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【コレステロール値を下げたい】干しシイタケがおすすめ。エリタデニンが血液を浄化

解説 静岡大学名誉教授
杉山公男

健康診断で「コレステロール値が高い」といわれて、気にしている人も多いのではないでしょうか?

コレステロール値を下げるには、運動不足を解消して食生活を見直すことが肝心です!でも食生活を見直すといっても、何から始めたらいいのかわからない人もいると思います。

そんなみなさんに食生活改善のきっかけとして取り入れてもらいたいのが「シイタケ」。シイタケにはコレステロール値を下げる働きが期待できるとわかっています。

この記事では、シイタケとコレステロールの関係について、静岡大学名誉教授の杉山公男先生に解説していただきます。

血液中の脂質減らしが突然死を防ぐカギ

実はコレステロールは、本来私たちの体に必要な脂質。健康であれば、血液中のコレステロールの量は一定に保たれています。

ところが、悪い生活習慣を続けていると、血液中の悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪の量が異常に増えてしまいます。この状態を「脂質異常症(高脂血症)」といいます。

脂質異常の状態が続くと、血管の壁にコレステロールが蓄積して血管が狭くなります。これがよく聞く「動脈硬化」。血管の壁に負担がかかり、血管の内側の膜が傷つくので、血栓(血の塊)ができやすくなります。この血栓がはがれてその先の血管をつまらせると、心筋梗塞や脳梗塞などで突然死につながる恐れがあるのです。

脂質異常症の治療には、運動不足を解消して食生活を見直すことが大切。そこで食生活改善の一助として、ぜひみなさんに食べてもらいたい食品が「シイタケ」です。シイタケには増えすぎたコレステロールの量を減らす作用が期待できるのです。

生シイタケより干しシイタケがおすすめ

シイタケにコレステロール値を下げる働きが見つかったのは、1960年代に行われたネズミの実験がきっかけでした。

その後、国立栄養研究所(現・国立健康・栄養研究所)の鈴木慎次郎博士たちが、人間を対象にして試験を行いました。参加したのは、19~20歳の女性20人。2つのグループに分けて、生シイタケ(90g)と干しシイタケ(9g)をそれぞれ1週間にわたって毎日食べてもらう試験です。

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すると、2日めには両方のグループで総コレステロール値が下がりはじめました。そして最終的には、生シイタケを食べたグループは平均で13mg、干しシイタケを食べたグループは平均で25mgも総コレステロール値が低下していたのです。

この試験から、シイタケには血液中のコレステロールを減らす作用があり、乾燥させるとその働きが強まることが明らかになりました。

シイタケ特有の成分でコレステロール値が半減

では、なぜシイタケを食べてコレステロール値が下がったのでしょうか?その秘密はシイタケ特有の成分「エリタデニン」にあると考えられます。

エリタデニンとは、シイタケに含まれる水溶性の成分。シイタケ以外では、マッシュルームに少しだけ(シイタケの70分の1~100分の1)含まれています。

私たちの研究でも、エリタデニンに血液中のコレステロール量を減らす作用があることを確認しています。ネズミを使った実験では、エサにシイタケから抽出したエリタデニンを加えて飼育しました。そして2週間後に総コレステロール値を測定したところ、エリタデニンを与える前より平均して半分近くまで下がっていたのです。

以上のことからわかるように、シイタケにはコレステロールを減らす働きがあります。もちろんシイタケを食べれば、誰でもコレステロール値が下がるわけではありません。医師の治療を受けつつ、セルフケアの一環として試してみてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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