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眠れない!【不眠の原因】は夜に深部体温が高いこと。1度C下げれば熟睡!
夏の夜って暑くて寝苦しいですよね。なかなか寝付くことができずにイライラ、睡眠不足で疲れやだるさがたまってさらにイライラ…。こんな悪循環に陥っていませんか?
この記事では、RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長の白濱龍太郎先生におすすめの不眠対策を教えていただきました。眠れずに悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。
もちろん、不眠の悩みがある人は一度専門医に診てもらうことが大切です。
不眠は夏に起こりやすく、高血圧・糖尿病・認知症まで招く
夏の高温多湿と室内外の温度差が不眠を招く
暑く寝苦しい夜が続き、眠れずにイライラしている人も多いのではないでしょうか。
日本の夏は高温多湿が特徴ですが、こうした気候は知らず知らずのうちに、私たちの体に大きな負担をかけています。それに加え、冷房でキンキンに冷えた室内と暑い外気との温度差にくり返しさらされることで、体の不調を訴える人も増えています。
こうした状況に体がさらされると、体温の調節機能が衰えたり、自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)のバランスが崩れたりして、不眠を招きやすくなります。
不眠が大きな病気につながることも
不眠は病気ではないから大丈夫、と甘く見てはいけません。不眠を放置すれば夏バテやだるさ、疲れなどに襲われるだけでなく、肥満や肌の老化まで引き起こします。
そればかりか、さまざまな病気を招きやすくなります。例えば、毎日の睡眠時間が5時間より短いと、高血圧のリスクが一気に上昇します。一日に4時間しか寝ていない状態が1週間続けば、血糖値は初期の糖尿病の患者さんと同じレベルまで、簡単に上がってしまうという報告もあります。
また、不眠がウツや認知症(ボケ)を招く要因であることもわかっています。
このように、不眠は私たちの体に重大な影響を与えるため、一刻も早く解消する必要があります。
不眠改善テクニックはやり方を間違えると逆効果になる
不眠のことを扱った多くの解説書には、運動をする、入浴するなど、さまざまな不眠改善法が紹介されています。しかし、やり方を間違えると逆効果になることが多いので注意が必要です。
例えば、運動は就寝の3~4時間以上前に行う必要があります。それ以降に行うと、交感神経(心身の働きを活発にする神経)の働きが高まってしまい、かえって眠れなくなります。また、入浴では熱い湯は逆効果で、ぬるめの湯にゆっくり入らなければ、眠気を誘う副交感神経(心身をリラックスさせる神経)が優位になりません。
このように、不眠改善にはさまざまなテクニックがありますが、こうしたやり方の中でも、特に簡単ですぐに作用が現れる可能性が高いものとして私がおすすめしたいのが、夕方に深部体温(体の内部の温度)を1度C上げるという方法です。
不眠改善には深部体温のコントロールが重要
深部体温の低下が「眠りのスイッチ」になる
私たち人間の深部体温は、1日の間に常に変化していて、上昇・下降のリズムがあります。ふつう、人の深部体温は早朝が最も低く、起床後に徐々に上がっていきます。日中は高く保たれ、夜、眠るときにぐっと下がります。
日中は、体内でブドウ糖などを燃料にしてエネルギーを生み出しているため、深部体温が高くなります。それに対して、眠っている間は脳や体を十分に休ませる必要があるので、エネルギー生産が減ります。そのため、深部体温は下がるのです。そして、私たちの体は、深部体温が下がると、眠くなるようにプログラムされています。
例えば、赤ちゃんや幼児は、眠くなると手足がポカポカと温かくなりますが、これは、血液が体の末端の手足に集まって、体内の熱を逃しているためです。そうすることで、深部体温は一気に下がり、赤ちゃんや幼児は、まるで電池が切れたかのように突然眠ってしまうのです。こうした深部体温の急激な低下は、まさに「眠りのスイッチ」ともいえます。
不眠に悩む人には深部体温を下げられない人が多い
眠りのスイッチを入れれば、私たち大人もスッと眠りにつけるはずですが、ストレスなどが原因で手足への血の流れが悪かったり、自律神経が乱れたりして、深部体温を上手に下げることができなくなり、不眠に悩む人がたくさんいます。
一般に、深部体温が下がりはじめるのは起床から11時間後です。仮に朝7時に起床すると、夕方6時ころに深部体温は最も高くなり(ピーク)、その後夜にかけて徐々に下がっていきます。ところが、朝の起床が遅かったり、昼寝をしたり、仕事や付き合いなどで寝るのが遅くなったりすると、深部体温のピークが遅くなってしまいます。
もちろん、不眠の原因のすべてが深部体温にあるわけではないのですが、眠れない悩みを抱える人の多くは、少なからず深部体温の高さに問題があると私は考えています。
そこで、夕方からの深部体温コントロールが極めて重要になります。夕方に、自然に深部体温のピークがこない人は、自分の力で深部体温を上げて、ピークを作り出せばいいのです。そうすれば、夜に向けて深部体温が下がっていき、眠りのスイッチが入りやすくなるというわけです。
深部体温を上げる目安は、1度Cです。どのようにして深部体温を上げればいいか、その方法は夕方に「肩回し」をすること。くわしくは、別の記事で紹介しています。
この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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