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認知症になりたくなければ熟年離婚はNG!?家族がいないと発症率は1.9倍

解説 おくむらメモリークリニック院長
奥村歩

認知症の発症には、同居する配偶者や家族の存在が深く関係している研究があることをご存知ですか?
誰かと一緒に生活をしている…ただそれだけで、脳は認知症予防に役立つ何かしらの好影響を受けている可能性があると、海外の試験でわかりつつあります。

近頃、熟年離婚が多いといわれますよね。実際に、同居期間20年以上の夫婦の離婚が増えていると統計的にもわかっているそうです。熟年離婚を考えている人、子供と離れて一人暮らしをしている人は、何らかの対策を講じてみてはいかがでしょうか。

おくむらメモリークリニック院長の奥村歩先生にお話を聞きしました。



熟年離婚するよりもマンネリ夫婦を続けたほうが認知症になりにくい?

大なり小なり、長年連れ添った夫婦は、しだいにマンネリに陥るもの。普段は互いに無関心で会話もなく、たまに堪忍袋の緒が切れてケンカをしても、一生添い遂げる夫婦は少なくないことでしょう。

その一方で、熟年離婚が昔に比べるとずいぶん増えてきています。これは、妻が亭主関白の夫の態度に我慢できず、夫の定年退職や子供の巣立ちなどをきっかけに、離婚を決意するケースが多いようです。

s_中高年 夫婦喧嘩.jpgしかし、認知症を防ぐためには、早とちりは禁物。実は、これまでの研究からすると、マンネリであっても夫婦関係を続けたほうがいいと考えられます。

そうした研究の一例として、スウェーデンの研究グループが2000年に発表した疫学調査の結果を紹介しましょう。
この調査では、75歳以上の1203人を対象に1987年からの3年間の間に社会生活と認知症の発症について調べました。

その結果、調査期間中に認知症を発症した人は、176人。
調査では、生活の中での「人と人との関わりの度合い」について様々な観点から検証され、人との関わりが少ない人たちは多い人たちに比べて、認知症になる危険度が1.6倍も増すことがわかったのです。
また、一人暮らしの人は家族など同居人がいる人に比べて、認知症になる危険度が1.9倍も高かったと報告されています。

男性の一人暮らしは、早死にする危険が大きい!?

特に離婚後、男性が一人暮らしになると危険です。一人暮らしになった男性は、料理や家事ができずに食生活が乱れて、いつしか栄養失調や孤独感から病気にかかり、早死にする危険が大きくなるという研究データもたくさんあるようです。
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認知症を防ぐためには、熟年離婚をするよりも、倦怠感があったり、ケンカをしたりすることがあっても、できるだけ添い遂げるのが賢明といえるでしょう。

マンネリ化した人間関係であっても、「この人と関わったのは宿命だった」「認知症などの災難のリスクが高まるよりはいい」と開き直ってみては?
また、夫婦仲を良好に保つには、夫は妻の話に耳を傾け、理解しようとする姿勢も大切。妻も、できるだけ笑顔で夫に話しかけ、この人しかいないんだからと運命に気づいた素振りをすることも重要になるでしょう。

最後に、もしも認知症の心配がある場合は放置しないで、必ず専門医の治療を受けることを忘れないでください。


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この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

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