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逆流性食道炎を防ぐ「逆流止め口パクパク」のやり方。胃腸の働きをよくすると歯科医奨励

解説歯科医師・歯学博士・鍼灸師・風楽自然医療研究所所長
筒井重行

逆流性食道炎でお悩みの方に耳寄りな情報です。
なんと、口を開閉するだけの簡単な運動で逆流性食道炎を改善できるかもしれないのです。

この記事では、歯科医師の筒井重行先生にやり方をご解説いただきました。一人で手軽に行うことができるセルフ対策なので、逆流性食道炎でお悩みの人はぜひ試してみてください。
もちろん、逆流性食道炎の症状がある人は、消化器科や胃腸科で治療を受けることを忘れないでください。

逆流性食道炎の人は迷走神経を鍛えることが大切

迷走神経とは

逆流性食道炎は、実は「迷走神経」の衰えで症状が悪化するということを、みなさんはご存じでしょうか。

迷走神経とは、脳神経の一つです。脳神経は全部で12対ありますが、そのうちの11対はすべて首から上に分布しています。しかし迷走神経だけは、胸部や腹部の内臓へと、長く広くつながっている神経なのです。
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逆流性食道炎が悪化する原因は迷走神経の衰え

食道や胃にも迷走神経が分布しています。逆流性食道炎の人は、食道と胃のつなぎめである噴門の締まりがゆるくなっています。この噴門を締めているのが、下部食道括約筋と、横隔膜(胸部と腹部の間にある筋肉でできた膜)による外からの圧迫です。

迷走神経は、下部食道括約筋につながっており、筋肉の収縮・弛緩の両方を司っています。つまり、噴門の開け閉めを迷走神経がコントロールしているのです。

また、横隔膜と迷走神経も深い関わりがあり、例えば、横隔膜がけいれんして起こるしゃっくりは、迷走神経を刺激することで治まります。

そのため、迷走神経の働きが衰えると、下部食道括約筋や横隔膜がうまく働かなくなり、締まりが悪くなってしまいます。その結果、胃酸が逆流しやすくなり、食道が胃酸で傷つき、逆流性食道炎が悪化すると考えられるのです。

以上のことから、私は、迷走神経を刺激して活性化させれば、噴門のゆるみが改善し、逆流性食道炎がよくなると考えています。

逆流性食道炎の改善に役立つ逆流止め口パクパクのやり方

逆流止め口パクパクは迷走神経の活性化に役立つ

逆流性食道炎の患者さんの噴門のゆるみを改善するために、私は迷走神経を活性化する「逆流止め口パクパク(以下、口パクパク)」を考案しました。口パクパクは、名前のとおり、口を開閉するだけの簡単な運動です。

迷走神経は、耳の斜め下あたりで頭蓋骨から出て、枝分かれしながら内臓へと広がっていきます。もう少しくわしくいうと、耳の少し前側で、口を開閉すると、あごの骨の動きがわかる小さいくぼみのあたりです。

口をパクパクと開閉すると、近くを通る迷走神経に刺激が伝わって活性化します。

なお、口パクパクは、舌を上あごにつけた状態で行ってください。舌を上げるときに動く口蓋舌筋という筋肉は、迷走神経に支配されているので、舌を上げることでも迷走神経に刺激を与えることができます。

このように、口パクパクは迷走神経を活性化するのにおすすめの動きなのです。口パクパクのくわしいやり方は、下の図をご覧ください。

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逆流性食道炎の人に重要な唾液分泌や自律神経への作用も

口パクパクを行うと、唾液腺が刺激されて唾液が出てきます。唾液は、食道に上がってくる胃酸を中和したり、消化を助けたりと、逆流性食道炎の人にとって大切な役割を果たします。

口パクパクを行った後に、唾液中の消化酵素であるアミラーゼの量が増えることも確かめられています。これは、口パクパクによって自律神経が整い、ストレスが軽減されたことによるものです。

このように、口パクパクはさまざまな面から、逆流性食道炎の改善に役立ちます。もちろん、この方法で誰にでも変化が現れるわけではありませんが、逆流性食道炎に悩んでいる人は1日数回、口パクパクを試してみてはいかがでしょうか?

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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