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医師も認める【玄米ご飯】の注目栄養。白米との比較や糖質量、カロリー量もわかる

解説 カラダネ編集部

健康食材ブームが続く中で、今「玄米」に大きな注目が集まっています。炊くのにコツが必要だった玄米ご飯ですが、今はスイッチ一つでおいしく炊ける炊飯器も増えており、玄米ご飯へのハードルも劇的に下がりました。

戦後の食糧難の時代に育った人は「銀シャリ」とも呼ばれる白米への信仰は根強いと思いますが、今の50代以下の人は逆に玄米ご飯を「おいしい」「健康にいい」などと、新鮮に感じる人も多いですよね。

この記事では、玄米にくわしい医師に玄米の基本的な解説から含有の栄養成分、玄米に効果効能があるの?といった点を話を聞いてまとめました。

まず、玄米とは何か(玄米と白米の違いをイラスト解説)

玄米ご飯をふだん食べている人も、「玄米とは何か」が正確にわかる人は少ないかもしれません。
お米は収穫後に一定期間、乾燥させたあとでもみ殻(がら)を取り除きます。これを「玄米」と呼びます(下のイラストを参照)。
この玄米を、精米によって胚芽とヌカを取り除いたものが白米です。
玄米とは.jpg上のイラストのとおり、玄米と白米の違いは、胚芽やヌカがついているかどうか。とはいえこの差はとても大きくて、お米の栄養の大半はこの胚芽やヌカに含まれているため、玄米は白米よりも断然高栄養です(豊見城中央病院 糖尿病・生活習慣病センター長 比嘉盛丈 先生)。

玄米と白米の栄養成分の比較。糖質は?カロリーは?

では、玄米は白米と比べてどのくらい高栄養なのでしょうか。下の円グラフをご覧ください。
米ぬか.jpg

グラフからもわかるように、玄米ご飯にはたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル(無機栄養素)や食物繊維が白米よりも断然多く含まれています。

特に食物繊維量が多くて、白米の約6倍も含まれています。食物繊維は腸の中で善玉菌のエサになったり、便秘の改善に役立ったりするなど私たちが若さを維持するためにとても大切な栄養のため、意識的にとる必要があります。

ちなみに、みなさんが気にする糖質量とカロリー量は、玄米(茶碗1杯150グラム中、53.9グラム。252キロカロリー)も白米(茶碗1杯150グラム中、55.1グラム。251キロカロリー)も変わりません。
とはいえ、血糖値の上がりにくさからいえば、玄米がおすすめです(島村・トータルケア・クリニック理事長 島村善行 先生)。

フェルラ酸、γ-オリザノール、フィチン酸は玄米特有の成分

玄米には、白米にはない栄養素がたくさん含まれています。

まず、ポリフェノールの一種である「フェルラ酸」です。フェルラ酸には強力な抗酸化作用があり、老化や病気の原因になる活性酸素の害から守る働きがあります。
さらに、フェルラ酸は抗酸化作用だけではなく認知機能の改善にも役立つ可能性も示唆されており、脳に対しても何らかの働きをする可能性があります。

さらに、コレステロールの低下や脳機能の改善に役立つとされる「γ-オリザノール」も含まれています。γ-オリザノールは、医薬品としても使用されています。

ほかにも、血流の促進や肥満の改善に役立つ可能性が示唆されている「フィチン酸(イノシトール)」なども、白米にはない栄養素です(島村・トータルケア・クリニック理事長 島村善行 先生)。

玄米ご飯に期待できる効果効能とは?

玄米が体にいい食品であることから、具体的に「玄米に効果効能はあるの?」と疑問を持っている人もいます。

とはいえ、玄米に含まれているγ-オリザノールなどは脂分に対する異常な嗜癖性を改善したり、膵臓β細胞の保護したりする作用などが次々明らかになっています(琉球大学医学部 内分泌代謝・血液・膠原病内科学)。

玄米ご飯は実に多くの栄養を含んだ主食であり、玄米ご飯にしかない栄養もあります。
これまでもさまざまな研究がされており、複数の医師が患者さんに玄米ご飯を推奨しています。しかも、うつや認知症、緑内障、高血圧、肥満などに対して改善が見られたケースも報告されています。
病院や大学でも玄米の健康作用について研究されています(別の記事でも解説します)。

以上の点から見ると、医師の治療を受けつつ、玄米ご飯を毎日の食事に取り入れれば、健康維持に一定の力を発揮する可能性が大きいのではないでしょうか(豊見城中央病院 糖尿病・生活習慣病センター長 比嘉盛丈 先生)。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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