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男性の尿トラブル対策には「へそ下のツボ刺激」を。ちょい漏れやキレの悪さが改善

解説東京中医学研究所所長・中医師
孫維良

年齢を重ねた男性陣が集まると、いつも話題になるのが「尿の切れが悪くなった」「ちょい漏れするようになった」「トイレが近くなった」といった尿トラブルの悩み。

男性の尿トラブルは、その原因の大半が「前立腺肥大」にある可能性が大きいとされます。尿道をドーナツのように囲んでいる前立腺が肥大して尿道を圧迫し、尿の出にくさや尿の勢いの衰え、頻尿、尿漏れなどが起こります。
そうした男性の尿トラブルの改善に役立つ可能性があるのが中国の伝統医術の一つである「推拿(すいな)療法」によるへそ下へのツボ刺激です。

東京中医学研究所所長・中医師の孫維良先生に話をお聞きしました。

尿トラブルがある10人中9人はおなかが冷えていた

私が専門とする東洋医学では、命あるものすべてに「気」という生命エネルギーが宿っているとされます。

気は私たちの体を流れていて、気の流れる道すじを「経絡」、その経絡上に点在する要所を「ツボ」と呼びます。経絡もツボも、人体には数多く存在しています。

尿トラブルでは、数ある経絡の中でも、体の前側の正中線(右半身と左半身に分ける中心線)を通る、任脈(にんみゃく)という経絡が治療の核として利用されます。
任脈上にあるツボは尿トラブルを招く「陰虚(いんきょ)」を回復するのに使われます。

陰虚とは、病気が長引いて体の栄養や水分が減り「腎の気(元気・活力)」が不足して、冷えが進んでいるような状態を意味します。

中国の医療機関で、尿トラブルに悩む患者さんの体を調べたところ、10人中9人におなかの冷えが認められたという報告があります。「おなかに居座った寒気(冷え)を追い出すことで不足していた腎の気が補われ、陰虚の状態が改善される」というのが東洋医学の考え方です。

手でなでたりさすったりして温めよう

尿トラブルの改善に役立つ経絡は、もう一つあります。
体の後ろ側で背骨の両側を通っている「膀胱経」です。膀胱経は、頭から首すじ・背中・腰から足まで続く経絡で、泌尿器系や婦人科系の病気の治療によく使われます。

任脈と膀胱経は、どちらも長い経絡です。そこに点在するツボのうち、おなかの深部の冷えを取る働きに優れ、一般の人にも使いやすい(刺激しやすい)ツボを挙げるとすれば、任脈上にある気海(きかい)・関元(かんげん)・中極(ちゅうきょく)と、膀胱経の八髎穴(上髎・次髎・中髎・下髎)が適切だと思います。

気海・関元・中極の位置

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  • 気海の位置は、へそから1.5寸(人さし指幅1本分と中指幅1/2本分)だけ下がったところ。
  • 関元の位置は、へそから指幅4本分(人さし指・中指・薬指・小指)下がったところ。
  • 中極の位置は、へそから指幅5本分(親指・人さし指・中指・薬指・小指)下がったところ。

八髎穴の位置

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八髎穴は、仙骨の正中線から左右外側へ親指1.5本分のところに縦に並んでいる。

尿トラブルを抱えたみなさんがこれらのツボを刺激する場合、中国の伝統医術の一つである「推拿療法」がおすすめです。

推拿療法は、手技で病気を治す方法です。
患者さんの弱っている体の部分、つまり気(東洋医学でいう生命エネルギー)が滞っている部分に関係するツボや経絡を、手でなでたりさすったりして温めて「気」の滞りを解消し、不調を回復に導く方法のこと。
みなさんも簡単ですので試してみてください。

時計回りにさするだけ

男性で、尿トラブルにお悩みの方は上記のツボをさするのがおすすめです。
やり方を簡単に解説します。まずは、手のひらをこすり合わせて温かくなったら、両手を重ねてへそ下10センチの場所にしっかりと押し当てます。

そして、おなかを揺り動かすように時計回りにゆっくり50回、次に反時計回りに50回さすります。おなかが温まりにくい人、快感が得られるのでさらにさすりたい人は、100~300回ほど行うといいでしょう。
実際に、このへそ下のツボ刺激をすることで、男性の頻尿や尿漏れが改善した例もあります。

男性の尿トラブルは、重い病気が隠れている場合もあるので、一度は泌尿器科の専門医に診てもらい治療を受けた上で、上記のセルフケアを試してみてください。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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