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【専門家解説】シークワーサーに多い栄養「ノビレチン」に期待したい健康作用は?〜ダイエットや肝機能値、血糖値、美白など

解説 カラダネ編集部

沖縄の果実、シークワーサーが人気です。
人気の秘密は第一に味の良さ。第二に健康維持に役立つ栄養が豊富なこと。
この記事では、シークワーサーの栄養と期待できる作用を紹介します。特にダイエット中の人におすすめです。

シークワーサーの栄養の筆頭は、ノビレチンという成分。栄養学の専門家で横浜創英短期大学名誉教授の則岡孝子先生に話を聞きました。則岡先生は、シークワーサーが今ほど人気になる前から沖縄に行って調査をしていたそうです。
シークワーサーはあくまでも食品です。体の不調は必ず病院で治療を受けてください。そのうえで食事の中で上手にシークワーサーを取り入れてみてはいかがでしょうか。

シークワーサーの栄養の中でも注目はノビレチン

シークワーサーは直径わずか3~4センチの中にすごい栄養を秘めています。特に注目はノビレチンという栄養。則岡先生は次のように話します。

「ノビレチンはポリフェノール(色素成分)の一種です。みかんやグレープフルーツなど、ほかの柑橘類にも含まれていますが、シークワーサーのノビレチン含有量は、以下グラフのように群を抜いています。
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✳︎大宜味村ホームページにある東京薬科大学教授、指田豊博士の講演より作成(市販柑橘飲料100%中)

ノビレチンについては複数の研究者が機能性について調べており、実験段階ではありますが期待できる作用は多岐にわたります」(則岡先生)
次から順に説明していただきましょう。

ノビレチンの研究①ダイエットやシミの予防に

「まずは、シークワーサーに多いノビレチンが、ダイエットやシミといった美容の悩み改善に役立つ可能性がある点を紹介しましょう」(則岡先生)

作用①ダイエットに役立つ可能性

私たちの体の中には脂肪細胞という細胞があって、太っている人はここに脂肪がため込まれており、細胞自体が肥大しています。
シークワーサーに多いノビレチンは、脂肪細胞の分化(異なった性質のものに分かれること)を促して、脂肪細胞中の脂肪を分解する働きがあるとされます。
つまり、ノビレチンは体内の脂肪を減らす可能性がありダイエットに役立つと考えられています。

作用②シミを防いで美白に役立つ可能性

Whitening effect.jpg琉球大学と中部大学の合同研究チームが、ノビレチンにメラニンの生成を抑える働きがあることを見つけました。

メラニンとは、紫外線などを浴びるとメラノサイトで生成される黒褐色の色素成分(上の図参照)。これが、いわばシミの正体です。
ノビレチンは、メラニンを作り出すさいに必要なチロシナーゼの活性を抑えるとわかっているそうです。つまり、シークワーサーに豊富なノビレチンをとることで、シミやくすみを防いで美白に役立つ可能性があるわけです。

ノビレチンの研究②認知機能や血糖値、がんを気にする人に

則岡先生によると、シークワーサーのノビレチンがすごいのは、次に述べる認知症や高血圧、がんといった生活習慣病予防に役立つ可能性があるとわかってきた点も大きいとか。
くわしく解説していただきましょう。

作用③アルツハイマー病など認知症の予防に役立つ可能性

東北大学教授の大泉康先生が行ったマウスの研究では、ノビレチンが脳に対して有用な働きがあるとわかっています。
認知症の中でも最も多いとされるアルツハイマー病は、アミロイドβという物質の脳への沈着が原因の一つとされます。ノビレチンには、このアミロイドβの沈着を減らす働きがあるそうです。
また、すでに記憶障害が進行している場合も、改善させる働きがあると示唆されています。

作用④血糖値や血圧の上昇を抑える可能性

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果樹研究所の矢野昌充先生らが行った研究で、糖尿病を自然発症するマウスにシークワーサーのノビレチンを与えたところ、血糖値の上昇を抑える働きがあるとわかったそうです。
同じように、高血圧に自然になるマウスでも調べたところ、シークワーサーのノビレチンをとると血圧の上昇が抑えられたと報告されています。

作用⑤がんの予防に役立つ可能性

シークワーサーに多く含まれるノビレチンには、私たちの体内で、免疫細胞の一つであるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化する働きがあると考えられます。

私たちの体内ではガン細胞が毎日発生していますが、がんがそのまま増殖する人と増殖しない人がいます。この理由の一つに、NK細胞が強いかどうかが関係しているのです。
NK細胞はガンの増殖を防ぐ体内の精鋭部隊のため、この部隊を活性化できれば、がんの予防に役立つはずです。

さらに最近になって、ノビレチンは体内で新たに血管が作られる(血管新生)のを防ぐとわかってきました。がん細胞は増殖のさいに血管を新たに作って栄養をとり込みます。つまり、血管新生を防げるとガン予防に役立つ可能性があるのです。

ノビレチンの研究③夜間頻尿の対策にも

さらに、則岡先生は続けます。
「シークワーサーのノビレチンについては研究がまだあります。最近では、以下のように夜間頻尿の予防に役立つのではないかと発表されました」

作用⑥夜間頻尿を防ぐのに役立つ可能性

夜間頻尿のグラフ.jpg琉球大学准教授の照屋俊明先生と沖縄リサーチセンターが発表した研究結果では、ノビレチンに夜間頻尿を改善させる働きがあるとわかったそうです。

夜間頻尿は、過活動膀胱(膀胱が活動しすぎる病気)や前立腺肥大などが原因になるといわれますが、そうした人にノビレチンをとってもらったところ、夜間にトイレに行く回数が減ったとのこと。
頻尿や尿漏れといった尿トラブルは、高齢化に伴って悩む人が激増しています。中でも夜間頻尿は上のグラフのように今や尿トラブルの中で最も多いといわれます。

ノビレチンが夜間頻尿の改善に役立つとすると、今後たくさんの人の救う可能性を秘めた素晴らしい研究ではないでしょうか。

作用⑦肝機能の強化など、その他のノビレチンの作用

2017年に発表されたものでは、肝機能への働きもあると示唆されています(この研究はノビレチンによる働きかどうかははっきりしていません)。

体の中の細胞には、いくつかの受容体(レセプター。いわば鍵穴のようなもの)があります。受容体は、何らかの刺激(鍵穴に対する鍵のようなもの)を受けることで反応します。
その試験では、18種類もの細胞の受容体にシークワーサーの抽出物をかけたところ、肝臓の解毒機能の強化や脂肪燃焼にかかわる受容体が活性化したそうです。

ほかにも、慢性関節リウマチや骨粗鬆症の予防にも役立つ可能性を示唆した研究もあります。

なお、これまで述べてきたシークワーサーの研究結果はあくまでも研究段階での話です。私たち人間の体に全部が当てはまるわけではありません。
とはいえ、シークワーサーのノビレチンが私たちの体に有用な働きをする点については可能性を感じていただけるのではないでしょうか。

ノビレチンの作用まとめ(食べたからといって病気はよくならない!)

いかがでしたでしょうか。最後にまとめると、シークワーサーを特におすすめしたいのは以下のような人と則岡先生はいいます。

●ダイエットしたい人
●美肌を保ちたい人
●血圧や血糖値を気にする人
●認知症やがん、夜間頻尿などを予防したい人
●いつまでも健康を維持したい人

Section of Sequercer.jpg「シークワーサーは、もちろん薬ではありませんので食生活の中で上手に取り入れるのが基本です。体の不調がある人は、医師の治療を必ず受けて生活習慣にも気をつけてください。まだ研究段階なわけですから作用が認められているわけではありませんし、ご承知の通り、食べたからといって病気がよくなることはあるわけないのです。
あくまでもシークワーサーってすごいんだ!というのを知っていただきたいのが私の思いです。

最後にシークワーサーは自然の食品であり、食べて調子が悪くなるなど副作用などの報告はされていません。とはいえ、体に合う合わないは必ずありますので、もし異常が現れたら必ず医師に診てもらってください」

夏以降はシークワーサーがおいしくなる時期です。生の果実に加え、最近は皮ごとしぼった果汁100%ジュースも市販されています。手軽に利用できておいしいのが特徴です。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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