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ほうれい線の原因①70種ある顔と首の筋肉がたるみ、ほうれい線が深くなる

解説 日本歯科大学教授
小出 馨

顔のパーツの中でも、見た目年齢に深く関係すると考えられるのが、ほうれい線です。
実は、製薬会社が行った調査でも明らかになっています。

その調査では、ほうれい線の長さだけが違う女性の写真を2枚見てもらい、感じる年齢差を答えてもらいました。1枚の写真のほうれい線の長さは4.16センチ、もう1枚は5.34センチで、その差は1.18センチです。

結果は、ほうれい線が長いほうが平均して6.93歳も年上に見えると判定されました。これを1センチに換算すると約6歳の差になります。
つまり、極論ではありますが、「ほうれい線が1センチ長くなると、見た目年齢が6歳も上がる」ともいえるそうです。

そもそも、ほうれい線は、なぜ目立つようになるのでしょうか。その原因について、日本歯科大学教授の小出馨先生に話をお聞きしました。



ほおが下がって、ほうれい線が目立つようになる

ほうれい線は、鼻の両わきから唇の両端に伸びる2本の線(シワ)で、ほおと口唇(くちびる)との境界線です。

ほおが、この境界線を境に下がってくると、ほうれい線が目立つようになります。
年齢を重ねるほど、顔の筋肉が衰えてしまうため、ほおがどんどん垂れ下がって、ほうれい線が深く刻まれるようになるのです。

また、重力も影響しています。
例えば、顔の筋肉の中でも笑顔と関係のある大頰骨筋や小頰骨筋、口角挙筋などは重力に逆らって走っているため、意識して動かさないと衰えやすい筋肉です。

やみくもにケアをしても、ほうれい線は深く濃くなるばかり

問題は、ほうれい線に関係する筋肉の種類がとても多く、中でも顔は大小さまざまな筋肉が複雑に入り組んだ構造になっていること。

ちなみに、その筋肉は顔と首の筋肉を合わせて、約70種類(表情筋、舌骨上筋群、舌骨下筋群、内舌筋、外舌筋、咀嚼筋、後頭部筋群、側頸部筋群など)に及びます。

s_顔の筋肉.jpgs_舌の筋肉.jpgそのため、ほうれい線のケアをしようとしても、特定の筋肉を思い通りに動かすのは至難の業といえるでしょう。さらに、表情筋よりも深いところにある深部筋肉にいたっては、意識的に動かすのはまず無理です。

つまり、やみくもにケアをしたとしても、ほうれい線は深く濃くなるばかり。
顔全体や首を含めた約70種類の筋肉を効率よく動かして鍛えられる方法を選び実践することが、ほうれい線を予防・改善に導く近道といえるでしょう。

ただし、ほうれい線ができる原因には、実はもう一つあります。原因②については、一番下の関連記事よりご覧ください。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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