1. ニュース&コラム
  2. 【専門医解説】直腸性便秘のセルフ解消法「お尻上げ排便」のやり方。両手でお尻を引き上げよう

【専門医解説】直腸性便秘のセルフ解消法「お尻上げ排便」のやり方。両手でお尻を引き上げよう

解説吉祥院病院医師
倉田 正

直腸性便秘で悩む人は、便秘の改善のためによくすすめられる「前かがみ姿勢での排便」は、症状を逆に悪化させてしまう可能性があるためおすすめできません。

肛門内科の倉田正先生に、直腸瘤ができた直腸性便秘の人のおすすめな排便方法「お尻上げ排便」の具体的なやり方、そして効率アップ法も教えていただきました。

股をしっかり閉じて肛門を拡げ、お尻を引き上げるだけ

強い残便感が続く直腸性便秘で悩んでいる人は、「お尻上げ排便」という簡単な方法で、便が出やすくなります。
この記事では、お尻上げ排便の具体的なやり方(洋式トイレの場合)について説明しましょう。

●便座への座り方
お尻上げ排便のやり方1.jpg便座には深く腰をかけず、便座の少し手前に浅く座るように心がけましょう。というのも、便器の穴に落ち込むような座り方をすると、肛門の皮膚が強く緊張して、皮膚が切れて出血したり、痔を招いたりするからです。

●足の置き方
両足は開かずに、太ももと足先をピッタリとくっつけて、股を閉じるようにしてください。ポケット腸便秘は、直腸の壁が硬い便によって腟のある方向に押され、ポケット状の袋ができてしまうポケット腸が原因で起こります。ポケット腸の人がいきむと、腹圧(おなかの中の圧力)によって直腸が腟側に押され、便秘が悪化してしまいます。

ところが、股をしっかり閉じることによって、肛門が拡がるだけでなく腹圧が腟の方向ではなく、肛門の方向に向かいやすくなるのです。

●やり方
まず、お尻の真ん中にある尾てい骨の先端に、中指をひっかけるように手をそろえて当てます。片方の手だけでは上げにくい人は、両手を当ててもかまいません。そして、便意が強くなったときに合わせて、お尻の真ん中の皮膚を手で力いっぱい、5秒間引き上げます。1回で出なければ、この動作を2〜3回くり返してみてください。

お尻上げ排便のやり方2.jpgこのときに注意してほしいのは、便意が強くなったときに行うことと、真上に引き上げることです。
このようにお尻を引き上げると、ポケット状の袋(直腸瘤)が浅くなり、直角に近かった直腸と肛門の角度が直線に近づきます。そうすると、便が直腸瘤に引っかからずに肛門の出口までスムーズに進んで、らくに排便できるようになるのです。

残便感が改善する効率アップのお尻上げ排便

さて、上に述べたやり方で直腸性便秘がよくならない人、残便感が改善しない人は、ぜひ上半身を後ろに反らせ気味にした姿勢も試してください。このほうが、腹圧が前方にかからなくなり、便が出やすくなるのです。

具体的には、上半身を後ろに少し反らせてからお尻上げ排便を行うのです。
ただし、肛門の後ろ側に痛みがある人は、痛みが悪化するおそれがあるので、この姿勢は避けてください。さらに、お尻上げ排便の作用を高めたいなら、肛門の筋肉をゆるめ、肛門を開きやすくするために、ゆっくりとした深呼吸をして心身をリラックスさせることも大切です。

深呼吸のポイントは、吸う時間よりも吐く時間を長くすることです。吸うのを4としたら吐くのを6、あるいは、吸うのを3、吐くのを7といった割合で呼吸をするといいでしょう。
最後に、便秘の人は「たかが便秘」と軽視することなく、長引く人は必ず専門の医師に診てもらうことが重要です。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ 

関連記事

この記事が気に入ったらいいね!しよう