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【眼科医推奨】ピンホールメガネの使い方とその効果(ピンホールメガネ、DLできちゃいます)

解説 ほんべ眼科院長
本部千博

「ピンホールメガネで視力が改善する」

ピンホールメガネを試した全員に当てはまるわけではありませんが、かなりの改善例が報告されています。実際に試すと、「見えた!」という実例が多くあります。
この瞬間も、スマホやパソコンの画面の字がぼんやり……そんな疲れ目の人はぜひ当記事をご覧ください。

「なぜ目にいいの?」「どんな目の動かし方がいいの?」など、気になるところを眼科専門医の本部千博先生にお聞きしました。

ところで、ピンホールメガネを持ってないなら(大半がそうかと思いますが)、下記の記事からダウンロードして手作りしてみてください。

近視や老眼は軽視せず、必ず眼科の専門医に定期的に診てもらうことが重要です。

ピンホール現象でピントが合いやすくなる

ピンホールとは、英語で「針穴」のことをいいます。
みなさんは針穴をのぞいてみたことがありますか?のぞいた方は、よく見えた経験をお持ちではないでしょうか。

針穴をのぞくとよく見える理由は簡単です。
針穴の場合は光が細く集束されて目の中に入ってきます。
すると、目の中で網膜(カメラでいうフィルムに当たる部分)でピントが合いやすくなるというわけです。

この現象は、具体的にはピンホール現象といいますがその点については後述します。
まずは、論より証拠。実際に試してみましょう。
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ピンホール現象のメカニズム

眼鏡やコンタクトレンズを使っている人は外してください。

そして、ピンホールメガネの輪ゴムを両耳にかけて、十字形の5つの針穴すべてが左右それぞれの黒目(瞳)に収まるように位置を調節してください。

着用できたら、いよいよ針穴をのぞいて周囲を眺めてみましょう。

老眼で手元が見えにくいと悩んでいる人は、新聞や雑誌の文字を読んでみてください。近視で遠くが見えにくいという人は、遠くの景色やテレビを眺めてみましょう。
s_アイマスクの見え方.jpg

いかがですか?
遠くと近くがあまりにもハッキリと見えるので、驚く人が多いのではないでしょうか。
この不思議な視覚現象のことは、専門的に「ピンホール現象」といいます。

私たちがふだん物を見ているとき、それがどのようなしくみで「見える!」となっているのか、知らない人が多いはずです。

私たちの目は、水晶体という凸レンズの厚みを目の毛様体筋という微細な筋肉が調節し、入ってきた光の束を屈折させます。そして、その光の束を目の奥でフィルムの役割を果たす網膜に集約させることで光の像を映し出し「見えた!」となるわけです。

しかし、毛様体筋の硬直や衰えなどにより、光の焦点が網膜の手前にきたり後方にずれたりする屈折異常を起こすことがあります。
そして、網膜の手前でピントが合う屈折異常を近視、網膜の後方でピントが合う屈折異常を遠視や老眼と呼んでいます。

ところが、ピンホールメガネの針穴をのぞくと、光が針穴によってあらかじめ集約された細い状態で入ってきます。
すると、わざわざ水晶体の厚みを変えて光を屈折させなくても、ピントが網膜でピタリと合うようになるのです。
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だからこそ、針穴をのぞけば近視の人でも老眼・遠視の人でも、遠くと近くにピントをきちんと合わせて見ることができるわけです。
そのため、ピンホールは「万能レンズ」とも呼ばれているほどです。

ピンホールメガネにある多彩な機能

1.レンズなしで遠近にピントが合う
近視や老眼・遠視など目の屈折異常がある人でも、遠くと近くをハッキリ見られることが、ピンホール現象の最大の機能といえるでしょう。

2.老眼の予防・改善に役立つ
着用しながら視覚筋をほぐす目のトレーニング「ダイヤ体操」を行うと、老眼の予防・改善が期待できます。詳しくはこちらを参照してください。

3.近視の予防・改善に役立つ
老眼と同様、近視の予防・改善に役立つことも、ピンホールの大きな特徴です。
実際にピンホールメガネの活用によって、仮性近視や軽度近視が改善したという中国の眼科病院の試験結果も報告されています。

4.視覚筋が休まり目がリラックス
ピンホールを通して物を見ると、ピントを合わせる毛様体筋などの視覚筋が水晶体の厚みを大きく変えることなく見えるようになります。

そのため、目を凝らさなくても遠くも近くもよく見えるようになります。すると、疲れた目の視覚筋を休めてリラックスさせることができます。

5.視覚筋ほぐしのトレーニングに好適
十字形に5つの針穴があいているこのメガネは、目のダイヤ体操(後述)を行うのに大変便利です。
縦・横・斜めと針穴を順番にのぞいていくことで、毛様体筋ばかりか眼球周りの外眼筋も鍛えられ、効率よく視覚筋ほぐしのトレーニングが行えます。

6.目の血流アップに役立つ
目のダイヤ体操を行えば、当然のことながら、眼球やその周囲の血流を促すのにも役立ちます。

7.ドライアイ対策になる
着用すると、目全体が覆われて涙の蒸発が抑えられ、ドライアイや疲れ目の防止に役立つと考えられます。

8.目の健康チェックができる
着用中は、遠くも近くもよく見えるはずです。
ところが、もし針穴に薄い膜が張って見える場合や、5つの針穴がきちんと見えない場合、浮遊物が見える場合、よく見えるようにならない場合など眼科を受診しましょう。

水晶体や網膜などにならかの異常が起こっている可能性も疑われるためです。このように、目の健康チェックに役立つ可能性があります。

9.明るい場所での仮眠に重宝
電車やバス、飛行機での移動中のほか、日帰り温泉などで仮眠をするときに、光を遮る道具として重宝します。

10.災害時の緊急用メガネになる
防災袋の中に入れておけば、緊急用の仮の眼鏡として使うこともできます。

1日30分から始めよう! 使用上の注意点も

ピンホールメガネの着用時間は、1日30分程度が目安です。使用時間が長いほど毛様体筋をほぐす作用が大きくなると考えられるため、時間が許せば、1時間ほど装着するのが理想です。

さらに、目のダイヤ体操をすると視力改善作用が高まります。
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最後に、着用中は視野が著しく狭くなって危険なので、車や自転車の運転時、室内での移動時、調理中などは絶対に使わないよう注意してください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ



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