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【泌尿器科の専門医解説】尿漏れの原因診断チャート!尿漏れタイプを知って対策へ

解説 神田医新クリニック理事長
横山博美

あまり人に知られたくない悩み、尿漏れ。病院に行くことすらも、躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、尿漏れはその多くが自力で改善できることがわかっており、その方法は多数の専門医が開発しています。

いつ漏れるのか、どのように漏れるのかは人それぞれです。
自力で改善するためには、まず自分の尿漏れの原因を知ることが重要です。

尿の専門医である、横山博美先生に解説をしていただきました。



尿漏れの原因やタイプがわかる1分自己診断チャート

尿漏れの改善に大切なのは、自分のタイプを知ること。
原因をはっきりさせて、適切に対処しましょう。

まずは、下の自己診断チャートをやってみてください。
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あなたはどのタイプでしたか? 尿漏れのくわしい原因と自力改善法などについては、それぞれ下記でガイドしています。

なお、自己診断チャートは、あくまでも尿漏れの原因を知るきっかけとして活用してください。尿漏れ・頻尿を自覚したら泌尿器科の専門医に診てもらうことが重要です。自力では克服が難しい尿漏れのタイプも当然ありますし、別の重大な病気が潜んでいる可能性もあるからです。

尿漏れ3大タイプの[症状][男女差][原因][改善策]

①【腹圧性尿失禁】不意の尿漏れの原因は快尿筋(骨盤底筋群)の衰え

[症状]……尿漏れする場面が、くしゃみをする、咳をする、笑う、立ち上がるなど、おなかに力(腹圧)が加わったときに尿が漏れるタイプ。
[男女差]……最も多い尿漏れのタイプで、出産経験のある40代以上の女性がなりやすいといわれます。
[原因]……原因はズバリ「骨盤底筋群の衰え(カラダネでは骨盤底筋群のことを快尿筋と呼んでいます)」。快尿筋は尿の出し入れをコントロールする、いわば水道の蛇口のような役割をしています。
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年齢を重ねることで徐々に快尿筋の力が弱くなると、笑ったり咳をしたりと、少しお腹に圧力がかかるだけで、尿漏れしてしまいます。
快尿筋の衰えは、加齢のほかにも便秘や喫煙などもその原因になるようです。また、出産時に快尿筋が傷つけられることも、女性に腹圧性失禁が多いことの原因と言われています。

[改善策]……一般的には尿道や肛門を閉めたりゆるめたりする骨盤底筋体操(後述)がすすめられています。また、腹筋の強化もおすすめです(くわしくは下記の記事もご覧ください)。

②【切迫性尿失禁】我慢できない急な尿意の原因は過活動膀胱

[症状]……膀胱(ぼうこう)に尿がたまっていないのに、急に激しい尿意が起こり、我慢しきれずに尿が漏れてしまうタイプ。
この切迫性尿失禁と①の腹圧性尿失禁を併発する人も多く、これを「混合性尿失禁」といいます。
[男女差]……切迫性尿失禁は男女ともに、ほぼ同じく可能性のある尿漏れタイプです。
[原因]……膀胱炎で起こる場合もありますが、膀胱が勝手に縮んでしまう「過活動膀胱」が重大原因となります。
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過活動膀胱は急に激しい尿意が起こるため、トイレの回数が異常に増えるなど頻尿の重大な原因になります。
過活動膀胱のメカニズムは不明な点が少なくありません。膀胱の筋肉が衰えたり、尿を出す指令を担ういわば「膀胱のセンサー」に異常が起こったりすることで、排尿のしくみのどこかにトラブルが生じるためと考えられています。

[改善策]……対策としては、膀胱訓練といて膀胱の容量を増やして尿がたっぷりとたまるようにする訓練がおすすめです。やり方は、尿意を感じたらおならを我慢するようにお尻の穴をギュッと閉めるようにして、おしっこを我慢するだけ。
もちろん、我慢ができなくなったらトイレに行ってください。我慢できる時間が延びるほど過活動膀胱が改善し、切迫性尿失禁の予防に役立ちます(くわしくは下記の記事もご覧ください)。

③【溢流性尿失禁】少量の尿漏れが続く原因は前立腺肥大(男性)/骨盤臓器脱(女性)

[症状]……尿を出しにくく、チョロチョロと漏れるタイプ。
[男女差]……溢流性尿失禁は男性に多い尿漏れのタイプです。少数ですが女性にも起こります。
[原因]……男性の場合、前立腺肥大が考えられます。
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前立腺肥大になると、まずは膀胱の出口の部分が過敏になって頻尿になります。一方で、尿道が圧迫されるため尿が出にくくなります。いつも膀胱に残尿が残るようになり、おなかに力がはいると、たまっていた尿が少しずつ漏れ出てしまうのです。
女性の溢流性尿失禁は、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱)の人に見られるようです。

[改善策]……対策としては、やはり腹圧をかける動作はNG。特に便秘の人などは排便のさいにはいきまない、おなかに力を入れる動作をさける、といったことが大切です(くわしくは下記の記事もご覧ください)。

その他の尿漏れタイプ

このほか、主に背骨のケガや病気で起こる「反射性尿失禁」、認知症や脳血管障害の後遺症で起こる「機能性尿失禁」があります。
対策は、尿失禁の原因になっているケガや病気を対処することが重要になります。

尿漏れの主な原因は以上です。もちろん原因の確定については、泌尿器科の専門医の診断を受けてください。

尿漏れ改善策の定番・骨盤底筋体操に新手法(以下、カラダネ編集部)

快尿筋を鍛えることで不意の尿漏れや過活動膀胱が改善する

ここまで横山先生に解説していただいたとおり、尿漏れにはいくつかのタイプがあり、男女で体の構造が異なります。原因もさまざまですが、どのタイプの改善にも必要な自力対策は「快尿筋(骨盤底筋群)」を鍛えること。
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前述の通り、快尿筋は水道の蛇口のように、尿を出したり止めたりする筋肉です。快尿筋を強化することで、尿をコントロールできるようになり、不意の尿漏れを防ぎます。
また、快尿筋を動かすと骨盤内の血流が活発になるとされ、その影響は膀胱にも及びます。硬くなった膀胱が柔軟性を取り戻し過活動膀胱の改善につながります。

カラダネに執筆いただいた専門医が考案の尿漏れ防止体操

快尿筋を鍛えるもっとも一般的な方法は、骨盤底筋の強化・骨盤底筋の体操です。
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①床の上にあお向けに寝てひざを立てる
②膣や肛門の筋肉に力を入れて10秒ほど引き締める
③引き締めた筋肉をゆるめてリラックスする
① 〜③をくり返すのが、一般的な骨盤底筋体操のやり方です。

さらにカラダネでは、新しい骨盤底筋の体操「骨盤リズム弾み」を紹介しています。

尿トラブルは大人に共通の問題。1人で悩まず正しい知識を

日本排尿機能学会の調査によると、40歳以上の3人に1人が尿トラブルを経験しています。その数、推定800万人。特に出産経験のある女性、閉経後の女性に起こりやすいといわれています。

問題なのは、尿漏れをはじめとする尿トラブルで悩む大半の人が、誰にも相談できていないこと。1人で悩み、結局は何の対策もしない人がとても多いと言われています。
大切なのは、自分でも「早く改善しよう」という思いを強くして、今日から行動を起こすことです。
この記事をお読みならきっと大丈夫です。すでに改善したいと行動を起こしているのですから。病院での治療を受けつつ、今日からできる範囲で尿漏れ対策を実践してみてはいかがですか?

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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※記事の執筆ドクターが特定商品の購入等を推薦するものではありません。

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