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不眠による昼間の強い眠気がセルフ対策法「夕方肩回し」で改善。朝の目覚めもスッキリ(体験談②)

解説 RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長
白濱龍太郎

RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長の白濱龍太郎先生は、不眠を改善するセルフケア方法として、肩甲骨周りを刺激して体温を上昇させる「夕方肩回し」をすすめています。
夕方に深部体温(体の内部の体温)を上げることが、夜に正常に入眠しやすくする秘訣だと白濱先生は話します。

この記事では、実際に夕方肩回しを試した患者さんの体験談を掲載しています。体験談は、健康情報誌『夢21』で2014年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。

不眠で悩んでいる人は、たった5分で簡単にできる方法なので、専門医の治療とあわせて試してみてください。くわしいやり方は、記事の下にある「関連記事」で紹介しています。

「夕方肩回し」で昼間の強い眠気と朝の目覚めの悪さが改善した

昼間に強い睡魔に襲われて知らぬ間に眠ってしまうことが続いた

神奈川県に住む会社員の斉藤孝子さん(仮名・42歳)は、昼間、強い眠気に襲われて知らぬ間に眠ってしまうことが続いて、2014年の春、不眠専門の白濱龍太郎先生のクリニックを訪ねました。

「バスに乗っていると、降りようと思っているうちに寝てしまうのです。気がついたら降りるはずのバス停が過ぎているということが何度もありました。また、あるときは、大事な仕事の約束時間直前に睡魔に襲われて、遅刻したこともありました。これでは、いつか居眠り運転も起こしかねないと不安になりました」

クリニックでの検査の結果、明らかな睡眠時無呼吸症候群(睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気)で、特注のマウスピースをつけて眠るようにすすめられました。マウスピースは、あごと舌を前方に固定して気道を広げるものです。

「睡眠時無呼吸症候群は、肥満の男の人がなるものと思っていました。私は、標準的な体型で太ってはいません。それでも、いつも目覚めが悪くてグッスリ熟睡した気がせず、睡眠の質が落ちているのは間違いありませんでした」

睡眠時無呼吸症候群は、寝つきはいいものの、眠ると息苦しくなって目覚めてしまうなどの不眠の症状を訴える人が多いようです。

夕方肩回しで体が温まって軽くなり、家事も楽になった

斉藤さんは、マウスピースをつけて眠る以外にも、白濱先生から日常生活上のいろいろなアドバイスを受けました。その一つが「夕方肩回し」を行うことでした。
「夕方肩回しをすると、体中がポカポカして気持ちよくなりました。体がとても軽くなるので、その後の食事の準備といった家事も、とてもらくにこなせるのです」

そのほかにも、帰りの電車の中で眠らない、スマートフォンなどの画面を長時間見るのはさける、飲酒は睡眠の4時間前まで、などを守るようにいわれました。

「いつも、帰りの電車の中では、1日の仕事が終わった解放感から、ウトウトしてしまいました。また、寝る前にスマートフォンで友人とメールをするのが習慣になっていました。そこで、帰りの電車ではおもしろい小説を読む習慣をつけて眠らないようにして、友人とのメールは朝にするようにしました」

朝の目覚めもよくなり、熟睡できていることを実感

生活習慣を改めつつ、夕方肩回しを3カ月ほど続けたところ、寝つきはもともとよかったので変わりはないものの、朝の目覚めが格段によくなったそうです。

「夜11時に寝て朝6時に起きるのですが、以前は目覚まし時計を2~3個使ってやっと起きていたのが、目覚まし時計なしでさわやかに起きられるようになりました。睡眠の質がよくなったせいなのか、毎朝、熟睡できたと実感する日々が続いています。自分では、睡眠時無呼吸症候群も改善してきているのではないか、と思っています」

斉藤さんは、うれしそうにそう話してくれました。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、記事にある体験はあくまでも個人的な感想であり、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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