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【漢方で妊活⑤】妊活には動物生薬を。「亀」と「鹿」が大活躍 〜イノコ ハナエのきれいになる漢方 vol.29〜

解説 漢方薬剤師・国際中医専門員
イノコ ハナエ

この記事は約3分で読めます。

中国4000年の歴史の中で蓄積された、若さと美しさを追い求める中医学。
この連載では、中医学を用いたとっておきのセルフケアについて、
漢方薬剤師のイノコ ハナエ先生にわかりやすく解説していただきます。

第29回の今回は、「妊活の2大漢方」について。

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こんにちは。
今回は、妊活中によく使われる2大漢方(生薬)をご紹介します。

妊活にとって大切なキーワードは「補腎(ほじん)」です。
過去の連載でも、妊活にとって「腎」を高めることが大切だとご紹介してきました。
「腎」は生殖をつかさどるんですね。

漢方の中で、腎の働きを助けるものを補腎薬といいます。
補腎薬のなかでも特に活躍するのは、ずばり「亀」と「鹿」です!

これらの共通点…わかりますか?
正解は、「動物」の生薬である点。

漢方薬を構成する生薬は、植物のものが一般的に浸透していますが、体の奥深くの「腎」のサポートには動物性の生薬がおすすめです。

動物性生薬を「血肉有情(けつにくゆうじょう)」のものと表現します。
人間と同じように、筋肉があり、血があり、感情のある動物。
これらは、植物に比べて腎を補う強いパワーがあります。

亀の生薬は一般的に亀板(きばん)といって、クサガメの甲羅が利用されます。
その寿命は約400年、心臓が強く体外に取り出しても2日間ほど動き続けるといいます。
また、免疫力が高く感染症や癌などにならないそうです。
こんな強い一面もありながら、性格は穏やかで興奮することがないといわれています。

亀は、この力強さと穏やかさから、強く「陰」を補います。
漢方で妊活③で、よい潤いが大切とご紹介しましたが、このよい潤いこそ、亀で補うことができます。

亀を使うことで、卵の成長にもアプローチすることができるんですよ。
日々のご相談では亀が大活躍しています。

とくに、基礎体温が高めであったり、おりものが少ないという方には効果的です。
このようなお悩みがない場合も、低温期を充実させる目的でよく使います。

亀を口にする、というのは中々馴染みがないかもしれませんが、先日宮古島に旅行に行ったさいに、お料理屋さんに亀のスープがありました!
中国では、薬膳としてよく食べられるものです。コラーゲンが豊富で、翌日お肌がぷるぷるになるんですよ。

続いて鹿。
鹿といっても、使うのはツノの部分だけ。
ツノのなかでも、オスの幼い鹿のツノを鹿茸(ろくじょう)といいます。
鹿のツノの成長はとても早く力強いものがあります。

漢方としても、その力強さを発揮するのですが、鹿茸は「陽」を強く補います。
体の奥深く、ボイラーから着火してあげるようなイメージです。

特に、冷えが強い・体温が低い・高温期が不安定などの方には効果的です。

亀は「陰」、鹿は「陽」。
バランスよく上手に使うと、力強く妊活のサポートをすることができます。

これら、亀や鹿の薬は中国では医薬品として婦人科で広く使われていますが、日本では健康食品にあたります。
そのため、今回ご紹介した動物性の生薬は、保険適応の漢方薬はありません。

力を発揮する漢方薬ですので、体質にあった正しい選び方をすることが大切です。

また、補腎だけでなく、お身体全体の体質をみながら漢方薬を選別することが大前提ですので、専門家にご相談くださいね。

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