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【心臓病の予防食】高カカオチョコを患者さんにすすめたら、血糖値や血圧、悪玉コレステロールが低下

解説 戸田中央総合病院嗜好品外来担当医
椎名一紀

チョコレートの原料であるカカオには心臓病の死亡リスクを減らし、血管年齢を若々しく保つ働きがあるのでは!?と期待されています。

この記事では、病院での治療に加えて、カカオを生活の中に取り入れて健康維持に役立てている患者さんを、医師の椎名一紀先生に紹介していただきました。椎名先生は、患者さんにカカオを生活の中で上手に取り入れることを指導されています。

もちろん、 心臓病の人は専門医の治療を受けることが基本であることは忘れないでください。

血糖値や悪玉コレステロールが低下した人も

この記事では、カカオを生活の中に取り入れている患者さんを紹介しましょう。
埼玉県に住む川崎澄子さん(仮名・75歳)は、10年ほど前から私が診察している患者さんです。最初はひどい高血圧で、最大血圧(正常値は135㎜Hg未満)は230㎜Hgもありました。幸い、降圧薬の服用によって血圧は安定しました。

2年半前、川崎さんは私が勤務する嗜好品外来にもいらっしゃいました。検査をした結果、血圧は十分にコントロールできていましたが、ヘモグロビンA1c(1〜2カ月間の血糖値の推移を示す。正常値は6.1%未満)は6.6%、悪玉(LDL)コレステロール(正常値は120mg/dL未満)は184mg/dLと、軽度の糖尿病・脂質異常症を併発しており、将来的に心臓病の心配がありました。

そこで、適切な治療を行うとともに、川崎さんには高カカオチョコレートを毎日20グラムずつとってもらったのです。
すると、半年後に血液検査を行ったら、ヘモグロビンA1cは6.3%、LDLは150mg/dLに低下。また、簡易的に血管年齢を調べる機器では、70代半ばから60代半ばへと約10歳も若々しくなっていたのです。

血管年齢が25歳分、若々しくなった

次に東京都に住む馬場啓子さん仮名・55歳)は、5年前に近所の内科で高血圧と診断されました。降圧薬の服用で血圧は正常値まで下がりましたが、お父さんが心筋で亡くなっていたので、自分もそうなるのではないかと不安を感じていたといいます。 
そんな馬場さんが、当院の嗜好品外来を知ったのは2年前。心臓病の不安があったので、転院してきたのです。

検査をした結果、中性脂肪が少し高めなだけで、血圧や血糖値などには問題はありません。ところが、血管年齢を調べたら70代前半と判明したのです。これは、実年齢よりもかなり血管が衰えていると考えられます。

そこで、病院での治療に加えて、高カカオチョコレートを毎日20グラムとってもらいました。
すると、半年後に馬場さんの血管年齢を調べたところ、40代後半と25歳も若々しくなっていました。これには、主治医の私も驚きを隠せませんでした。病院の治療に加えて、カカオを上手に取り入れることで、健康維持に役立てている人はたくさんいます。

もちろん、病院で専門医の治療を受けることが重要なのはいうまでもありません。

・記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。
・この記事は健康情報誌『夢21』で2018年に紹介されたものをウェブ用に再編集したもので、患者さんのデータはそのときのものです。


写真/© Fotolia

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