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アメリカ、ニュージャージー州のモンクレア州立大学が実証![拳を握る=記憶力・想起力がアップ]物覚え対策!

解説 阿部メディカルクリニック院長
阿部 聡

年齢を重ねると、「人や物の名前がなかなか覚えられない」と悩む人が増えてきます。
実は、ある簡単な動作をするだけで、物覚えがよくなることがアメリカの大学の研究で明らかになり、注目を集めています。

物忘れが増えたと感じている人は、この動作を習慣にすれば、人や物の名前がポンポンと出てくる脳に戻るのも、夢ではないかもしれません。若い人でも、名前を覚えるのが苦手という人は要チェックです。阿部メディカルクリニック院長の阿部聡先生にお話をお聞きしました。

もちろん、物覚えの悪さや物忘れが気になる方は、病医院の物忘れ外来や脳神経外科で検査を受けることが重要です。



覚える時は右手、思い出す時は左手の拳を握るだけでいい

記憶の定着が強まって物覚えがよくなる簡単な動作とは、拳を強く握ることです。

それを決定づける研究を発表したのが、米国・ニュージャージー州のモンクレア州立大学准教授のルス・プロッパー博士です。

プロッパー博士は、右利きの51人を対象に、72個の言葉が書かれたリストを見せ、できるだけ多くの言葉を暗記してもらいました。そして、少し時間を置いたあと、覚えた言葉をできるだけ多く思い出してもらったのです。
なお、この試験は、51人を次の5つのグループに分けて行われました。

●第1グループ
言葉を覚える時も思い出す時も、右手だけでボールを握る
●第2グループ
言葉を覚える時も思い出す時も、左手だけでボールを握る
●第3グループ
言葉を覚える時は左手、思い出す時は右手でボールを握る
●第4グループ
言葉を覚える時は右手、思い出す時は左手でボールを握る
●第5グループ
言葉を覚える時も思い出す時も、ボールを握らない

その結果、「暗記した言葉の数」も「言葉を正しく思い出した数」も、第4グループの「覚える時は右手、思い出す時は左手でボールを握る」の成績が最も優れていたのです。

右手を動かせば左脳が、左手を動かせば右脳が活気づく

では、なぜ第4グループの人たちの物覚えが、顕著によくなったのでしょうか?

人間の脳は「左脳」と「右脳」に分かれていて、記憶を定着させる働きには左脳が、記憶を引き出す働きには右脳が密接に関係しています。左脳・右脳は反対側の手とつながっているので、右手を動かせば左脳が、左手を動かせば右脳が活気づきます。

つまり、左脳・右脳を活性化させるには、それぞれ対応する手を刺激することがおすすめです。前述の研究で、右手でボールを握ると記憶の定着が促され、左手でボールを握ると記憶の想起が促されたのは、そのためです。

覚えようとする時に、90秒間右手を強く握るだけ!

右手と左手をそれぞれ刺激するなら、拳を握るだけでも構いません。人の名前や最近のニュースが覚えられないという人は、覚えようとする時に90秒ほど右手を強く握るといいでしょう。
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そうすれば、物覚えがよくなり、記憶が脳に強く定着する作用が期待できます。逆に、大切な記憶がなかなか思い出せない人は、左手を強く握り思い出すことをおすすめします。


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この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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