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痔のセルフケア【肛門筋トレ】で、いぼ痔による「脱肛」が3カ月後に治って出血も止まった

解説山田クリニック院長
山田紀彦

排便時に痔が脱肛する(外へ飛び出す)内痔核は、肛門筋トレ(肛門括約筋を鍛えるトレーニング)で改善に導ける場合があると、肛門筋トレを指導している専門医の山田紀彦先生は話します。
くわしいやり方については、一番下の関連記事をご覧ください。

山田先生が実際に診てきた患者さん2人の体験談を紹介してくださいました。体験談は、健康情報誌『夢21』で2017年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。
痔の人は、この記事を読んでトレーニングの継続の大切さをみなさんにも知っていただきたいと思います。

また、必ず山田先生のような専門医に診てもらうことが最重要です。

一度は改善。ところが肛門筋トレをやめたら悪化した

滋賀県在住の上野俊夫さん(仮名・52歳)は、痛みはほとんどないものの排便時の脱肛がよく起こると私のクリニックを訪れました。
診察をすると、肛門に2個のⅡ度内痔核(イボ痔)と1個のⅢ度内痔核があり、中等度の内痔核の脱肛と診断しました。

私は上野さんに、排便時にいきみすぎないことと、便秘を改善することを指導しました。
そして、痔の治療のために、坐薬(軟膏)を処方するとともに、うっ血を改善するために肛門筋トレ(肛門括約筋トレーニング)を1日3~5分程度やってもらったのです。
なお、上野さんが行ったのは、やり方❶の頻回法(下の関連記事にある「肛門筋トレのやり方」記事を参照)です。

肛門筋トレのやり方を聞いた上野さんは、毎日続けられるか自信がないそうなので、私は、毎日の通勤でM駅からO駅間(約4~5分)で、吊革につかまって立ったまま、実践してみてはどうかとアドバイスしました。
早速、上野さんは通勤時に肛門筋トレを始めました。最初は難しかったのがすぐに慣れて、電車の音のリズムに合わせて肛門を締めることができるようになったそうです。

さらに、肛門をうまく締められるようになったことで自信がつき、休日も自宅で行うようになりました。その結果、肛門筋トレを始めて約4カ月後には、上野さんは脱肛があまり起こらなくなったそうです。
ところが1年前、上野さんは久しぶりに来院されました。再び脱肛がひどくなり、排便時にポタポタと出血もあるとのことでした。
話を聞くと、上野さんはせっかく続いていた肛門筋トレを、症状がないのでいつの間にかやめてしまったそうです。診察すると、内痔核が腫脹して炎症を起こしていました。
そこで、坐薬と内服薬を処方し、痔の炎症が取れて脱肛が戻せるようになったら、肛門筋トレを再開するように指導しました。

その後、上野さんは薬で痔の腫れが少しよくなってから、通勤時の肛門筋トレを再開しました。今度は、3カ月後には出血も出なくなり、脱肛も少なくなって症状が改善したのです。

痔主の方は、症状が改善しても肛門筋トレをやめずに、ぜひ続けてほしいものです。

肛門筋トレで排便後の脱肛が改善した

次に、川原由美子さん(仮名・62歳)は、排便後の脱肛が目立つようになったと訴えて、約2年前来院されました。川原さんは、30歳代のときに出産して以来、ときどき脱肛があったそうですが、そのつど、市販薬を使ってしのいできたそうです。

診察をすると、3個ある内痔核のうち1個が脱肛することがわかりました。そこで私は、川原さんにも、坐薬を投与するとともに、肛門筋トレをすすめたのです。

しかし、1カ月後の診察のとき、川原さんの症状はあまり改善していませんでした。川原さんはめんどうくさくて、肛門筋トレができていなかったのです。
肛門筋トレを続けるには、上野さんが「通勤時のM駅からO駅間に行う」といったように、忘れないための習慣づけが大切です。川原さんの場合は、夕食後にデザートを必ず食べるとのことなので、「夕食後、口には甘いデザートを、そしてお尻の口にも平等に肛門筋トレというデザートをあげてはどうか」と助言しました。

その助言に納得された川原さんは、夕食後に5分間、立ってテレビを見ながら肛門筋トレ(やり方❶の頻回法)を行い、ときにはやり方❷のゆっくり法もあわせて行ったそうです。その結果、約3カ月後には、排便後の脱肛が少なくなり、川原さんの内痔核は自然に戻るようになりました。
その後も肛門筋トレを続けており、川原さんはさらに脱肛の回数が少なくなっています。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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