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尿漏れ・頻尿の原因と対策【女性編】専門医が解説する治し方総まとめ

解説カラダネ編集部

日本排尿機能学会の調べでは、今や40代以上の3人に1人が頻尿や尿漏れといった尿トラブルを経験しているそうです。
もはや国民病ともいうべき数に達したといえるでしょう。そして、尿トラブルは男性よりも女性に多く、出産経験のある女性、閉経後の女性に多発します。

でも、安心してください。大半の頻尿や尿漏れは自力で克服できるといいます。
女性の頻尿や尿漏れはなぜ起こる?原因は?治し方は?など、カラダネではあらゆる疑問に専門医が解説しています。
もちろん、まずは泌尿器科の専門医に診てもらうことを忘れずに。

女性は男性より尿漏れしやすい?その理由は主に2つ 

女性は男性に比べて尿漏れや頻尿といった尿トラブルで悩みやすいといわれます。
主な理由は2つあります。

女性が尿漏れする理由①尿道が短くて一直線のため(図版あり)

第一の理由は、女性と男性では尿道の形状と長さに違いがあるため。尿は膀胱から尿道をとおって体の外に排泄されます。
女性の場合は、膀胱から尿道が直線で伸びており、長さも短いという特徴があります(下の図の左側)。一方、男性はというと、尿道がカーブしており長さも長くなっています(下の図の右側)。そのため、女性はちょっとおなかに力が入るだけで尿が漏れてしまう場合があるのです。
Urine leakage of women and men.jpg
尿道の長さと形が男女で違う。女性は尿道が直線で短いため尿漏れしやすい

女性が尿漏れする理由②出産などで骨盤が開くため

理由の第二は女性は出産を経験する場合があるため。出産のさいは産道が大きく広がりますが、そのさい骨盤も大きく開くとされます。
骨盤には、膀胱や子宮、腸などの内臓を下から支えている骨盤底筋群という筋肉の集まりがありますが、骨盤が開くことで筋肉が切れたり伸びたりして、臓器が支えられなくなる場合があります。

Urinary leak : pelvis.jpgもちろん、出産後に骨盤が正常な形に戻って骨盤底筋群が若いころのように復活すれば尿漏れはしないでしょう。ところが完全には元どおりに戻らない場合もあり、それに加えて加齢によって骨盤底筋群も徐々に衰え、尿漏れしやすくなるわけです。

尿漏れを気にするようになると、ほんの少しの尿意でもトイレに通うようになります。それがひいては頻尿を招いてしまうわけです。

女性に多い尿漏れのタイプは?原因も徹底解説

さて、女性に多い尿漏れは、その漏れ方によって主に3タイプに分かれます。
❶腹圧性尿失禁 ❷切迫性尿失禁 ❸溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)です。一般的に悩む人が多いとされる順番に解説します。

❶腹圧性尿失禁→笑う、スポーツをする、重い物を持つなどで漏れる

泌尿器科専門医で永弘クリニック院長の楠山弘之先生によると、女性に特に多い尿漏れは「笑う」「咳やくしゃみをする」「スポーツをする」「重いものを持つ」など、おなかに力(腹圧)が入れたときに起こるタイプです。
このタイプは、正確には腹圧性尿失禁と呼ばれます。腹圧性尿失禁が尿漏れの人の半数以上を占めるとされます。

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女性の尿漏れで最も多いのは、おなかに力を入れると起こる腹圧性尿失禁


s_快尿筋.jpgでは、なぜ腹圧がかかると尿漏れしやすいのでしょうか。
これは、前に少し述べましたが女性は出産などによって内臓を支えている骨盤底筋群(カラダネでは快尿筋と呼んだりもします。図版参照)ではなどが伸びたり、加齢によって衰えたりするのが原因とされます。

膀胱にためられた尿は尿道を通って体の外に排出されます。このときに尿を出したり止めたりしているのは、尿道括約筋や骨盤底筋群です。

骨盤底筋などはいわば水道でいう蛇口の役割を果たしています。蛇口がゆるむとただでさえ水が漏れやすくなるのに、その状態で水を貯めるタンクに圧力がかかると、ポタポタ水漏れするのは当然のこと。
蛇口である快尿筋の締まり具合を強めることが急務です。

❷切迫性尿失禁→急に尿意を催して漏れる、体の冷えで急に漏れる

「突然尿意を催して、急に漏れる」「冷たいドアノブに触ると急に漏れる」「体が冷えると急に漏れる」……この「急に漏れる」というキーワードが切迫性尿失禁の特徴です。

切迫性尿失禁は、特に50代60代以上になると急増するそうです。これは、尿をためる膀胱が必要以上に活発に活動して膀胱の筋肉が勝手に収縮するため。これは過活動膀胱と呼ばれる病気です。

つまり、過活動膀胱によって起こる尿漏れは切迫性尿失禁である場合が多いのです。
泌尿器科専門医で女性医療クリニックLUNA心斎橋院長の二宮典子先生は、高齢化が進む今の日本では過活動膀胱の患者数は1000万人を超えるのではないかと警鐘を鳴らします。

ご自身の尿漏れが過活動膀胱が原因か下のチェック表で診断してみてください(あくまでも目安です)。
Overactive bladder.jpg
ところで、過活動膀胱が起こる原因はなんでしょうか。
まだわかっていないことも多いのですが、最近では「膀胱の柔軟性」が失われて硬くなるのが一因ではないかともいわれます。「カチコチ膀胱」といういい方もできるでしょう。

水風船を思い浮かべてください。風船に水を入れるさい、もし表面のゴムが伸びないと中に水はたまらないでしょう。カチコチ膀胱は、まさにゴムの伸びない水風船の状態です。つまり、尿がしっかりためられないのです。
つまり、尿がしっかりとためられる膀胱になれば切迫性尿失禁は改善するはずです。

❸溢流性尿失禁→尿がチョロチョロ漏れる

特に何かの刺激を受けたわけではなくても、尿がチョロチョロといつも漏れつづける尿漏れは「溢流性尿失禁(溢流性→いつりゅうせい。あふれて流れるという意味)」といいます。

女性の溢流性尿失禁は、骨盤臓器脱が関係しているのではないかといわれます。女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀先生によると、女性は出産や閉経、女性ホルモンの分泌量の減少、便秘などによる靭帯と骨盤底筋群の衰えで、骨盤内の臓器が下がって骨盤臓器脱を招くといいます。
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さて、次からはそれぞれの尿漏れの対策についてくわしく解説していくことにしましょう。

腹圧性、溢流性の対策は骨盤底筋体操が基本

まず最初に、最も多い尿漏れである腹圧性尿失禁の対策について。
腹圧性尿失禁を防ぐ体操としては、骨盤底筋の強化体操が最も有名です。さらに、腹圧がかかわることから腹筋強化体操も行えば女性の尿漏れや頻尿の改善に役立つとか。
永弘クリニック院長の楠山弘之先生に、あおむけに寝て行う尿漏れや頻尿の改善体操を教えていただきました。下記の記事にくわしく解説されています↓↓↓

尿漏れを治す手術も回避できる?8割に効いた【骨盤リズム弾み】のやり方

骨盤底筋を強化する体操として今大きな注目を浴びているやり方があります。その名も「骨盤リズム弾み」。

Urologist.jpgもともとは、米国の女性泌尿器科専門医、ブルースクロフォード氏が考案したもので、正式には「ピフィラティス」と呼ばれる体操の一種です。
日本では、スポーツ栄養クリニック理事長の武田淳也医師によって普及が始まっています。

従来の骨盤底筋体操は非常に有効ですが、快尿筋は体の奥深くの深部筋肉のため、自分では意識しづらくて動かし方のコツをつかめない場合が多々あります。そこで、動かし方のコツをつかまなくても快尿筋を効率よく強化できたら……そんな考えのもとに考案されたのがピフィラティスです。

骨盤リズム弾みは、弾む動きが特徴です。古今東西120種もの動きの中から快尿筋に効くものを筋電計で測定し、弾む動きが非常に有効であるとわかりました。
Pelvic floor muscle exercise.jpg
クロフォード氏によれば、腹圧性尿失禁で手術が必要な人の約7割が手術を回避できたといいます。
くわしくは、下記の記事をご覧ください↓↓↓

快尿筋(骨盤底筋群)の強化は溢流性尿失禁にも有効

ところで、快尿筋の強化は腹圧性尿失禁だけではなく溢流性尿失禁の人にも重要です。骨盤臓器脱を起こすと、女性は尿道が狭くなって尿が出にくくなります。さらに、骨盤底筋群の衰えで尿道がグラグラしてしまい、尿漏れが起こってしまうとされます。

溢流性尿失禁についても治すには骨盤底筋群の強化が不可欠。

自力対策などについてくわしくは↓↓↓

切迫性尿失禁の人は過活動膀胱の対策が急務!おしっこ我慢と膀胱若返りヨガを

過活動膀胱を改善に導く体操(訓練)があります。
過活動膀胱の人は、尿が少ししかためられずに尿意を催して排尿してしまいます。膀胱が広がりにくくなっているそうです。そこで試していただきたいのが、尿がたくさんためられるように膀胱の容量を増やす「膀胱訓練(おしっこ我慢)」です。

やり方は簡単で、尿意を感じてもトイレに行かずに我慢するだけ。すると、尿をためる膀胱の働きが回復していくそうです。まずは短時間の我慢、例えば5分くらいから始めてみてください。
もちろん、自宅などでトイレへすぐ行ける環境の中で実践するのが基本です。
くわしいやり方は、下記の記事をご覧ください↓↓↓

専門医もすすめる【膀胱若返りヨガ】で過活動膀胱を対策

さらに、過活動膀胱の人に試していただきたい体操があります。それは、なんとヨガ。泌尿器科専門医の馬車道さくらクリニック院長、車英俊先生はヨガには膀胱を柔軟にする働きが期待できるのではないかといいます。
膀胱に柔軟性が戻れば、尿をためる働きが復活するというわけです。


ヨガを行うと、膀胱をはじめ骨盤内の血流が促されると考えられ、それが膀胱を柔軟にするのに役立つそうです。

ヨガにはさまざまなポーズがあります。頻尿や尿漏れを招く過活動膀胱の解消にはどんなポーズがいいのでしょうか。ヨガ教室をクリニックに併設している青空レディースクリニック院長の金子透子先生は、❶股割りのポーズ❷かかしのポーズ❸カエルのポーズの3ポーズをすすめています。

↓写真は膀胱若返りヨガ「かかしのポーズ」のやり方
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実際に膀胱若返りヨガを行うことで、過活動膀胱が改善する人も多いといいます。

くわしいやり方などは下記の記事をお読みください↓↓↓

あらゆる尿漏れや頻尿を予防する食事や水分補給、ツボについて

次にすべての尿漏れや頻尿の人にも実践していただきたい生活、特に食事や水分補給について解説しましょう。尿漏れや頻尿を防ぐには、膀胱を刺激しないことが重要です。

前出の泌尿器科専門医、関口由紀先生は次のように話します。

まず食事では、膀胱を刺激しやすい食品はとりすぎないことが肝心です。例えば、唐辛子やワサビ、グレープフルーツ、酢の物など酸味が強い食品には注意してください。
ほかにも、チラミンというアミノ酸が多いチーズやチョコレート、チロシンというアミノ酸が多い納豆なども尿漏れや頻尿の悩みがある人はとり過ぎないようにしましょう。

水分補給の点では1日に2リットル以上とるのは控えましょう。
とはいえ、飲む量を減らしすぎるのも問題です。具体的には1リットル以下に減らすと、尿が濃くなって膀胱が逆に刺激される可能性もあるそうです。

お酒については、ビールやワインは膀胱への刺激が大きく、日本酒や焼酎、ウイスキーなどは刺激が少ないそうです。尿漏れや頻尿、特に夜間頻尿で悩んでいる人は気をつけてください。
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頻尿を防ぐ!流行のウイスキーハイボールなどはビールよりはまだ安心か

尿漏れや頻尿を防ぐには膀胱を締め付けない、冷やさない服装を

服装については、特におなかを締め付けるものは控えましょう。きつくて小さな下着、ガードル、タイツ、ウエストのきついスカートなどはおすすめできません。さらに冬は、重い革製のコートなども膀胱への刺激が大きくなるので注意してください。

急に尿意に襲われたときは?尿意を抑える4つのツボ

急に尿意に悩まされて困った経験のある方、多いのではないでしょうか。いわゆる切迫性尿失禁を招く過活動膀胱の方に多い症状です。
根本解決にはなりませんが、すぐにできる緊急対処法としておすすめなのがツボ刺激。

関口先生は、下腹部やお尻にある「関元」「中極」「中髎(ちゅうりょう)」「次髎(じりょう)」という4つのツボへの刺激をすすめており、ツボには使い捨てカイロを貼るのがおすすめです。
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尿漏れや頻尿を防ぐ生活についてくわしくは、下記の記事をご覧ください↓↓↓

夜間頻尿とは?夜中1回でも起きると夜間頻尿??

最後に、女性に多い尿漏れと頻尿の悩みで外せない「夜間頻尿」について解説しましょう。
日本排尿機能学会の調べでは尿トラブルの中で最も多い悩みが夜間頻尿とされ、約4500万人が悩んでいるといいます。
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夜間頻尿の定義とは、夜中に1回以上トイレに起きてそれが日常生活で支障をきたす場合のことをいうそうです。例えば夜中トイレに起きると眠れず、それが昼間に眠気を招いて困るといった場合は夜間頻尿といえます。
逆に夜中にトイレに起きても、ご自身が気にもせずに支障も感じていないなら夜間頻尿ではありません。

夜間頻尿の原因は【ふくらはぎのむくみ】

夜間頻尿の原因にはいくつかあります。
もちろん、夕食時や寝る前に水分をとりすぎるのも重大原因です。しかし、最近では新たな原因がわかりました。

Nocturia.jpgその一つは、なんとふくらはぎのむくみ。神田医新クリニック理事長の横山博美先生によると、ふくらはぎは昼間に血液がたまりやすく、むくみやすいそうです。
その状態で夜の就寝時に横になると、たまった血液が上半身に戻りはじめます。すると心臓は「血液量が増えた」と感知し、結果的に利尿作用を促して夜間頻尿を引き起こします。

夜間頻尿を治すにはいったいどうすればいいのでしょうか。

足のむくみを取る「ふくらはぎカイロ」で夜間頻尿が防げる!

足のむくみが夜間頻尿の原因なら、むくみを解消するのが先決です。足がむくみやすい人は立ちっぱなし座りっぱなしの人はもちろんのこと、ふくらはぎが冷えやすいという特徴があるそうです。

そこで、ぜひ試していただきたいのが「ふくらはぎカイロ」。ふくらはぎにミニ判の使い捨てカイロを貼るだけという実に簡単な方法です。くわしくはリンク先の記事をご覧ください↓↓↓

夜間頻尿が防げる「ふくらはぎ絞り」のやり方

使い捨てカイロを貼りたくない方、春夏の夜間頻尿を防ぎたい方にはふくらはぎを絞るやり方もおすすめです。せき接骨院の関博和院長がくわしく解説しています。
実際にふくらはぎ絞りを行うことで夜間頻尿が改善した人も多く、その体験も紹介していただきました↓↓↓

いかがでしたでしょうか。尿漏れや頻尿で悩む人が自分でできることは、意外にたくさんあります。そうしたセルフケアで尿漏れや頻尿がよくなることが多いのです。
病院で専門医に診てもらったうえで、自分でもセルフケアを試してみてください。


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記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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