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【やせる脳ダイエット】のやり方。週1回1食抜くだけでもやせる!?

解説 佐藤診療所院長
佐藤周三

太っている人は、脳が「太る脳」になっているといわれます。そこで、「太る脳」を「やせる脳」に変えれば自然にやせられると医師の佐藤先生は話します。
この「やせる脳ダイエット」の理論については、本記事の下にある関連記事よりご覧ください。

この記事では、「やせる脳ダイエット」のやり方を紹介します。ズバリ、最初に種明かしをしてしまうと、週1回1食を抜くだけでも「やせる脳」に変わることができるといいます。いったいなぜでしょうか……?
脳神経外科医の佐藤先生にお話をうかがいました。



太る人は満腹中枢の感受性が低下している!修復のために「空腹感」を感じよう

私は、クリニックで肥満の人に対してダイエットの指導を行っています。しかし、私のダイエット指導の目的は「体重を減らす」ことではありません。肥満の人の「太る脳」を「やせる脳」に変えることが最大の目的です。
そのために、私が考案した画期的なダイエット法が「やせる脳ダイエット」です。では、そのしくみについて、説明しましょう。

実は、太る脳の人は、脂肪から分泌される「レプチン」というホルモンによって、脳の視床下部にある満腹中枢の感受性が低下し、鈍感になっています。
つまり、満腹中枢が修復されれば、鈍感になった満腹中枢が敏感になり、適量を食べた時点でスイッチが入るようになるわけです。

では、満腹中枢を修復するには、どうしたらいいのでしょうか。その方法は単純。「空腹感」を感じるだけでいいのです。

空腹状態にして胃を空にすると、胃の細胞から「グレリン」というホルモンが分泌されます。グレリンは、満腹中枢に働くレプチンとは反対の働きをし、脳の視床下部にある空腹中枢に作用します。つまり、グレリンが視床下部に届くと空腹中枢が働き、食欲が増すのです。

空腹感を感じると満腹中枢が休まる

ですが、その食欲のままに食べてはいけません。太る脳の人は、毎日おなかいっぱい食べるため、満腹中枢が鈍感になっている反面、満腹中枢と同じく脳の視床下部にある空腹中枢は十分に休んで敏感になっています。

そのため、太る脳の人は、空腹を我慢してグレリンをたくさん分泌させ、休んでいる空腹中枢をたくさん働かせる必要があります。

そうすれば、敏感だった空腹中枢が疲労して鈍感になる反面、疲れていた満腹中枢は休むことができ、徐々に修復されるのです。

その結果、太る脳はやせる脳に変わり、好きなだけ食べても太らなくなります。やせる脳になれば体内の脂肪が使われて減ってくるため、特に脂肪から出されるレプチンの分泌量も減り、満腹中枢がますます修復されていきます。

そうなれば、めんどうなカロリー計算をせずに、好きなものが好きなだけ食べられ、しかも二度と太らないようになるのです。

やり方は空腹感に耐えるだけ。週に1回からでもOK!

そうはいっても、「結局、絶食をしなければならないのか」「空腹感に耐えられれば苦労はない」と思う人もいるでしょう。確かに、脳の視床下部が食べたいという指令を出すため、意志の強い・弱いにかかわらず食べてしまうこともあるでしょう。

しかし、やせる脳ダイエットは、毎日、空腹感に耐える必要はありません。週1回、空腹感を覚える日を作るだけでも、確実に脳は変わってくるのです。

もちろん、毎日空腹になるほうが、早くやせる脳へと変わることができるでしょう。しかし、無理なダイエットは必ず途中で挫折します。「毎日食事を抜きなさい」と強制しても、ずっと続けられる人がどれだけいるでしょうか。

週1回と週2回では2倍の差がありますが、週1回と週0回では無限大の差が生じます。週1回でも空腹を感じることができれば、それは「無限大の壁を超える」こととなり、やせる脳作りに大きく近づくのです。

それでも、「週1回の空腹にも耐えられなかった」という人もいます。では、そういう人はダイエットができないのでしょうか。

そんなことはありません。ダイエットは失敗してもともとだと考えればいいのです。「今日は失敗したけど、明日またやってみよう」と思って、また挑戦すれば、脳は確実に変わってきます。

私は、患者さんには、このダイエット法を「脳科学お手玉ダイエット」という名前で紹介しています。ご存知のように、お手玉の中にはアズキが入っています。アズキは落としても割れません。つまり、お手玉は失敗しても大丈夫ということです。

これが、お手玉の代わりにガラスびんを使うジャグリングではどうでしょうか。失敗したらガラスびんが落下して割れてしまいます。つまり、失敗したら取り返しがつかないということです。ダイエットに挑戦している人の中には、ジャグリングを落としたときのように、一度失敗したらやめてしまう人が大勢います。

やせる脳ダイエットは、お手玉と同じ、失敗してもかまわないダイエット法です。「失敗してもともと。だめでもまたやればいいじゃない」という考えで長期的に取り組めば、徐々に体質が変わってきます。そして、ずっと続いてリバウンドしない体に変わるのです。

医師の私自身もこのやり方を実践し、27キロのダイエットに成功しています。別の記事では体験談も紹介していますので、ぜひご覧ください。

・記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。

写真/© Fotolia

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