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医師の私も27キロ減!【やせる脳ダイエット】体験談|1回おなかが鳴ると体重が100グラム減る⁉︎

解説 佐藤診療所院長
佐藤周三

肥満専門外来で4500人のダイエットを指導した佐藤診療所院長 佐藤周三先生は、週1回1食抜くだけでも、「太る脳」から「やせる脳」に変わってダイエットに成功することができるといいます。

この記事では、「やせる脳ダイエット」に取り組んだ患者さんや佐藤先生自身の体験談をご紹介します。体験談は、ダイエット誌『KiYoRa』で2018年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。

「やせる脳ダイエット」のくわしいやり方は、一番下の関連記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

空腹感を感じることがやせる脳ダイエットの基本

やせる脳ダイエットの基本は、空腹を感じること。とはいえ、肥満の人は今まで食べることに楽しみを感じ、空腹を感じないようにしていたため、つらく感じるかもしれません。しかし、おなかがすくということは、以前よりも確実に食べる量が少なくなっているということ。つまり、ダイエットが順調に進んでいる目安の一つであるといえるのです。

空腹感を得るには、1日の食事を1食抜くようにするといいでしょう。「1日3食、量を少なくして食べたい」という人もいますが、その方法だと私の指導経験では、約200人に1人しか成功しません。1日3食食べる場合、1食当たりどれくらい減らしたらいいかわからないからです。

私の肥満大学には、現在まで約4500人の人が訪れ、やせる脳ダイエットに取り組みました。その結果、ほぼ全員がダイエットに成功しています。多くの人が最初の1カ月で4〜5キロ減り、半年〜1年間で10キロ以上の減量に成功した人も少なくありません。

私も、43歳のときには体重が84キロありましたが、やせる脳ダイエットで、1年半で27キロの減量に成功しています。現在までの12年間、多少の変動はあるものの、ずっと57キロ台の体重を維持しています。
脳が「やせる脳」に変わったからです。

空腹感に耐えるとバター半箱分の脂肪が減る

とはいえ、私たち人間は飢餓状態を生き抜いてきた動物のため、脂肪が蓄積されているときは幸せを感じ、逆に脂肪が減っているときは、不安や恐怖を感じます。そのため、空腹時にはイライラしたり、怒りっぽくなったりしがちです。そうなると、空腹によるストレスを解消するため、余計に食べすぎてしまうことにつながりかねません。

そんなときは、「空腹感は脂肪が減っている目安」「脂肪の減少はダイエットに成功していること」と考えれば、空腹が快感に変わってきます。私は患者さんに、「1回おなかがグーと鳴ったら体重は100グラム減ったと思いなさい」と教えています。作家の伊集院静さん風にいうと「空腹に耐えることで本物の大人になる」ということでしょうか。

また、100グラムは一般的なバターの箱の半分の量です。2回空腹を感じることができれば、バター1箱分も減量になると考えると、やる気がわいてくるのではないでしょうか。

それでも目の前のものを食べたい衝動に襲われた時には、いったん思いとどまって、6秒でいいので考える時間を取りましょう。これは「アンガーマネジメント」と呼ばれる手法で、人は怒ったときに最初の6秒間でアドレナリンが強く出るといわれているため、このコントロールをしにくい6秒をやりすごすことによって、感情に左右されずに対応をすることができるというテクニックです。
私は、アンガーマネジメントは空腹にも応用できると考えています。一瞬の衝動のせいであとになって後悔をしないために、ぜひこの手法を取り入れてみてください。

また、おなかがすいたときは、ダシ用コンブを小さく切ったものを食べるといいでしょう。ダシの味が効いていて、歯応えがありスルメのようによくかんで食べるため、空腹感を紛らわせることができます。

無理な減食は続かない

今から6年前に私のクリニックを訪れた高木順子さん(仮名・51歳・主婦)は、体重が81・5キロ、身長が159センチと明らかに肥満体でした。

ずいぶんと昔からこの体重だったせいか、40歳を過ぎたころには左の関節痛を発症。47歳のときに人工股関節置換術(人工の股関節を埋め込む手術)を受けるまで、悪化してしまったのです。

手術は無事成功しましたが、股関節の負担を減らすため、医師からは減量をすすめられました。ところが、高木さんは減食を試みても長続きせず、ダイエットは失敗に終わってしまいました。そんなときに、知人から私のクリニックのことを聞いて、来院したのです。

私のクリニックに肥満の相談で訪れる人には、まずパソコン画面で自作の「肥満大学教材」を見てもらいます。教材では、この特集で述べてきたことをわかりやすい図版で示し、「太る脳」から「やせる脳」への意識改革の重要性を、しっかりと認識してもらいます。

そして、患者さんには週に1回ほど通院してもらいながら、徐々にやせる脳へと変わってもらうのです。

週1回空腹に耐えれば他の日は何を食べてもOK

早速、高木さんにも肥満大学教材を見てもらい、やせる脳ダイエットに取り組んでもらいました。

何度も減食に失敗している高木さんは不安を感じていたようですが、「今日だけ我慢すれば明日から何でも食べられる」「週1回でも空腹に耐えられれば、いつか成功する」と励ましたところ、意欲的に取り組むようになりました。空腹感に悩まされたのは最初のうちだけで、その後はつらく感じることはなかったと、高木さんはいいます。

その結果、高木さんの場合は14カ月ほどかかりましたが、体重を50・8キロまで落としています。なんと、34キロの減量に成功したのです。そして、半年後も、その体重を維持しています。

高木さんはずいぶんと身軽になったため、歩くことが苦にならないようです。また、表情もイキイキと明るくなって、人生を楽しんでいる様子がうかがえます。

食事制限や運動によるダイエットがうまくいかなかったり、リバウンドに悩んでいる方は、やせる脳ダイエットに挑戦してみる価値があるのではないでしょうか。

・記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、記事の体験はあくまでも個人的な感想であり、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia

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