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危険な血糖スパイクは【干しシイタケ戻し汁】で予防。水溶性食物繊維の宝庫

解説 静岡大学名誉教授
杉山公男

国民病ともいわれる糖尿病は、放っておくと重い合併症を引き起こす怖い病気。しかも、その患者数は近年爆発的に増えています。また、糖尿病と診断されていない人でも糖尿病予備軍の可能性があるので油断は禁物です。

糖尿病の予防・改善には、適度な運動と食事の見直しが肝心!特に食事については、食物繊維を多く含んだ食品をとるといいそうです。

そこでみなさんにおすすめしたいのが「干しシイタケの戻し汁」。この記事では、干しシイタケの戻し汁と血糖値の関係について、静岡大学名誉教授の杉山公男先生に解説していただきます。

血糖スパイクは健康診断では見つかりにくい

日本の糖尿病患者数が約1000万人を超えました。また、糖尿病と診断されていない人の中にも「血糖スパイク」を起こしている人が多く、今大きな問題になっています。

血糖スパイクとは、食後に血糖値が急上昇し、その後すぐに急降下して正常値に戻ること。空腹時の血糖値は正常なので、健康診断では見つかりにくいのが特徴です。

血糖スパイクが続くと、すい臓が疲弊して、インスリン(血糖を調整するホルモン)の分泌も悪くなり、やがて糖尿病になってしまいます。また、高血糖の状態がつづくと血管が傷ついてもろくなります。すると、動脈硬化が進み、腎臓や目の奥の網膜の働きが損なわれる恐れも出てくるのです。

こうした血糖スパイクや高血糖を改善するために、みなさんに試してもらいたいのが食前もしくは食事中に「干しシイタケの戻し汁」を飲むこと。作り方は以下の通り簡単です。

干しシイタケの戻し汁の作り方
【用意するもの】
・干しシイタケ…1~2枚(1人分)・水…150ml ・大きめのコップ
【作り方】
①ぬれぶきんで干しシイタケを軽くふき、水を入れたコップに入れて、冷蔵庫で戻す。
②一晩たったら干しシイタケを取り出して、コップに残った戻し汁を飲む。

食物繊維の宝庫「干しシイタケ」

では、干しシイタケの戻し汁と血糖値の関係について説明します。

実は干しシイタケは、食物繊維の宝庫。もともとシイタケは食物繊維が豊富な食品として知られていますが、干しシイタケはその約6倍の水溶性食物繊維と約20倍の不溶性食物繊維を含んでいるのです。そして干しシイタケの戻し汁には、そのうちの水溶性食物繊維がたっぷりと溶け出しています。

実際に、食事中に水溶性食物繊維を多くとると食後の血糖値の急上昇が防げることは、さまざまな研究で明らかになっています。水溶性食物繊維には、食べ物が胃から小腸へ移動するのを遅らせる作用と、小腸での食べ物の消化・吸収をゆるやかにする作用があります。これらの2つの働きが食後の血糖値の急上昇を起こりにくくしてくれるのです。

そのため食前もしくは食事中に干しシイタケの戻し汁を飲むと、血糖スパイクや高血糖が抑えられるというわけです。

また不溶性食物繊維にも、腸の活動を活発にして、便秘を改善するという嬉しい作用があります。戻したあとのシイタケもしっかり食べるといいですよ。

以上のことからわかるように、干しシイタケの戻し汁には血糖値の急上昇を抑える働きがあります。もちろん干しシイタケの戻し汁を飲めば、、誰でも血糖値が下がるわけではありません。医師の治療を受けつつ、セルフケアの一環として試してみてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ

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