尿・尿漏れ】の重大原因「過活動膀胱」は足踏みで改善する人も

解説信州大学医学部泌尿器科学教室講師
皆川倫範

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)とは、尿をためる膀胱が過敏になって強く収縮する病気のこと。
尿がためられず頻繁に強い尿意を催し、頻尿を招きます。もちろん、急に激しい尿意を催すため、尿漏れの原因にもなります。

今、中高年に多い頻尿や尿漏れは、この過活動膀胱が重大原因と考えられています。

カラダネでは、これまでも過活動膀胱の人ができるセルフケア(自力対策)を多数掲載していますが、この記事では「足踏み運動」の有用性について解説します。
信州大学医学部講師の皆川先生に話を聞きました。

土踏まずと泌尿器はつながっている?

過活動膀胱の改善に「足踏み運動(この記事では尿止め足踏みと呼ぶ)」が役に立つことが、私たちの研究で確かめられました。
研究のヒントになったのは「神経変調治療」という物理療法です。

神経変調治療とは、足の裏やふくらはぎ・お尻に電気などの刺激をくり返し与えることで臓器の働きを正常に導く治療法のこと。
例えば、鍼灸やカイロプラクティック(神経反射療法)の分野にも、膀胱や尿道の働きを整えるために、泌尿器を投影する(つながっている)とされる土踏まずを刺激する方法があります。

私の研究グループは、日本の伝統的な健康器具である竹踏み用の竹(下の写真参照)を利用すれば、神経変調治療に近い刺激が得られるのではないかと考えました。
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縦半分に割った竹の上に乗って足踏みをしてもらうのです。いわゆる昔流行した「竹踏み健康法」です。この方法なら安全で、高齢や運動が苦手な患者さんでも毎日続けることができます。

膀胱にためられる尿量が増え、トイレに行く回数は減った

試験では、通常の治療で症状が改善しにくかった患者さん22人(27〜90歳)に朝夕2回、1回につき2分間、竹の上で足踏みを28日間にわたって毎日続けてもらいました。

患者さんの体力に個人差があるので足踏みの速さや強さは決めていませんが、なるべくハダシで、泌尿器と関係が深いとされる土踏まずが青竹に触れるように指導しました。試験の結果、次のような変化が認められました。

❶1回の最大排尿量が約300ミリリットルから約350ミリリットルに増加。簡単にいうと、足踏みをする前よりも膀胱がおしっこを多くためられるようになったということです。
❷1日の平均排尿回数は11回から9.5回に減少。簡単にいうと、トイレに行く回数が減ったということです。
❸昼間の平均排尿回数は9回から8回に減少。
❹夜間の平均排尿回数は2回から1.5回に減少。なお、1日の平均尿量の合計には変化が見られませんでした。

以上のことから、1回の排尿ごとに膀胱にためられる尿の量が増えて、トイレに行く回数が減ったことがわかります。
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【過活動膀胱の改善が期待できる足踏みのやり方】
みなさんが、過活動膀胱のセルフケアとして足踏みを行う場合は、基本は上記の試験のやり方と同じでかまいません。土踏まずのかかと寄りの部分を刺激するように、2分間足踏みしてください。これを朝夕2回行いましょう。

病院でも使う過活動膀胱の診断シートで、改善作用を確認

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上にある過活動膀胱の診断にも使うチェックシート(正式名称は過活動膀胱症状質問票〜0ABSS〜)は、5.5から4に低下。頻尿や尿もれなどに伴うイライラや不眠といった生活面での不具合を示すQOLスコアも、4.2から2.5に低下したのです。これについて簡単にいうと、つまりは過活動膀胱が改善したということです。

このように、竹の上で足踏みを行うと過活動膀胱の改善に役立ちます。竹は、雑貨店などで市販されています。ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。
もちろん、過活動膀胱が疑われる人は必ず泌尿器科の専門医に診てもらい、治療を受けることが大前提です。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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