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毎日の体調管理と心房細動が招く病気の危険度もわかる、便利な【心房細動アプリ】って?

解説 京都府立医科大学 妹尾恵太郎

現在、日本には心電図検査によって「心房細動」と診断された人が80万人いることがわかっており、潜在的な数を含めると100万人の患者さんがいると推測されています。高齢化が進むにつれて、心房細動の人はさらに増加していくと予測できます。

心房細動の治療では、血栓を防いで血液をサラサラにする抗凝固薬が処方されます。
ところが、処方された薬を飲み忘れてしまう人が実に多いのです。抗凝固薬の1年後の服薬継続率は6~7割程度とされており、3~4割はなんらかの理由で服用をやめてしまうか、服用しないときがあるという調査結果があります。
特に、最近のコロナ禍により外出を控えていると、生活にメリハリがなくなり、薬を飲んだのか、わからなくなってしまうことも多いようです。
しかし、1日でも薬を服用し忘れると、有効成分の血中濃度が下がってしまうため、血栓ができやすくなるとも言われています。最近の海外での研究によると、服用忘れなどにより薬を10%余らせると、死亡率と脳梗塞の発生率が約10~13%上がるという衝撃的な報告もあります。

このような背景を受けて、心房細動の人の服薬習慣をサポートするために開発された画期的なアプリが開発されました。
心房細動と診断された人には、とても便利なアプリです。
解説:京都府立医科大学 大学院医学研究科循環器内科講師 妹尾恵太郎先生

引用:本記事は2020年8月16日発売『わかさ10月号』より一部を抜粋しています。

心房細動って?

心房細動は、糖尿病や高血圧、心臓病、甲状腺機能亢進症、肥満症、慢性腎臓病などの持病がある人がなりやすいとされています。
また、加齢やストレス、飲酒、喫煙、過労、睡眠不足などが誘因となり、発症するともいわれています。
心房細動の症状は、動悸、胸の痛み・不快感、息苦しさなどが挙げられます。

実は、心房細動が起こっても、実際に約40%の人には自覚症状がありません。そのため、健康診断や人間ドックなどで、心房細動が見つかるケースも多いのです。
問題は、心房細動が起こると心臓の上部にある心房の血液の流れが滞るため、血栓(血液の塊)ができやすくなることです。心房細動の発作が治まると、この血栓が血流に乗って全身に運ばれ、血管をつまらせてしまうのです。
最もつまりやすいのが脳の血管で、心房細動の発作から脳梗塞を起こす確率は約5%といわれています。また、心房細動がある人は、心房細動がない人に比べると2~7倍も脳梗塞のリスクが高いという研究報告もあります。

便利な心房細動アプリ

冒頭でも挙げたように、心房細動は血栓を防ぐ抗凝固薬が処方されるのですが、その服薬週間を忘れないために、開発されたのが【心房細動アプリ】です。

では一体【心房細動アプリ】では何ができるのでしょうか?

代表的な機能は主に4つあります。

1.薬を服用する時間を設定しておくと、アラームで教えてくれる「服用アラーム機能」
2.服薬カレンダー機能(その日の服薬状況を「はい」「いいえ」で答える&体調記録)
3.心房細動について学べる動画
4.脳梗塞の危険度1分チェック

うっかり薬の飲み忘れや、医師や家族との情報共有にも非常に役立ちます。
心房細動の人はもちろん、ご家族や友人に心房細動の人にもおすすめできるアプリなので、まずはダウンロードしてその機能からチェックしてみてはいかがでしょうか。
お手持ちのスマートフォンに合わせて、下記よりアプリをダウンロードできます。

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この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ ©AdobeStock

ご解説医師の紹介

 

解説

京都府立医科大学
大学院医学研究科循環器内科講師
妹尾恵太郎先生

引用/出典

『わかさ』(毎月16日発売)|健康雑誌のパイオニア

発売日:毎月16日
定価:680円
本記事の出典/引用:『わかさ2020年10月号』。最新号はこちらをチェック。
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