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【心臓病の予防食】カカオをよくとる人は、とらない人より心臓病の死亡リスクが低下

解説 戸田中央総合病院嗜好品外来担当医
椎名一紀

チョコレートやココアの原料になるカカオは、心臓病を予防に役立つのではないかと考えられています。
オランダで行われたカカオと心臓病についての疫学調査(病気の発生・予防などと生活環境の関連性について、統計学的に調べる調査)を、医師の椎名一紀先生に紹介していただきました。

もちろん心臓病を気にする人は、専門医の治療を受けることが肝心です。そのうえで、カカオを毎日適量とってみてはいかがでしょうか。



心臓病だけでなく全死因による死亡リスクが半減

この疫学調査は、470人の高齢者を対象に行われました。具体的には、チョコレートやココアからとるカカオの摂取量をもとに、食べない人、中程度食べる人、たくさん食べる人の3タイプに分類して死亡リスクを調べたのです(表参照)。

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そして、15年後、心臓病による死亡リスクが、たくさん食べる人は食べない人に比べて半減していたのです。また、カカオをたくさん食べる人は、全死因のリスクもおよそ半減していました。つまり、カカオを毎日とると、心臓病のみならず、ほかの病気の予防にも役立つ可能性があります。

生活習慣病の方は毎日適量のカカオを

ところで、嗜好品外来担当医の私は、生活習慣病の患者さんにカカオを毎日適量とるように指導しています。オランダの疫学調査では、カカオをたくさん食べる人の摂取量は、1日平均で4グラムでした。しかし、短期間で健康面の改善をするためには、もっとカカオの摂取量を増やしてもいいと私は考えています。

私が患者さんにすすめている1日の目安量は、高カカオチョコレートで20〜30グラムです。カカオの摂取量に換算すると、1日当たり15〜20グラム程度となります。

健康維持を目的にカカオをとるには、高カカオのチョコレートやココアを選ぶことが肝心。最近は、高カカオの商品にはカカオ分が表示されています。カカオ分が70%以上あるか確認しましょう。

高カカオチョコレートが健康にいいとはいえ、食べすぎは逆効果になります。1日の目安量を守ってください。
もちろん、体に不調をきたす可能性がある人は、食べるのをやめてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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