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【飛蚊症におすすめのツボ】視界をユラユラ動く小さな虫?糸くず?どうにかしたい!(大学教授解説)

解説 倉敷芸術科学大学客員教授
内田輝和

視野の中に、いないはずの小さな虫や糸くずのようなものがユラユラ動いて見える…こうした症状が飛蚊症(ひぶんしょう)です。対象物が見えにくくなってしまったり、見え方に違和感が生じたりする場合もあります。眼科でも治療の決め手がないため、どうしたらいいのかわからずに困っている人も多いのではないでしょうか。

そこで、倉敷芸術科学大学客員教授の内田輝和先生が推奨しているのがツボ刺激です。くわしいお話を聞きました。

目の不調を感じたときは、眼科で専門医の診察と治療を受けることが重要です。そのうえで、記事で紹介するセルフケアも試してみてください。

飛蚊症にはこめかみにある「太陽」のツボ押しがおすすめ

「目の前を小さな虫が飛んでいるようで、気になってしかたがない」「黒い糸くずが動き回っている」「小さいワラのようなものが、ピンピンと上下している」

生まれつきだったり、子供のころから症状が現れる人もいますが、年齢を重ねると、こうした症状を訴える人が増えてきます。これは「飛蚊症」と呼ばれるもので、目の前を蚊が飛んでいるように見えることからそう名づけられました。

飛蚊症は、眼球の中の硝子体(しょうしたい)と呼ばれる部分に濁りが生じることで起こるとされます。硝子体は、眼球の内部の大部分を占める透明なゼリー状の組織で、ここに生じた濁りが網膜に映ることで、異物が飛んでいるように見えるのです。

飛蚊症は、網膜剥離(はくり)などの目の病気で起こることもありますが、ほとんどは老化によるもの(生理的飛蚊症という)で、眼科では基本的に治療の対象とはなりません。とはいえ、我慢できないほどうっとうしいと感じている人も少なくないようです。

そんな人におすすめなのが、こめかみにある「太陽」というツボを刺激することです。位置をもう少しくわしくいうと、眉尻と目尻の中間から、ややこめかみ側に寄ったところにあります。昔は、この「太陽」の位置に膏薬(こうやく)を貼っている人を、よく見かけたものです。

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「太陽」を刺激すると、目の血流が活発になると考えています。血流が活発になると、目のピントを合わせる毛様体筋が柔軟になり、目に入ってきた光が像を結ぶ網膜の働きも高まります。その結果、見ようとする物がはっきり見えて、濁りが気にならなくなるものと考えられます。

また、目の新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)が促され、硝子体の濁りが薄まるのではないかと考えることもできます。

なお「太陽」のツボは、強く押すのではなく、優しくもみほぐすように刺激してください。目の近くのツボだけに、眼球を傷つけないような注意が欠かせません。コンタクトレンズや眼鏡は、はずして行います。
ツボへの刺激は、両手の人さし指と中指の腹で左右のツボを約10秒間、1秒間に1回の割合で軽く上下にもみほぐすようにしてください。

ツボへの刺激は、朝晩は必ず行うようにして、飛蚊症の症状が現れたときや、目が疲れたときに随時行ってください。ただし、刺激するのは1時間に1回を限度としてください。

「太陽」のツボ押しをした人の体験談

「太陽」のツボを刺激することで、飛蚊症が改善した人は多くいます。今回は、その1人の体験談を紹介します。(以下は、健康情報誌『わかさ』で2018年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。)

60代で専業主婦の戸田さん(仮名)は、飛蚊症がうっとうしくてたまらなくなり、あるとき眼科で診察を受けました。その結果「これは老化現象だから治療はできません。気にしないことです」と、いわれたそうです。

戸田さんは「いつも目の前を黒い影が飛び回っているのだから、どうしても気になる」と、私の治療院を訪ねてきました。

眼科では、病気の心配はないといわれたそうです。そこで私は、鍼治療で全身の体調を整えるとともに「太陽」のツボ刺激をすすめました。戸田さんは、朝晩のツボ刺激は欠かさず、飛蚊症が気になったときにも行ったそうです。

すると、3ヵ月ほどたったころ、飛蚊症が軽くなっていることに気がつきました。視線を動かしたときなどに、黒い影がチラチラと見えることはありますが、それが以前よりも気にならなくなったといいます。戸田さんは、うっとうしさがなくなったと、うれしそうに報告してくれました。

もちろん、「太陽」のツボ押しを行えば、誰でもすぐに飛蚊症が改善するわけではありませんが、簡単に試せる方法なので、ぜひ一度挑戦してみてください。

なお、網膜剥離や硝子体出血、ブドウ膜炎といった目の病気によっても、飛蚊症の症状が出ることがあります。飛蚊症が急激に悪化したようなときは、早急に眼科の診察を受けてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、記事にある体験はあくまでも個人的な感想であり、効果効能を保証するものではありません。

写真/© カラダネ © Fotolia

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