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【逆流性食道炎】の意外な原因は「前かがみ姿勢」「ベルト」「きつい服装」など。防ぎ方も解説

解説 湘南予防医学研究所所長
野村喜重郎

逆流性食道炎の発症や症状の悪化にはさまざまな原因がありますが、姿勢や服装も関係する場合があるといいます。
逆流性食道炎にいつも悩んでいるという人が避けた方がいい姿勢や服装について、専門医の野村喜重郎先生にお話を聞きました。

姿勢や服装は自分で気をつけることができるので、逆流性食道炎の悩みがある人は、胃腸科や消化器科の治療を受けたうえで、記事の内容もぜひ参考にしてください。

NG姿勢・NG服装と改善方法

意外な原因① 前かがみの姿勢

逆流性食道炎の人に「どのようなときに胸やけや呑酸(すっぱい胃液がのどまで上がってくる感覚)が起こりますか」と聞くと、「床掃除や草むしりなどの家事をしているときに起こりやすい」と答える人が多くいます。

これは、前かがみになることで、胃と食道が水平に近い状態になって、逆流が起こりやすくなるためです。また、前かがみになると胃が外から押さえられて圧迫されるために、胃の内容物が食道へ逆流すると考えられます。
前かがみ姿勢は家事だけでなく、机に向かって仕事をしたり夢中で本を読んだりするときにも起こりやすいので、注意が必要です。

意外な原因② ネコ背

前かがみ姿勢がクセになるとネコ背になり、終始、おなかを圧迫するために胃の内容物は常に逆流しやすい状態に置かれます。すると、逆流性食道炎を発症しやすくなります。事実、逆流性食道炎の患者さんを見るとネコ背が多いものです。
ネコ背にならないためには、常に姿勢を正すように意識することが大切です。

また、年齢を重ねると骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)による脊椎の圧迫骨折(体の重みで骨がつぶれた状態)でネコ背になることも多いので、骨粗鬆症の予防のため、カルシウムとビタミンDをしっかりとりましょう。

意外な原因③ 腹圧がかかる動きや服装

重いものを持ち上げたり、おなかを締めつけるベルトや服を着たりすると腹圧がかかって胃を圧迫し、胃液の逆流が起こりやすくなります。

意外な原因④ 体を締めつける服装

太ってくると、無理にベルトをきつく巻いたり、上着やシャツ、ズボンもきつくても我慢をして着たりしがちです。このように外から体を締めつけられた状態で食事をすると、胃は前に膨らむスペースがないため、上向きに圧迫がかかります。

その結果、横隔膜が伸びて胃が横から締めつけられ、食道裂孔(食道が通るための横隔膜の穴)が広がり、逆流性食道炎を招く可能性が高まります。

腰痛で腰痛ベルトやコルセットが必要な人は、食べすぎをさけて脂肪分はとりすぎず、ゆっくりよくかむようにしてください。もし、我慢ができるのなら食事の時間だけでもベルトやコルセットをゆるめるといいでしょう。

背すじを伸ばして体を締めつけない服装でいれば、逆流性食道炎による胸やけも呑酸も軽くすむ場合もあるはずです。
これらの点をいつも意識することを心がけてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© カラダネ © Fotolia

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