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股関節痛の改善には【コマネチポーズで行うマッサージ】がおすすめ。早い人は即日和らぐ

解説東京中医学研究所所長
孫 維良

股関節(こかんせつ)とは、骨盤の骨と太ももの大腿骨(だいたいこつ)がつながる、足のつけ根部分のことをいいます。
股関節が痛む人は、病院へ行くと変形性股関節症といわれる場合がほとんどではないでしょうか。変形性股関節症は放置すると徐々に悪化しますが、特に悪化するのが冬場です。

カラダネでは、股関節痛を少しでも和らげるセルフケアについて、中医師の孫維良(そんいりょう)先生に話を聞きました。

寒いと関節に負担がかかる

冬になると、関節痛が起こったり悪化したりするという人は多いでしょう。原因の一つは、寒さによる血管の収縮で血流が悪化するためです。
寒いと、体から熱が奪われるのを防ぐために、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配するする神経)のうちの、体を活動的にする交感神経が優位になり、血管の収縮反応が起こります。

また、日常的に寒さを感じると、本来は体を安静にする副交感神経(自律神経の一種)が優位になるべきときにも交感神経が優位になりやすく、血管の収縮状態が続き、ひいては血流が悪化してしまいます。
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血流が悪化すると、筋肉が硬直したり神経が過敏になったりして主に関節に負担がかかり、痛みが出たり悪化したりするわけです。
そうした関節痛の中でも、上半身と下半身をつなぐ部分に位置する股関節は特に負担がかかりやすい部位のため、痛みが悪化する可能性も大きいわけです。

コマネチのポーズで股関節をさすろう

股関節痛を防ぐためには、股関節の冷えを取るのがとても重要です。
そこで、ぜひとも「太もも温灸」を行うことをおすすめします。

温灸というと、モグサを皮膚の上に置いて燃やす「お灸」を思い浮かべる人もいるでしょう。ところが、太もも温灸は、このお灸のことではなく、単に太もものつけ根を温めることをいいます。

私が最も簡単な方法としておすすめしたいのは、両手で足のつけ根をさするマッサージ法「股関節さすり」です。昔、お笑い芸人のビートたけしさんが、「コマネチ!」といいながら股関節をさするという有名なギャグがありましたが、あのポーズを思い浮かべてください。

股関節さすりは、中国伝統の治療法

股関節痛を改善に導くマッサージ法「股関節さすり」は、中国伝統医術である「推拿(すいな)療法」を応用した自己推拿の一つです。

推拿療法とは、手技で病気をよくする施術法で、弱った体の部位に関係するツボや経絡(生命エネルギーの通り道)をさすったりなでたりして、気(生命の熱エネルギー)を送り、体の不調を改善します。
気というと、ふつうの人には出せないと思われがちですがそんなことはなく、どんな人でも手から気が出ていて、自分で推拿療法を行うことを自己推拿といいます。

股関節さすりを行えば、気の流れがよくなるとともにマッサージ作用も加わって、痛みの周囲がジワジワと温まってきます。その結果、血管の収縮がゆるんで血流が増え、温まります。このため、寒さで発症・悪化しやすい股関節痛も治まってくるのです。

もちろん、寒くない季節の股関節痛も、これでよくなる場合が多いといえます。股関節痛の人は、夏場でも股関節に冷えのある場合が多いからです。

股関節さすりを行うと、早い人ならその場で痛みが和らぎます。重症の人はそうはいきませんが、それでも続けていると1カ月以内には改善作用を実感する人が多いようです。
さらに、股関節痛ばかりか体の冷えや下半身のむくみが改善したり、高血圧が正常化してきたり、胃弱や便秘など内臓の不調がよくなったりする人もいます。

股関節さすりのやり方写真図解

股関節さすりのやり方は簡単です。やり方の写真図解も参考にしてください。
まず、準備としてイスに座って両手を5~10秒、しっかりこすり合わせて、手のひらを温めます。これは手に気を集めるためです。

【やり方】
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股関節さすりを行います。まず、両足をできるだけ左右に広げ、左右の足のつけ根の外側(腰骨のほう)に左右の手の小指側の面を当て、内側(またのほう)に向かってさすり、再びもとの位置に同様にして戻します。この往復さすりを、20~40秒ゆっくり行いましょう。

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次に、左右の足のつけ根の外側に、左右の母指球(親指の下のふくらみ)を当て、手のひらを太ももにつけます。母指球にやや力を入れながら手のひら全体で内側に向かってさすり、再びもとの位置に同様にして戻します。この往復さすりを20~40秒ゆっくり行います。

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これが終わったら、足のつけ根付近の太もも前面に手のひらを置いて、10~20秒ジッとしていてください。股関節周辺がしっかりと温まっていきます。

【注意点】
さする強さは、強すぎず弱すぎず。さする部分を温める感じです。温まるにつれて、痛みが引いていくという人もいます。
股関節さすりを行うときは、下着姿やパジャマ姿で行ってください。裸で行うと肌がすれることがあり、ズボンをはいて行うと刺激が伝わらないことがあります。

最後に、股関節痛に悩んでいる人は整形外科の専門医に診てもらい治療を受けることが重要です。そのうえで、セルフケアの一環として股関節さすりを実践してください。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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