酢ムリエの「お酢のおいしいパワー&おすすめ活用術」講座

解説カラダネ編集部

みなさんは 「健康のためにお酢をとろう」と思っていませんか?

違います!!
お酢は「美味しい」「食材を美味しくする」からとるのです。
お酢の醸造を営む家に生まれ、子供のころからお酢を愛し、酢ムリエ(※)(オークスハート代表)としてお酢の素晴らしさを伝え、さらにはお酢の研究も続けている内堀光康さんが、知られざるそのパワーを明らかにてくれました。

記事では、内堀さんのことを親しみを込めて酢ムリエと呼ばせていただきます!

「酸っぱい」は奥が深い

酢ムリエは、こんな実験を教えてくれました。

●用意するもの……レモン果汁(瓶づめ可)、お酢
①レモン果汁を少しだけ口に含む
②①と同様にお酢を口に含む
③レモン果汁とお酢を1対1で合わせて味わう

osuerabi05.png

レモン果汁は、想像通りの強烈な酸っぱさ。ところが不思議なことに、その後に感じるお酢の味は酸味がさほどなく、むしろ甘みが舌の上で広がっていきます。
そして、③で2つを合わせると、爽やかな酸味とともにレモンの香りと甘みを感じます。レモン果汁だけ飲むより、レモンらしい風味を感じるのです。

「酸っぱい(酸味)」は「甘味」や「旨味」と違い、必ずしもポジティブにとらえられない味覚かもしれません。
ところが、実験でもわかるように「酸っぱい」は、実はとても複雑なのです。
この実験の例では、レモン果汁=クエン酸、酢=酢酸と酸味の種類が違うため、③で合わせると不思議な相乗効果というかポジティブな味になるのです。

人は「酸っぱい」を学習する。お酢が苦手なら少しずつ慣れること

読者のみなさんや、その家族の中には、酢が嫌いな人もいるでしょう。

この点について酢ムリエは「お酢のツンとくる酸味が嫌いな人がいるのは自然なこと」と考えています。「酸っぱい」は学習する味覚で、慣れ親しむことで美味しく感じるようになるというのです。

なぜか?

「酸っぱい」はもともとは食べ物の腐敗を示すサインであり、人間は本能的に危険な味だと認識するからだそうです。
その点、「苦い」に似ているのかもしれません。人にとって毒になるものは苦いと感じ吐き出します。子供のうちはコーヒーが飲めませんが、大人になるにつれ苦さになれると美味しく感じるようになるのです。
お酢が苦手な人も、少しずつ慣れていくことで、だんだん好きになっていくと酢ムリエはいいます。

osuerabi06.png

お酢コラム 南国の人はお酢嫌い?
世界中を飛び回る酢ムリエによれば、南国の人ほど酢に拒絶反応があるといいます。「先日、シンガポールの人にお酢を飲んでもらうと、『テリブル!(ひどい!的な意味)』と驚かれました笑」。温かい国では腐ったものを食べてしまうリスクが高いだけに、酢の酸味を嫌う傾向があるようです。でも、美味しさがわかりだすとみなさん家庭でもお酢を使うようになるので、シンガポールでもお酢は広まりつつありますよ。

肉や魚、野菜の臭み消しに。フルーツと合わせると香りが引き立つ

さて、ここからはお酢の働きを具体的にみていきましょう。

まず、お酢は香りに作用します。酢ムリエは次のように指摘します。
「お酢は食材のいやな臭みを消し、良い香りを引き立てます。理由はわかりませんが、こんなに人間に都合のよいものはありません」

osuerabi07.png

お酢が青魚の臭みを消すのは、コハダの酢漬けやシメ鯖でよく知られているところ。肉の生臭さや野菜の青臭さに対しても同様です。牛乳に酢を少したらすだけで、お互いの独特な香りを消し合い驚くほど爽やかな味わいに変えてくれるといいます。

一方、冒頭の実験にあるように、お酢は素材が持つ良い香りをより強く引き出します。酢ムリエは、「特にリンゴやパイナップルといったフルーツにお酢を合わせると、もぎたてのようなみずみずしい香りが楽しめます」
と教えてくださいました。

それだけに、昔から一流の料理人はお酢を上手に使ってきました。私たちが酸っぱいと感じていなくても、実はお酢が入っている料理はたくさんあります。
寿司の酸味はさほど意識しませんが、やはり酢飯でなければ寿司は美味しくありません。

お酢&果汁の食前ドリンクが味覚を繊細にする

続いて、酢ムリエが指摘するのは「料理全体をおいしくする」効果です。
「食前酒というと、キールや梅酒など甘酸っぱいお酒が使われます。酢をとると唾液が出ますよね。すると、繊細な料理の味がわかりやすく、より美味しくなるのです」と酢ムリエ。

和食で序盤に酢の物を食べるのも同じ狙いでしょう。薄い味付けで、素材そのものの味が感じられるようになるので、特に和食には打ってつけとのこと。

osuerabi08.png

毎食、食前酒や酢の物を用意するのは大変ですから、ここは酢ムリエ推奨のお酢ドリンクをぜひ飲んでみましょう。

●材料……レモンorライムの果汁15ml(大さじ1)、好みのお酢15ml(大さじ1)、水470ml
●作り方……全部を合わせて飲む

もちろん、合計500mlを食前に全部飲む必要はありません。水を炭酸水にしてもいいし、お酒好きの方は果汁+お酢を、焼酎のサワーやハイボールに活用してもよいでしょう。

お酢は塩の代替として機能する

お酢は味を補う効果があるので、減塩の調味料としてよく使われます。さらに、味以外の機能としても、塩の代わりになると酢ムリエはいいます。
わかりやすくいうと、以下のような機能を果たしてくれます。

・肉や野菜のアクをとりだす
・素材の旨味を閉じ込める
・素材そのものの味を引き立てる

酢ムリエは、こうしたお酢の機能に着目し、酸味を加えるのではなく素材の味を引き出すことを目的とした「ソルトフリークッキング(塩を使わない調理)」も考案しています。

中でも、食べた人がみんな驚くのがソルトフリーのハンバーグです。

塩を使わない爽やかハンバーグ

osuerabi09.jpg

【ハンバーグ:材料】4個分
牛ひき肉・・・・・・・・・・100g
豚ひき肉・・・・・・・・・・100g
トマトペースト(6倍濃縮)・・・4g
お酢の魔法使いシャルドネ黒酢・20g
ゆで卵の黄身・・・・・・・・・32g(約2個分)
(A)炒め玉ねぎ・・・・・・・・・・50g

炒め玉ねぎの材料
たまねぎ・・・・・・・・・・100g
オリーブオイル・・・・・・・2g

【ハンバーグ:作り方】
玉ねぎを粗みじん切りにします。
フライパンにオリーブオイルを熱し、強火弱で①を入れて炒めます。
少し甘味がでてきたら、火からおろし粗熱をとります。
ボウルにAを入れて、よく混ぜます。
ゆで卵の黄身も加えて混ぜ合わせ、炒め玉ねぎも加えて混ぜます。
②を4等分し、丸く形を整えてフライパンで焼きます。
④ 片面に焼き色が付いてきたらハンバーグを裏返してフタをし、蒸し焼きにします。
ハンバーグが焼けたらお好みでトマトと玉ねぎのハンバーグソースにからめます。

【トマトケチャップ:材料】
トマトペースト(6倍濃縮)… 108g
お酢の魔法使いはちみつの酢… 70g
ガーリックチップ……………… 1.4g
カイエンヌパウダー…………… 0.1g
ナツメグ………………………… 0.2g

【トマトケチャップ:作り方】
①鍋に全ての材料を入れ、火にかけます。ひと煮立ちしたら、弱火にし、混ぜながら煮詰めます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

酢ムリエのお話は目から鱗の連続で、お酢のすごさが本当によくわかりました。お酢の役割は酸っぱさを加えるだけではないのです。

お酢の機能を理解して、目的に合わせて上手に活用しましょう。

ツイッターでもお酢情報発信中→@お酢ラボ

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ

※「酢ムリエ」はオークスハート株式会社の登録商標です。

酢ムリエ/オークスハート株式会社 代表取締役 内堀 光康

2003年2月ジェイアール名古屋タカシマヤに「ビネガー専門店オークスハート」1号店をオープン。
その後、日本橋高島屋、大阪高島屋など全国に店舗展開。2006年開発部門における農林水産大臣賞を個人で受賞。
2007年10月には東京駅構内に酢カフェとしての1号店「飲む酢・エキスプレ・ス・東京」をオープンし、新しい酢の文化を発信中。

オークスハートWebサイト

関連記事

この記事が気に入ったらいいね!しよう